「脂肪壊死症」の版間の差分

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'''脂肪壊死症'''(しぼうえししょう、fat necrosis)とは、[[腹腔]]内の[[脂肪細胞]]が変性壊死を起こすことで生じる疾病のこと。[[ウシ]]の症例が広く知られているが、[[ヒト]]にも起こりうる。
{{告知|意見|page=ノート:脂肪壊死症#意見}}'''脂肪壊死症'''(しぼうえししょう、fat necrosis)とは[[腹腔]]や[[骨盤腔]]内の[[脂肪細胞]]が変性壊死して、硬い腫瘤状の塊を形成し、これが[[腸管]]や[[生殖器]]を圧迫することにより障害を示す疾病。日本では[[黒毛和種]]に多く認められる。原因としてある種の[[カビ]]に汚染された牧草の摂取、[[膵臓]]の障害などが考えられている。症状は腸管の閉塞や通過障害、[[流産]]などである。種々の治療が試みられているが、確定的な治療法はない。本疾病の病因である[[リパーゼ]]による脂肪の変性による壊死は脂肪壊死と呼ばれ、[[ウシ]]以外では[[イヌ]]、[[ネコ]]、[[ブタ]]の[[膵炎]]に続発して観察される。脂肪壊死は壊死の形態を意味する用語であり、疾病そのものを示す用語ではない。
 
== 概要 ==
牛の場合、腹腔内に蓄積した脂肪組織、主として円盤結腸、直腸、腎周囲脂肪が変性壊死を起こして淡黄色で堅く腫瘍状の大きな塊を作り、やがて腸管を狭窄して糞便の疎通障害を起こし、衰弱して死亡するという経過をとるものが多い<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=島田保昭,森永弘文|date=1977|title=牛の脂肪壊死症に関する研究I. 脂肪壊死症の疫学的観察について|journal=日本獣医師会雑誌|volume=30|issue=11|pages=584-588|publisher=日本獣医師会|ref=harv|doi=10.12935/jvma1951.30.584}}</ref>。和牛飼養者の老齢化や労力不足による運動不足、濃厚飼料の多給、子牛期の過肥による肥満化の傾向が、脂肪壊死症の増加を招くと考えられる<ref name=":0" />。
 
病気の進行は早く、治療法はない<ref name=":0" />。[[ハトムギ]]の主成分ヨクイニンの投与が有効とする報告がある<ref>{{Cite journal|和書|author=島田保昭,井上文洋,藤岡浩二,太田垣進,猪八重悟,森永弘文,山下正信|date=1979|title=牛の脂肪壊死症に関する研究V. 治療,発症予防試験について|journal=日本獣医師会雑誌|volume=32|issue=6|pages=331-340|publisher=日本獣医師会|ref=harv|doi=10.12935/jvma1951.32.331}}</ref>。
 
== 新生児皮下脂肪壊死症 ==
生後数日から1ヶ月以内に、脂肪が多く分布する臀部や大腿部に種種の大きさの板状の皮下結節を生じる<ref name=":1">{{Cite web|title=皮下脂肪織炎|url=http://www.ncgmkohnodai.org/皮膚/脂肪織炎/|website=国府台病院リウマチ膠原病科|accessdate=2020-05-20|language=ja-JP}}</ref>。数週から数ヶ月で自然治癒するが、一部は[[高カルシウム血症]]を合併し予後不良な場合もある<ref name=":1" />。
 
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
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== 参考文献 ==
*日本獣医病理学会編集 『動物病理学総論 第2版』 文永堂出版 2001年 ISBN 4830031832
*日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(大動物編)』 [[文永堂出版]] 2005年 ISBN 4830032006