「ナメクジ」の版間の差分

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山野には[[ヤマナメクジ]]という大型種がおり、体長は10[[センチメートル|cm]]以上にもなる。体は分厚く、[[触角]]は短い。[[沖縄諸島|沖縄]]の山地には別種'''ヤンバルヤマナメクジ'''もいる。'''ヒラコウラベッコウガイ'''は沖縄地方に見られる外来種で、退化しかけた薄く小さな殻があり、カタツムリとナメクジの中間的な形態を示す。やはり沖縄および熱帯地方に広く分布し、しばしば害虫とされるものに[[アシヒダナメクジ]]がある。これは形はあまりナメクジらしくなく、平べったい楕円形で、表面は細かいつぶつぶになってあまり粘液を出さない。裏返すと体の下面に、体の幅より狭い脚がはっきりと区別でき、その前の端に口や触角がある。これは他のナメクジ類とは近縁ではなく、[[イソアワモチ]]に近縁のものである。
 
== 駆除方法 ==
冬期以外のナメクジは、[[]]や園芸において植物を食い荒らし、直接作物に壊滅的な被害をもたらす[[農業害虫]]である。また、その見た目や、家屋への侵入から[[害虫#.E6.B0.97.E5.88.86.E3.81.AB.E5.AF.BE.E3.81.99.E3.82.8B.E5.AE.B3|不快害虫]]としての側面や、実際に寄生虫や病原菌の宿主となっている場合もあり、さまざまな駆除方法が考案されている。
* 他の陸上軟体生物と同様、ナメクジの体のほとんどは水分で構成されており、海棲軟体生物のような[[外套膜]]も持っておらず、極めて脆弱なため、水分を失わせればすぐ死滅する。
*: 他の陸上軟体生物と同様にナメクジの体のほとんどは水分で構成されており、海棲軟体生物のような[[外套膜]]も持っておらず極めて脆弱なため、水分を失わせればすぐ死滅する。主なやり方としては伝統的な[[塩|塩(食塩)]]、台所用洗剤や[[シャンプー]]に代表される[[界面活性剤]]、[[漂白剤]]やトイレ洗浄剤のような身近な[[酸]]または[[塩基]]をかけて[[浸透圧]]を利用する方法や、炎天下のコンクリートやアスファルト、マンホールの蓋などの熱せられ乾燥した場所にナメクジを放置する方法、あるいは[[ガスバーナー]]や[[ライター]]類を利用するか、生息域丸ごと野焼きを行って焼き殺す方法など、多数の手段が存在する。また陸上生活に順応して肺呼吸を行っているため、その特性を利用して水の中に数分浸け込んでも窒息死する。[[コウガイビル]]や[[プラナリア]]と異なり再生能力も持たないため、もっと単純に石や木の枝、農具で圧し潰したり切断・刺突したりしても容易に外傷死する。
* 多数を駆除する場合には市販されているナメクジ駆除剤(毒エサ、薬剤を散布するもの等)が有効である。特に[[リン酸鉄(III)|リン酸第二鉄]]の水和物が、従来使われていた[[メタアルデヒド]]に比べ[[ペット]]や[[野生動物]]に対する毒性が低いため、[[有機農業|有機栽培]]で広く使われている。
: また陸上生活に順応して肺呼吸を行っているため、その特性を利用して、水の中に数分浸け込んでも窒息死する。[[コウガイビル]]や[[プラナリア]]と異なり、再生能力も持たないため、もっと単純に石や木の枝、農具で圧し潰したり切断・刺突したりしても容易に外傷死する。
* 経験則として[[ビール]]の飲み残しを小さな容器に入れて置いておくと誘引されるので捕殺できる。ビールで溺死することも多い。ただし、中には酒に強い個体もいて飲み逃げされることがあるため、ビールの中にナメクジ駆除剤や塩を多めに入れておくとよい。ナメクジがビールに寄ってくるのはビール酵母と麦芽の香りによるものと言われているが、詳しいことはわかっていない。[[ビール]]大国である[[ドイツ]]では、この習性を利用してナメクジを駆除する際にビールを使うこともあるという。
* 多数を駆除する場合には市販されているナメクジ駆除剤(毒エサ、薬剤を散布するもの)が有効である。特に[[リン酸鉄(III)|リン酸第二鉄]]の水和物が、従来使われていた[[メタアルデヒド]]に比べ[[ペット]]や[[野生動物]]に対する毒性が低いため、[[有機農業|有機栽培]]で使用が認められる[[農薬]]として、農業で広く使われている。
* 経験則として[[ビール]]の飲み残しを小さな容器に入れて置いておくと誘引されるので捕殺できる。ビールで溺死することも多い。ただし中には、[[]]に強い個体もいて飲み逃げされることがあるため、ビールの中にナメクジ駆除剤や塩を多めに入れておくとよい。ナメクジがビールに寄ってくるのはビール酵母と麦芽の香りによるものと言われているが、詳しいことはわかっていない。[[ビール]]大国である[[ドイツ]]では、この習性を利用してナメクジを駆除する際にビールを使うこともあるという
* 効果的な駆除方法として、ペットボトルを半分に切り、その中に米ぬかとナメクジ用の粉状の誘殺剤(ナメトックス、ナメキール等)を混ぜたものを入れておく方法がある。ナメクジの出やすいところに仕掛けると簡単に駆除ができる。
* 銅イオンを忌避する性質があり、銅線・銅板によって少しは防除することができるが、劇的な効果は望めない。
* ナメクジの体表に[[塩]]を盛ると水分が抜けて溶けるように見える。これは水分を高張とする、つまり水溶液になって[[分子間力]]を生じる([[浸透圧]]が起きる)物質ならば何でもよい。つまり、[[砂糖]]や[[中性洗剤]]などでも同じような現象が観察できる。死ぬ前に[[水]]をかけると上記とは逆の作用により復活するように見えるが、多くの場合はすでに致命的な脱水症状により多数の細胞が破損しているため、しばらく後には死ぬ。
* 薄めた[[]]に忌避効果がある。また、[[コーヒー]]の[[カフェイン]]にも忌避効果がある<ref>J. W. Armstrong and Earl Campbell, "Caffeine as a repellent for slugs and snails R.G.Hollingsworth" ネイチャー 2002年6月27日号 915ページ</ref>。
 
=== 天敵 ===
* ナメクジの有力な天敵は[[コウガイビル]]類という動物であるが、[[環形動物]]の[[ヒル (動物)|ヒル]]の仲間ではなく、陸生の[[扁形動物]]で[[プラナリア]]の仲間である。
* [[ハエ]]の仲間では貝類捕食者として有名な[[ヤチバエ]]科の中に幼虫がナメクジを専門に捕食するものが知られているほか、クロバエ科のイトウコクロバエの幼虫も[[カタツムリ]]だけでなくナメクジに[[捕食寄生]]することがある。[[クロバエ科]]や[[ニクバエ]]科の捕食寄生性の種には宿主が不明なものが多いので、他にもナメクジ寄生性の種が見つかる可能性がある。
* [[スズメバチ]]、[[トックリバチ]]、[[アシナガバチ]]などの肉食性蜂類や[[アリ]]類など肉食性昆虫も[[捕食]]するのでナメクジにとっては[[天敵]]である。
 
== 利用と被害 ==