「宇宙機のドッキングおよび係留」の版間の差分

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{{double image|right|Progress docking.jpg|200|COTS2 Dragon is berthed.jpg|200|ISSにドッキングするため慣性飛行して接近するプログレス補給船|カナダ製のロボットアームで係留されようとするドラゴン補給船}}
{{読み仮名|'''宇宙機のドッキングおよび係留'''|うちゅうきのドッキングおよびけいりゅう}}は、概して2機の[[宇宙機]]の結合のことを意味する。この結合とは一時的なものから、[[宇宙ステーション]]の区画の結合のように恒久的なものまである。
 
''ドッキング''とは、特に[[慣性]]飛行している2機の宇宙機の結合を意味する<ref name=her>{{cite web|url=http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/20110010964.pdf|title=ISS Interface Mechanisms and their Heritage|author1=John Cook|author2=Valery Aksamentov|author3=Thomas Hoffman|author4=Wes Bruner|date=1 Jan 2011|publisher=Boeing|accessdate=31 March 2015|location=Houstan, Texas|quote=ドッキングは、接近してくるある1機の宇宙機が他の宇宙機とランデブーをし、接合部分の機器を整列させ噛み合わせるための制御された衝突軌道を飛行する際に発生する。宇宙機のドッキングの手順は、一般的に「ソフト・キャプチャー (柔らかい捕獲)」と呼ばれる作業から入り、次に負荷を減衰させる段階が続き、最後に両機の気密的な結合を達成させる。これに対し係留では、接近する宇宙機がロボット・アームで把持され (つかまれ)、その結合装置が静止しているほうの宇宙機の結合装置に近づけられる。そのあとに捕獲の工程に移り、強制的に宇宙機を整列させ構造的に結合させる。}}</ref><ref name=nasa20090317>{{cite web |title=International Docking Standardization |url=http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/20090014038_2009013104.pdf |publisher=NASA |accessdate=2011-03-04 |page=15|format=PDF |date=2009-03-17 |quote=ドッキング:2機の分離した慣性移動する宇宙機の結合または一体化}}</ref><ref name=ARDS>{{cite book|last=Fehse|first=Wigbert|title=宇宙機の自動化されたランデブーとドッキング|publisher=Cambridge University Press|location=Cambridge, UK|date=2003|isbn=0521824923}}</ref><ref name=AdvanDock>{{cite web|title=Advanced Docking/Berthing System - NASA Seal Workshop|url=http://gltrs.grc.nasa.gov/reports/2005/CP-2005-213655-VOL1/15Robertson.pdf|publisher=NASA|accessdate=2011-03-04|page=15|format=PDF|date=2004-11-04|quote=係留は、自ら動くことのない区画または機体を、遠隔操作システムを使用して結合部分に配置させる操作のことである。ドッキングでは、宇宙機は自らの推進装置を使用して結合部分に移動する。|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110922084406/http://gltrs.grc.nasa.gov/reports/2005/CP-2005-213655-VOL1/15Robertson.pdf|archivedate=2011年9月22日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>。これに対し''係留'' (berthing) は、自ら動くことのない区画または機体を、ロボットアームを使用してもう1機の宇宙機の結合部に配置させる操作のことである<ref name={{r|her/><ref name=|ARDS/><ref name=|AdvanDock/>}}。一方で切り離す場合においては、ロボットアームによる作業は現在のところ手作業で困難が伴うものであるため、緊急時に乗員を迅速に退避させるような状況には適さないとされている<ref>http://www.nasaspaceflight.com/2015/02/astronauts-spacewalk-re-wire-iss-commercial-crew/</ref>。
'''宇宙機のドッキングおよび係留'''(うちゅうきのドッキングおよびけいりゅう)は、概して2機の[[宇宙機]]の結合のことを意味する。この結合とは一時的なものから、[[宇宙ステーション]]の区画の結合のように恒久的なものまである。
 
''ドッキング''とは、特に[[慣性]]飛行している2機の宇宙機の結合を意味する<ref name=her>{{cite web|url=http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/20110010964.pdf|title=ISS Interface Mechanisms and their Heritage|author1=John Cook|author2=Valery Aksamentov|author3=Thomas Hoffman|author4=Wes Bruner|date=1 Jan 2011|publisher=Boeing|accessdate=31 March 2015|location=Houstan, Texas|quote=ドッキングは、接近してくるある1機の宇宙機が他の宇宙機とランデブーをし、接合部分の機器を整列させ噛み合わせるための制御された衝突軌道を飛行する際に発生する。宇宙機のドッキングの手順は、一般的に「ソフト・キャプチャー (柔らかい捕獲)」と呼ばれる作業から入り、次に負荷を減衰させる段階が続き、最後に両機の気密的な結合を達成させる。これに対し係留では、接近する宇宙機がロボット・アームで把持され (つかまれ)、その結合装置が静止しているほうの宇宙機の結合装置に近づけられる。そのあとに捕獲の工程に移り、強制的に宇宙機を整列させ構造的に結合させる。}}</ref><ref name=nasa20090317>{{cite web |title=International Docking Standardization |url=http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/20090014038_2009013104.pdf |publisher=NASA |accessdate=2011-03-04 |page=15|format=PDF |date=2009-03-17 |quote=ドッキング:2機の分離した慣性移動する宇宙機の結合または一体化}}</ref><ref name=ARDS>{{cite book|last=Fehse|first=Wigbert|title=宇宙機の自動化されたランデブーとドッキング|publisher=Cambridge University Press|location=Cambridge, UK|date=2003|isbn=0521824923}}</ref><ref name=AdvanDock>{{cite web|title=Advanced Docking/Berthing System - NASA Seal Workshop|url=http://gltrs.grc.nasa.gov/reports/2005/CP-2005-213655-VOL1/15Robertson.pdf|publisher=NASA|accessdate=2011-03-04|page=15|format=PDF|date=2004-11-04|quote=係留は、自ら動くことのない区画または機体を、遠隔操作システムを使用して結合部分に配置させる操作のことである。ドッキングでは、宇宙機は自らの推進装置を使用して結合部分に移動する。|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110922084406/http://gltrs.grc.nasa.gov/reports/2005/CP-2005-213655-VOL1/15Robertson.pdf|archivedate=2011年9月22日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>。これに対し''係留'' (berthing) は、自ら動くことのない区画または機体を、ロボットアームを使用してもう1機の宇宙機の結合部に配置させる操作のことである<ref name=her/><ref name=ARDS/><ref name=AdvanDock/>。一方で切り離す場合においては、ロボットアームによる作業は現在のところ手作業で困難が伴うものであるため、緊急時に乗員を迅速に退避させるような状況には適さないとされている<ref>http://www.nasaspaceflight.com/2015/02/astronauts-spacewalk-re-wire-iss-commercial-crew/</ref>。
 
== ドッキングの状態 ==
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=== 雌雄型 ===
{{Wiktionary|androgynous}}
ドッキングおよび係留の機構は、機構のどの部分を使って結合するかによって、無性型と有性型に分かれる。初期の宇宙機の結合装置は、すべて有性型のものだった。有性型とは、結合する双方の機体がそれぞれ独特の形状 (『雄』型と『雌』型) を持ち、ドッキングの過程において特定の役割を果たすという設計のもので<ref name={{r|nasa20090317/>}}、その役割は交代することはできない。さらに雄と雄、雌と雌など、同じ形のものは結合できない。
 
対照的に無性型のドッキング (また後には無性型の係留) では、双方の機体が同型の接合部を持つ。無性型の結合では接合部は単一の形状しかなく、それぞれは自身の複製と結合することになる。これによりすべての2機の宇宙機の間で救出作業や共同作業ができるようになるのはもちろんのこと、機構的な段階における[[冗長性]] (役割の互換性) を持つことが可能になる。また柔軟な飛行計画を立てたり、特殊な飛行をする際の分析や訓練の手間を省くことが可能になる<ref name={{r|nasa20090317/>}}
 
=== 機構および系統のリスト ===
{| class="wikitable" style="width:100%" border="1"
|-
|! style="text-align:left; width:15%" | 画像
|! style="text-align:left; width:12%" | 名称
|! style="text-align:left; width: 8%" | 方式
|! style="text-align:left; width: 7%" | 内部移動
! 注記
|! style="text-align:left; width:15%" | 形式
|-
| [[File:Gemini Docking Mechanism diagram view2.png|120px]]
| ジェミニ<br/>ドッキング機構
| ドッキング
| 不可能
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|-
|nowrap="nowrap"| [[File:U.S. Drogue .jpg|65px]][[File:Apollo probe .jpg|65px]]
| アポロ<br/>ドッキング機構
| ドッキング
| 可能
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|-
| [[File:Soyuz 7K-OK docking system drawing.png|120px]]
| 初期型[[探針]]誘導式<br/>ドッキング機構<br/> (ソ連)
| ドッキング
| 不可能
| 初期型ソユーズ「探針誘導式」ドッキング装置は、ソ連の宇宙ステーション計画準備のための技術的データを取得する目的で、ソユーズの第一世代機7K-OKで[[1966年]]<!--Kosmos 133-->から[[1970年]]<!--Soyuz 9-->まで使用された。そこで得られたデータはその後、ソユーズを改造した (当初は[[ソ連の有人月旅行計画]]のために開発されたものだった) 宇宙ステーション搬送機に使用された<ref name={{r|her/>}}<!--From the heritage document: "The Original Soyuz survived the Moon program to become the ancestor of all subsequent Soyuz and Soyuz-derived craft. Spacecraft designer Konstantin Feoktistov stated that the Original Soyuz missions in 1966-1970 provided engineering data for its conversion into a space station transport." -->。
2機の無人のソユーズによる初のドッキング (宇宙飛行の歴史において、初めて行われた完全無人のドッキング) は、[[1967年]][[10月30日]]の[[コスモス186,188号|コスモス186号と188号]]の飛行で行われた。
| 有性型
|-
| [[File:Kontakt docking system.png|120px]]
| Kontakt<br/>ドッキング機構
| ドッキング
| 不可能
| ソ連の月飛行計画で、月周回機7K-LOK (能動) と[[LK (着陸船)|着陸船LK]] (受動) のドッキングで使用される予定だった<ref name={{r|Mir/>}}
| 有性型
|-
|nowrap="nowrap"| [[File:Russian drogue.jpg|65px]][[File:Russian probe extended.jpg|73px]]
| 現行型探針誘導式<br/>ドッキング機構<br/> (ロシア)
| ドッキング
| 可能
| 現行のロシア式ドッキング機構である「ソユーズ探針誘導式ドッキング機構サリュート1型」は、[[1971年]]に実用化された。
 
この装置はロシアでは「Sistema Stykovki i Vnutrennego Perekhoda (SSVP)」と呼ばれ、その意味するところは「ドッキングおよび内部移動のための機構」である<ref name=rswDOCK>{{cite web|title=Docking Systems|url=http://www.russianspaceweb.com/docking.html|publisher=RussianSpaceWeb.com|accessdate=2 September 2012}}</ref>。はじめて使用されたのは[[ソユーズ10号]]および[[ソユーズ11号]]の飛行のときのことで、[[サリュート1号]]との間で宇宙開発史上初となる宇宙ステーションとのドッキングが行われた<ref name={{r|her/>}}。この装置はその後1980年代中頃に改良され、宇宙ステーション[[ミール]]に20トンもの区画を結合できるようになった<ref name=rswDOCK/>。内部には内径80センチメートルの円形の経路がある<ref name={{r|ARDS/><ref name=|AdvanDock/><ref name=|rswDOCK/>}}
 
「探針誘導式」機構では、ソユーズ、[[プログレス補給船]]、[[欧州補給機]]などの探針部を持つ宇宙機が、[[サリュート]]やミール、[[国際宇宙ステーション]] (International Space Station, ISS) などに設置されている誘導部を持つ接続口に結合する。現在使用されている装置はSSVP-G4000と呼ばれ、ISSの[[ズヴェズダ (ISS)|ズヴェズダ]]、[[ピアース (ISS)|ピアース]]、[[ミニ・リサーチ・モジュール1]]、[[ミニ・リサーチ・モジュール2]]の4カ所の区画に設置されている<ref name={{r|rswDOCK/>}}。また探針誘導式機構は、ISSで初めて打ち上げられた区画である[[ザーリャ]]とミニ・リサーチ・モジュール1との接合部にも使用されている<ref name={{r|her/>}}
| 有性型
|-
| [[File:APAS-75 image cropped and rotated.jpg|80px|center]]
| [[アンドロジナスドッキング機構|無性型<br/>ドッキング機構]]
| ドッキング
| 可能
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| ドッキング
| 可能
| ミール ([[クリスタル (ミール)|クリスタル区画]]<ref name=Mir>{{cite web|url=http://ston.jsc.nasa.gov/collections/TRS/_techrep/RP1357.pdf|title=Mir Hardware Heritage|last=Portree|first=David|date=March 1995|publisher=NASA|accessdate=11 December 2011|archiveurl=https://www.webcitation.org/5il9QixAg?url=http://ston.jsc.nasa.gov/collections/TRS/_techrep/RP1357.pdf|archivedate=2009年8月3日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref><ref name="sovietspaceshuttledockingmodule">{{cite book|author=Bart Hendrickx & Bert Vis|title=Energiya-Buran: The Soviet Space Shuttle|publisher=Praxis Publishing Ltd|location=Chichester, UK|year=2007|pages=379–381|isbn=978-0-387-69848-9|quote=ソ連版スペースシャトルと呼ばれる[[ブラン (オービタ)|ブラン]]が宇宙ステーションに向けて飛行する場合には、貨物室の前方にドッキング装置を搭載することになっていた。装置は直径2.55メートルの球状部に直径2.2メートルの円筒形のトンネルを取りつけた形状をしており、またトンネルの先には1975年のアポロ・ソユーズテスト飛行のためにNPO Energiyaによって開発されたAPAS-75の改良型である、APAS-89無性型ドッキング装置が設置されていた (Page 141)。この計画は無人のブランをミールに向けて発射し、[[クリスタル (ミール)|クリスタル]]区画のAPAS-89ドッキング装置に結合させるというものであった (Page 246)。1980年代後半には、NPO EnergiyaはAPAS-89を搭載した3機のソユーズ宇宙船 (製造番号101、102、103) を製造するよう命令されていた (Page 246)。101号機はソユーズTM-16として[[1993年]]1月に発射され、[[ゲンナジー・マナコフ]]および[[アレクサンドル・ポレシチューク]]両飛行士をミールに送った。APAS-89を搭載したソユーズとしては、TM-16はクリスタル区画とドッキングした唯一の機体であった。ソユーズ「救出船」として一部が組み立てられた102号機と103号機はその後探針ドッキング装置を搭載した通常のソユーズに改められ、新たに製造番号が与えられた (Page 249)。NASAは[[スペースシャトル]]のミールへの飛行を支援するため、軌道船ドッキング機構(Orbiter Docking System, ODS) の開発を[[1992年]]7月に開始した。ODSはシャトルの貨物室の最前部に搭載され、気密室、支持構造、APASで構成されていた。このうち気密室と支持構造はロックウェル社で製造されたが、APASはRKK Energiyaが製作した。Energiyaにおけるシャトル用APASの製造番号はAPAS-95だったが、これはブラン用のAPAS-89と本質的には同じものだった。ODSはその後ISS用のものではわずかに改良されたが、APASの部分は変更されなかった (Page 380)。|url=http://books.google.com/books?id=VRb1yAGVWNsC&dq=%22APAS-95%22+nasa&source=gbs_navlinks_s}}</ref>および[[ミール・ドッキングモジュール|ドッキング区画]])、[[ソユーズTM-16]]<ref name={{r|Mir/><ref name="|sovietspaceshuttledockingmodule"/>}}、[[ブラン (オービタ)|ブラン]]で使用された (ブランは計画のみ)<ref name="{{r|sovietspaceshuttledockingmodule"/>}}。移動用トンネルの内径は80センチ<ref name={{r|her/><ref name=|ARDS/><ref name=|AdvanDock/>}}
| 無性型<br/>(ソユーズTM-16)<br/>有性型<br/>(クリスタル<ref name="kristall">{{cite web|url=http://www.russianspaceweb.com/mir_kristall.html|title=Kristall module (77KST) at a glance|accessdate=16 March 2016}}</ref>、<br/>ミールドッキング区画<ref name="sts-74press">{{cite web|url=http://www.shuttlepresskit.com/sts-74/sts74.pdf|title=Space Shuttle Mission STS-74 Press Kit|publisher=NASA|accessdate=28 December 2011|quote=アトランティスは、上下に多目的の無性型のドッキング装置を搭載したロシア製のドッキング区画を運ぶことになる。}}</ref>)
|-
|nowrap="nowrap"| [[File:APAS-95 passive side.jpg|62px]][[File:APAS-95 active side.jpg|85px]]
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| ドッキング
| 可能
| [[スペースシャトル]]<ref name="{{r|sovietspaceshuttledockingmodule"/>}}、ISS (ザーリャ、[[与圧結合アダプタ|与圧結合接続器]]) で使用される。移動用トンネルの内径は80センチ<ref name={{r|her/><ref name=|ARDS/><ref name=|AdvanDock/>}}。製造者は[[S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギア|RKKエネルギア]]。本質的にはAPAS-89と同じものとされている<ref name="{{r|sovietspaceshuttledockingmodule"/>}}
| 無性型<br/>(シャトルおよびPMA-1<ref name={{r|her/>}})<br/>有性型<br/>(PMA-2およびPMA-3) <ref name={{r|her/>}}
|-
|nowrap="nowrap"|[[File:Passive hybrid docking system - from another angle.jpg|70px]][[File:ISS S01 Pirs airlock cropped.jpg|74px]]
| 複合型<br/>ドッキング機構
| ドッキング
| 可能
| 「複合」の名称は、探針誘導式の暫定的ドッキング機構と、APAS-95の確定的ドッキングのための周縁部を組み合わせたことに由来する。ロシアではSSVP-M8000の名称で実用されている<ref name={{r|rswDOCK/>}}<!-- It has a circular transfer passage that has a diameter of {{convert|1100|mm|in|abbr=on}}. -->。
 
ISSではズヴェズダとザーリャ、およびピアースとミニ・リサーチ・モジュール2の、2カ所の結合部で使用されている<ref name={{r|her/>}}
| 有性型
|-
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| 係留
| 可能
| ISSのUSセグメント (ロシア以外の区画) および[[多目的補給モジュール]]、[[宇宙ステーション補給機|宇宙ステーション補給機HTV (こうのとり)]]、[[ドラゴン (宇宙船)|ドラゴン補給船]] <ref>[http://www.spaceflightnow.com/falcon9/003/120521dragon/ Tests of new Dragon systems to begin minutes after launch], Stephen Clark, ''Spaceflight Now'', 2012-05-21, accessed 2012-050-22.</ref>、[[シグナス (宇宙船)|シグナス補給船]]で使用される。標準的な共通結合機構は角が丸い正方形の移動用トンネルを持ち、その幅は130センチメートルである<ref name={{r|AdvanDock/>}}。シグナスは小型のハッチを使用しているため、移動用トンネルは形状は同じだが幅は94センチと小さくなっている<ref>{{cite web|url=http://www.orbital.com/antares-cygnus/|title=Cygnus Pressurized Cargo Module Completes Proof-Pressure Testing|date=August 2010|publisher=Orbital Sciences|quote=シグナスの与圧貨物区画は現行のISSのUSセグメントのハッチと酷似しているが、幅は37インチでISSの50インチのものより若干小さくなっている。|accessdate=16 March 2015|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130417064631/http://www.orbital.com/antares-cygnus/|archivedate=2013年4月17日}}</ref>。
| 有性型
|-
|nowrap="nowrap"|
| 中国式<br />ドッキング機構
| ドッキング
| 可能
| [[神舟]]宇宙船で、神舟8号から始まる[[天宮1号]]宇宙ステーションとのドッキング飛行で使用された。中国のドッキング機構はロシアのAPAS-89とAPAS-95を元にしており、「ほとんどクローンではないか」と言う者もいる<ref name={{r|her/>}}が、一方で中国は両者との類似性はないと主張している<ref>{{cite web|url=http://www.spacenews.com/civil/110801-china-space-station-module-readies.html|title=China’s First Space Station Module Readies for Liftoff|date=1 August 2012|publisher=Space News|accessdate=3 September 2012}}</ref>。移動用トンネルの内径は80センチ<ref>{{cite web|url=http://english.cntv.cn/special/tiangong1/20111031/114506.shtml|title=Differences between Shenzhou-8 and Shenzhou-7 |date=31 October 2011|publisher=CCTV|accessdate=17 March 2015|quote=神舟8号と天宮1号は内径800ミリの円筒形の経路で結ばれるだろう。}}</ref><ref>{{cite web|url=http://spaceflightnow.com/china/shenzhou9/120618docking/|title= Chinese astronauts open door on orbiting research lab|last=Clark|first=Stephen|date=18 June 2012|publisher=Spaceflight Now|accessdate=17 March 2015|quote=景は31インチの狭い通路を漂いながら天宮1号の中に導かれていった}}</ref>
 
天宮1号で初めて使用され、将来的な中国の宇宙ステーション計画や補給船で使用される予定。
| 無性型<br />(神舟)<br />有性型<br />(天宮1号)
|-
| [[File:NDS docking tests.jpg|140px]]
| NASA<br />ドッキング機構
| ドッキングおよび係留
| 可能
| 国際ドッキング接続器および将来的なアメリカの搭乗機で使用される。国際ドッキング機構の基準に適合。移動用トンネルの内径は80センチ<ref name={{r|IDSS/>}}
| 無性型<br />([[商業乗員輸送開発|商業宇宙船]]、<br />[[オリオン (宇宙船)|オリオン]])<br />有性型<br />(IDA)
|-
|nowrap="nowrap"|
| 国際的係留および<br />ドッキング機構<br /> (欧州)
| ドッキングおよび係留
| 可能
125 ⟶ 124行目:
 
国際的係留およびドッキング機構 (International Berthing and Docking Mechanism, IBDM) は国際ドッキング規格<ref name=IDSS>{{cite book|title=International Docking System Standard|date=November 20, 2013|edition=Rev. C|url=http://internationaldockingstandard.com/download/IDSS_IDD_Rev_C_11_22_13_FINAL.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20131216200055/http://internationaldockingstandard.com/download/IDSS_IDD_Rev_C_11_22_13_FINAL.pdf|archivedate=2013年12月16日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>に適合するよう設計されており、従って将来的にISSのアメリカ側に設置される国際ドッキング接続器と互換性を持たせるようになっている<ref name=nasa20140319>
{{cite web |title=Status of Human Exploration and Operations Mission Directorate (HEO) |url=http://www.nasa.gov/sites/default/files/files/HEOC_HEOStatus_July2013_TAGGED.pdf |publisher=NASA |accessdate=2014-03-19 |date=2013-07-29 }}</ref>。移動用経路の内径は80センチ<ref name={{r|IDSS/>}}
 
アメリカの民間企業[[シエラ・ネヴァダ・コーポレーション]]が開発している[[ドリームチェイサー (宇宙船)|ドリームチェイサー]]は再使用可能な小型宇宙船で、ISSに飛行士および乗組員を送り迎えするための候補とされている。[[欧州宇宙機関]]は、ISSに飛行するこの新型機がIBDMを搭載する可能性があるとして、シエラ社と協力を開始した<ref>{{cite web|title=QinetiQ Space Wins ESA Contract for International Berthing Docking Mechanism|url=http://spaceref.biz/company/qinetiq-space-wins-esa-contract-for-international-berthing-docking-mechanism.html|website=http://spaceref.biz/company/qinetiq-space-wins-esa-contract-for-international-berthing-docking-mechanism.html|accessdate=2016-03-18}}</ref>。
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* 与圧結合接続器 (Pressurized Mating Adapter, PMA):現行の共通結合機構をAPAS-95に結合させるもの。ISSには3機が接続されており、PMA-1およびPMA-2は[[1998年]]にスペースシャトル[[STS-88]]で、PMA-3は[[2000年]]に[[STS-92]]で打ち上げられた。
 
* 国際ドッキング接続器 (International Docking Adapter, IDA)<ref name=Hartman>{{cite web|url=http://www.nasa.gov/pdf/672214main_1-Hartman_July12_NAC_Final_508.pdf|title=International Space Station Program Status|last=Hartman|first=Dan|date=23 July 2012|publisher=NASA|accessdate=10 August 2012}}</ref>:APAS-95をNASAドッキング機構に結合させるもの。ISSの[[ハーモニー (ISS)|ハーモニー]]区画に設置された2カ所のPMAに、それぞれ1機のIDAが配置される予定である<ref>{{cite web|url=http://dockingstandard.nasa.gov/Documents/Configuration-Changes-post-CDR-public-revA.pdf|title=NDS Configuration and RequirementsChanges since Nov 2010|last=Lupo|first=Chris|date=2010-06-14|publisher=NASA|accessdate=22 August 2011|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110814205532/http://dockingstandard.nasa.gov/Documents/Configuration-Changes-post-CDR-public-revA.pdf|archivedate=2011年8月14日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>。IDA-1は[[スペースX]]社のCRS-7で発射されハーモニーの前部PMAに取りつけられる予定だったが、発射は失敗に終わった<ref name={{r|Hartman/>}}<ref name=launchdate>{{cite web|url=http://www.nasa.gov/sites/default/files/files/ISS-USOS-Program-Status-NAC-Public-July-2014.pdf|title=Status of the ISS USOS|last=Hartman|first=Daniel|date=July 2014|publisher=NASA Advisory Council HEOMD Committee|accessdate=26 October 2014}}</ref>。IDA-2は同社のCRS-9で打ち上げられ、ハーモニーの上部PMAに接続される予定である<ref name={{r|Hartman/><ref name=|launchdate/>}}。この接続器は、ISSの国際共同委員会の試みで定められたドッキングのための基準である、国際ドッキング機構標準に適合するものになる<ref>{{cite web|url=http://commercialcrew.nasa.gov/document_file_get.cfm?docid=107|title=Commercial Crew Program: Key Drving Requirments Walkthrough|last=Bayt|first=Rob|date=2011-07-26|publisher=NASA|accessdate=27 July 2011|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120328055242/http://commercialcrew.nasa.gov/document_file_get.cfm?docid=107|archivedate=2012年3月28日|deadlinkdate=2017年10月}}</ref>。
 
<center>
154 ⟶ 153行目:
しかしながら[[2015年]]以降、経費削減を重視する多くの無人商業衛星によるドッキング計画が始まることにより、この状況は大きく変わることになる。[[2011年]]初頭には[[商業軌道輸送サービス]]を行う2つの企業が、他の無人宇宙機に自動または遠隔操作で補給を行う、新型無人宇宙補給機を開発する計画を発表した。特筆すべきなのは、それらの補給機はどちらも、ドッキングあるいは宇宙空間で補給されることを前提で設計されたものではない衛星と結合することを目標にしているということである。
 
これらのビジネスモデルの運用は、初期段階では原則的に[[対地同期軌道]]に近い軌道を周回することになるが、大きな[[デルタV]][[軌道マヌーバ|軌道変更]]をするような飛行も見込まれている<ref name={{r|av20110321/>}}
 
[[2007年]]のオービタル・エキスプレス (Orbital Express) 計画では、2機の無人衛星とドッキングすることが要求される新型商業衛星補給飛行について、すでに2社が公表している。オービタル・エキスプレスは[[アメリカ合衆国連邦政府|アメリカ政府]]により進められている計画で、軌道上で燃料を補給したり部分系統を補充するよう根本から設計されている2機の衛星を使用し、宇宙空間で衛星の補給作業を行うことを試験するものである。
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* 飛行延長機 (Mission Extension Vehicle, MEV)<ref name=vs20110328>
{{cite web |title=ViviSat Corporate Overview |url=http://www.usspacellc.com/in-orbit-servicing/vivisat |work=company website |publisher=ViviSat |accessdate=2011-03-28}}</ref>は、航空宇宙企業のUSスペース社と[[アライアント・テックシステムズ]]社が50対50の出資をしている合弁企業であるヴィヴィサット (ViviSat) 社によって開発された宇宙機で、宇宙空間における小規模な衛星再補給機として機能する<ref name=av20110321>
{{cite news |last=Morring|first=Frank, Jr. |title=An End To Space Trash? |url=http://www.aviationweek.com/aw/generic/story.jsp?id=news/awst/2011/03/21/AW_03_21_2011_p23-297586.xml&headline=An%20End%20to%20Space%20Trash?&channel=awst |accessdate=2011-03-21 |newspaper=Aviation Week |date=2011-03-22 |quote=''USスペース社とアライアント・テックシステムズ社が50対50の出資をする新規合弁企業ViviSat社は、衛星再補給機を商用に向け開発している。この機体はMDAのように目標の衛星に同じprobe-in-the-kick-motorを使って接触するが、燃料の補給は行わない。代わりにこの機体は新しい燃料タンクとなり、目標の衛星に姿勢制御の能力を与えるために自身の推進器を使用する。...ViviSatの構想はMDAほど進んではいない。...燃料が尽きた衛星の寿命を延ばすことに加え、同社はAEHF-1衛星のように燃料を搭載した宇宙機に低軌道でドッキングし、正しい軌道に乗せるために自身のロケットと燃料を使って救済し、その後他の目標に移動することもできた。}}</ref>。MEVはドッキングはするが燃料の移し替えは行わず、それよりも目標の衛星に姿勢制御の能力を与えるため、自身の[[姿勢制御システム]]を使用する予定である<ref name={{r|av20110321/>}}
 
SISとMEVはそれぞれ異なるドッキング技術を用いることになる。SISが[[アポジキックモーター]]の周囲にリング状のアタッチメントを付ける<ref name=sn20110318>
{{cite news |last=de Selding |first=Peter B. |title=Intelsat Signs Up for MDA’s Satellite Refueling Service |url=http://www.sbv.spacenews.com/satellite_telecom/110318intelsat-signs-for-mdas-satellite-refueling-service.html |accessdate=2011-03-20 |newspaper=Space News |date=2011-03-18 |quote=''燃料の供給には40種類以上もの方法があり ... SISは現在静止軌道上にある衛星に搭載されている燃料系統の、75パーセントを開けるのに十分な機器を運ぶことになる。... MDAはSISの補給機を発射する。その機体はインテルサットの衛星とランデブーしドッキングし、自身は衛星のアポジ・ブーストモーターの周囲にあるリングに取りつけられる。地上のスタッフに操作されながら、SISのロボットアームはアポジ・モーターのノズルを通して衛星の燃料キャップを探し当て、回し開ける。SIS機は契約した量の燃料を補給し終えると、キャップを閉め次の飛行に向かう。... この計画では数十もの衛星に燃料を再補給するため、SISに把持される交換用の燃料缶が使用される。ビジネスの鍵は、MDAが期限年内にどれだけの燃料缶を打ち上げられるかにかかっている。これらの燃料缶はSISの機体よりも十分に軽いため、経費も十分に安くなる。'' |archiveurl=https://archive.is/20120321160118/http://www.sbv.spacenews.com/satellite_telecom/110318intelsat-signs-for-mdas-satellite-refueling-service.html |archivedate=2012年3月21日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>
一方で、MEV機はいくらか一般的な、キックモーターのノズルの中に探針を挿入する方式を用いる<ref name={{r|av20110321/>}}
 
無人ドッキングのための装置を取りつけられた宇宙機で最も有名なものは、ハッブル宇宙望遠鏡である。[[2009年]]のシャトル[[STS-125]]の飛行では、望遠鏡の本体後部に暫定的把持機構 (Soft-Capture Mechanism, SCM) が設置された。SCMは寿命を迎えたハッブルが軌道を離脱する際、無人の宇宙機と与圧なしのドッキングをするときに使用されることになっている。またSCMは[[オリオン (宇宙船) |オリオン]]とドッキングする可能性に備えるため、NASAドッキング機構の接続部と互換性を持つように設計されている<ref name="softcap">{{cite web|url=http://www.nasa.gov/mission_pages/hubble/servicing/SM4/main/SCRS_FS_HTML.html|title=The Soft Capture and Rendezvous System|accessdate=May 22, 2009|publisher=NASA|year=2008|author=NASA }}</ref>。
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== 非協力的ドッキング ==
「非協力的」とは、一般的な意味における「協力的ではない」ということではなく、ある宇宙機がそれ自体による能動的な機体の制御を受けておらず、また他の宇宙機に捕獲されることに自ら積極的に協力する状態にないということを意味する。操作可能な姿勢制御装置を持たない宇宙機 (または宇宙を飛行する他の人工の物体) とのドッキングは、目的がその物体を回収するためであったり、あるいは制御された[[大気圏再突入]]を始めるためであるにしても、時として実行する価値を持つものである。非協力的な宇宙機とのドッキングの技術理論については、これまでにいくつかの提案が出されている<ref name=ieee200610>{{cite journal |last=Ma |first=Zhanhua |author2=Ma, Ou and Shashikanth, Banavara |title=Optimal Control for Spacecraft to Rendezvous with a Tumbling Satellite in a Close Range |url=http://mae.nmsu.edu/~oma/Papers/Paper_Optimal_Ctrl_IROS06.pdf |journal=Proceedings of the 2006 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems |date=October 2006 |pages=4109–4114 |accessdate=2011-08-09 |quote=''軌道上にある衛星を補給する上において最もやりがいのある課題のひとつは、回転運動をしている衛星のように非協力的な衛星とランデブーし、それを捕獲することである。'' |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130605184656/http://mae.nmsu.edu/~oma/Papers/Paper_Optimal_Ctrl_IROS06.pdf |archivedate=2013年6月5日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref><!-- Ma et al assume a standardized "docking interface" exists on each spacecraft; see pp 4109. -->。しかしながら機能停止に陥った宇宙ステーション、[[サリュート7号]]を補修した[[ソユーズT-13]]の飛行という唯一の例外を除き、宇宙飛行のこれまでの50年の歴史においてすべての宇宙機のドッキングは、[[2006年]]現在に至るまで関連する双方の宇宙機がどちらも操縦され、自動もしくは遠隔操作で制御されているという状況の中で達成されてきた<ref name={{r|ieee200610/>}}。だが[[2007年]]に行われたある試験飛行では、制御された宇宙機のロボットアームを使用し、非協力的<!-- この議題の文脈における「非協力的」とは「協力する意思がない」ということではなく、単に宇宙機がそれ自体による能動的な姿勢制御を何ら受けておらず、また捕獲されることに協力する意図を持たないという意味である。-->な衛星を把持するという初の実験が行われた<ref name={{r|sfn20070704/>}}。非協力的衛星を自律的に捕獲する付加的な飛行計画を維持するための研究および具体化の作業は、今後数年間続けられる<ref name=xu201009>{{cite journal|last1=Xu|first1=Wenfu|title=Autonomous rendezvous and robotic capturing of non-cooperative target in space|journal=Robotica|date=September 2010|volume=28|issue=5|pages=705–718|doi=10.1017/S0263574709990397|url=http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=7871150&fileId=S0263574709990397|accessdate=2014-11-16}}</ref><ref name=yoshida2004>{{cite journal|last1=Yoshida|first1=Kazuya|title=Dynamics, control and impedance matching for robotic capture of a non-cooperative satellite|journal=Advanced Robotics|date=2004|volume=18|pages=175–198|doi=10.1163/156855304322758015|url=http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1163/156855304322758015#.VGjL1sl5UyM}}</ref>。
 
=== 宇宙ステーションサリュート7号回収計画 ===
{{main|ソユーズT-13}}
{{Double image|right|USSR stamp Soyuz-27 1978 4k.jpg|150|1981. Союз-Т4 - Салют-6. В.В. Коваленюк, В.П. Савиных (3).jpg|200|1978年発行のソ連の郵便切手に描かれる[[ウラジーミル・ジャニベコフ]]船長 (左) と[[オレグ・マカロフ (宇宙飛行士)|オレグ・マカロフ]]飛行士 (右)|[[サリュート6号]]の飛行を記念した切手に描かれる[[ヴィクトル・サヴィヌイフ]]博士と[[ウラジーミル・コワリョーノク]]|}}
作家のデヴィッド・ポートリー (David S. F. Portree) は、史上10番目の宇宙ステーションである[[サリュート7号]]と[[ソユーズT-13]]のドッキングを「宇宙空間での修理の歴史において最も印象的な偉業のひとつ」として描いている<ref name={{r|Mir/>}}。[[太陽電池]]と遠隔装置が故障したことにより、サリュートは管制センターに異常が発生したことを報告できないまま自動飛行を続けていた。[[1985年]]2月、通常電池の残量が尽きると、突如としてステーションからの通信がとだえた。これによりその後の飛行士のスケジュールが大きく支障をきたしたため、ロシアの軍人[[ウラジーミル・ジャニベコフ]] <ref>{{cite web|url=http://www.astronautix.com/astros/dzhbekov.htm |title=Dzhanibekov |publisher=Astronautix.com |date= |accessdate=August 5, 2013}}</ref>と[[工学]][[航空機関士]][[ヴィクトル・サヴィヌイフ]] <ref>{{cite web|url=http://www.astronautix.com/astros/savinykh.htm |title=Savinykh |publisher=Astronautix.com |date= |accessdate=August 5, 2013}}</ref>に応急修理に向かうことが命じられた。
 
ソ連時代を含むロシアのすべての宇宙ステーションは、自動のランデブーおよびドッキングシステムを採用している。これはIGLAを搭載していたサリュート1号から、[[クルス (ドッキングシステム)|クルス]]を搭載する現在のISSのロシア区画に至るまで継続している。T-13の飛行士らは、サリュート7号がランデブーに必要なレーダー電波や、遠隔測定のための情報を一切発信していないことを確認した。さらに接近して回転するサリュートを外部から観察した結果、携帯式のレーザー距離測定器を使用して接近することを決断した。
 
ジャニベコフは、サリュートの前部ドッキング装置に目標を定めた。機体を操作しサリュートの回転にソユーズを同期させ、暫定的なドッキングに成功する。その後確定的ドッキング状態を確保すると、彼らはステーションの電気系統がすべて停止していることを確認した。ハッチを開けるのに先立ち、ジャニベコフとサヴィヌイフが船内の空気をサンプリングすると、何も異常は確認されなかった。両名は毛皮の裏地のついた防寒着に身を包んで酷寒のサリュートに侵入し、修理を開始した。1週間以内にシステムは動作を回復し、無人の補給船がドッキングできるまでになった。ただし船内の空気が正常に戻るまでには、さらに2ヶ月近くかかった<ref name={{r|Mir/>}}
<!-- Will be moved to another section. Work in progress, see here [[User:Tony Mach/Spacecraft docking and berthing mechanisms]]
No manned United States spacecraft have ever been equipped with non-experimental automated rendezvous and docking equipment.{{cn|date=August 2012}}
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NASAはすでに、自動・自律ランデブーとドッキングとは何であるかということを定義している。それによれば、「人間によるコントロールから独立し、また他のバックアップもなく飛行している2機の宇宙機をランデブーおよびドッキングさせる能力」のことで、センサー、ソフトウェア、リアルタイムの軌道追跡や機体の制御などの技術的な進歩が、その他の課題の中でも特に要求されるものである。またそれは「軌道上での燃料の貯蔵や補給のような能力の最終的な到達目標」であり、飛行に必要な部品を組み立てたりする惑星間飛行のような複雑な任務を遂行する上でも必要不可欠な技術である<ref name=nasa20100525>{{cite web|last=Tooley|first=Craig|title=A New Space Enterprise of Exploration|url=http://www.nasa.gov/pdf/458813main_FTD_AutomatedAutonomousRendezvousAndDockingVehicleOverview.pdf|date=2010-05-25|publisher=NASA|accessdate=2012-06-25}}</ref>。
 
自動・自律ランデブーおよびドッキング機 (The Automated/Autonomous Rendezvous & Docking Vehicle, ARDV) は、NASAが一般公募した宇宙開発研究課題[[センテニアル・チャレンジ]]のひとつであり、早くも2014年か2015年には飛行する。この計画におけるNASAの重要な目標のひとつは、自動ランデブーおよびドッキングの技術を発達させ、それを実証することである。2010年の検討では、接近作業用レーザーセンサーの開発が計画の重要課題のひとつとして定められた。このセンサーは、非協力的機体に対して1キロメートルから1メートルまでの距離で使用される。また非協力的衛星に対するドッキング機構の開発も、そのような自律的飛行を成功させるためのきわめて重要な要素であるとされている<ref name={{r|nasa20100525/>}}
 
<!-- See D&D Grapple Rules -->
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[[Categoryカテゴリ:宇宙機の構成要素|とつきんくおよひけいりゆう]]