「詩的で宗教的な調べ」の版間の差分

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== 概要 ==
[[アルフォンス・ド・ラマルティーヌ]]の同名の詩集に着想を得て作曲されたことから、各曲の標題もフランス語で表記されている。晩年のリストは宗教的・瞑想的な作品を多く書いているが、本曲集からはリストのそのようなひとつの趣向が若い頃から発現していたことを示していがうかがえる<ref>{{Cite book|和書|year=1984|title=名曲ガイド・シリーズ12 器楽曲 下|publisher=音楽之友社|page=230}}</ref>。
 
[[カロリーネ・ツー・ザイン=ヴィトゲンシュタイン|カロリーネ・ザイン=ヴィトゲンシュタイン侯爵夫人]]に献呈。演奏時間は全曲で約80分前後。最終版 S.173の第3曲「孤独の中の神の祝福」及び第4曲「亡き人たちの思い」は約15分であるが、短い数分の曲も含まれており、組曲全体が自由な発想の下で、規模の異なる曲で組み立てられている。また、最終版 S.173の第4曲では聖歌が用いられ、第2曲、第5曲、第6曲はリスト自身の合唱曲から素材が転用されてお、ピアノ独奏曲でありながら合唱を連想させる音楽である。
 
== 曲集の変遷の概要 ==
現在よく演奏される版は第3稿 S.173に至るまあり、単一曲である S.154、組曲としての第1稿 S.171d、第2稿 S.172a、第3稿 S.173、と最終版約20年至るまで再考を重ね、わたって(リストの他作品よりと比べても)多くの大きな変更・見直しと共に永く温めらが行われてきた曲であることからおり、彼の特別な思い入れが伝わる経緯を持っている。
 
1834年、若きリストは[[アルフォンス・ド・ラマルティーヌ|ラマルティーヌ]]の詩集「詩的で宗教的な調べ」に感銘を受け、同名の標題音楽「詩的で宗教的な調べ」を作曲し、翌年音楽雑誌「ガゼット・ミュジカル」の付録として発表した。これは現在知られている組曲ではなく単一曲であり、後に最終版 S.173の第4曲「亡き人たちの思い」となった原曲である(改訂については[[#改訂の歴史|「改訂の歴史」の節]]を参照)。
 
最終版 S.173の第3曲「孤独の中の神の祝福」及び第7曲「葬送曲」が名曲として非常に有名であり単独でよく演奏されるが、そもそもリストは、後に最終版 S.173の第4曲「亡き人たちの思い」となる1曲だけで第1稿 S.154を「詩的で宗教的な調べ」として発表していことからも、リストはこの曲の中で最終版 S.173の第4曲を中心に位置づけて組曲全体を構築していったことが理解推察される。作曲技法の上でも、最終版 S.173の第4曲では当時の音楽にとって全くの前衛音楽とも言える驚くべき斬新な技法を多用しており、彼の特別な挑戦が感じられる。
 
== 各曲 ==
#'''亡き人たちの思い''' ''Pensée des morts''  [[ファイル:Franz_Liszt,_Harmonies_poétiques_et_religieuses_S.173_No.4.jpg|サムネイル|聖歌 第129番「深き淵」の歌詞が付与された部分の楽譜]]
#:S.154 の単一曲「詩的で宗教的な調べ」が原曲。「死者の追憶」という邦題が知られているが、フランス語の"''Pensée''"には「追憶」のような意味はなく、古い時代の日本での創作的誤訳である。
#:後半より聖歌 第130番「深き淵」が引用さ、ベートーヴェンの例があようにこの部分おいてリスト、ピアノ独奏曲の楽譜であるのにかかわらず聖歌のラテン語歌詞が書き添えられている(右記が書き込まれている歌詞の部分)。この聖歌は数多くの作曲家たちが作曲を施している有名なもの旋律であり、彼の未完曲であるピアノと管弦楽のための詩篇「深き淵」でも扱われた素材であった<ref name="Howard" />。
#:聖歌の内容は、亡き人々が死の淵から主に呼びかける内容で、標題は、死者たちが主に対して呼び語る思いを意味している。
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#:'' 耳を 傾けてください。''
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#:また、本曲技法の上では以下のように当時の音楽から大きく逸ようという大胆た革新的な手法が様さく用いられている。
#:・曲の中ほどまで[[調号]]が用いられない、和音が未[[解決]]のまま終結する等、意図的に調性を明らかにしないようにしている部分がある。
#:・5拍子、7拍子という奇数の拍子が多用され、その交錯・発展が図られている。また、聖歌の箇所には拍子が書かれておらず、何拍子として捉えてどう演奏すべきか判断が困難な部分がある。もある。
#:・調性音楽の機能和声では分析できな断定し辛い偶成和音が多用され、それによって多彩な音響効果に成功しが実現されている調性音楽において最も遠隔である増4度の関係にある和音へ進行する箇所すらある
#:・5拍子、7拍子という奇数拍子、シンコペーションの多用、拍頭・拍尾の休符により、何って拍子であるか判定できが不明瞭音楽に仕上がっている。聖歌を引用した箇所には拍子すら書かれていない
#:・調号を破棄し、何調のどの和音であるかを示さないようにしている部分があり、調性を否定しようという意思が感じられる。
#:・旋法の変容の果てに全音音階へ至る部分が設けられている。
#:・調性音楽の機能和声では分析できない偶成和音が多用され、それによって多彩な効果に成功している。調性音楽において最も遠隔である増4度の関係にある和音へ進行する箇所もある。
#:・旋法聖歌変容の果て冒頭全音音階へ至含まれたった3音というミクロな動機で約15も設けらの音楽全体が展開されており、異様これまでの明快雰囲気主題提示生み出基本とした音楽に対して非常に珍し存在である。
#:・ソナタ形式を代表とする西洋音楽における「展開」と逆行するように、終結にはモティーフ主題をシンプル化させてする(鶏から卵へ帰結するかのような終わり方を目指している。
#:・聖歌の冒頭に含まれるたった3音という非常にミクロな動機で約15分の音楽全体が劇的に展開されており、これまでの音楽に対して非常に珍しい存在である。
#:・ソナタ形式を代表とする西洋音楽における「展開」と逆行するように、終結にはモティーフをシンプル化させて鶏から卵へ帰結するかのような終わり方を目指している。
#'''主の祈り''' ''Pater Noster''
#:彼自身による同名の合唱曲より編曲<ref name="Howard" />。
== 改訂の歴史 ==
* 1834年 単独作品「詩的で宗教的な調べ」 S.154
** 曲集第3稿〈死者の追憶〉の原曲。曲の半分まで[[調号]]・[[拍子|拍子号]]が書かれておらず主題も明らかでない、未[[解決]]まま終結するなど通り、リスト晩年の様式を彷彿とさせる革新的な和声音楽語をこの時が創作初において既に用いられていたことは注目される<ref name="福田" /><ref name="Howard" />
* 1845年 曲集「詩的で宗教的な調べ」第1稿(初稿) S.171d
** 保管されていたスケッチブックから発見され、2001年に出版された。第1曲に〈孤独の中の神の祝福〉の原形となる素材が見受けられるが、以降の稿に受け継がれていない曲が多い<ref>曲数、曲順、タイトル等が資料によって異なっており、不明な点が多い。</ref>。
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