「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」の版間の差分

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== あらすじ ==
寅次郎が旅先で見た夢は[[ウエスト・サイド物語 (映画)|ウエストサイド物語]]の世界であり、[[ブルックリン区|ブルックリン]]が荒れているという話で、スケコマシのジュリー(沢田研二)が踊る。ジュリーに声をかけられたさくらが「お兄ちゃんに比べればイモよ」と言うと、[[ハンフリー・ボガート]]のようなファッションの「ブルックリンの寅」が出てきて、ジュリーは貫禄負けをして去る。倍賞の所属していた[[松竹歌劇団|SKD松竹歌劇団]]がダンサーとして出演(振付:[[松見登]])。「TORAYA」と書かれたドアが開いて、階段の上のほうに立っているとらやの一同が、ブルックリンの人びとのような扮装で、ダンサーたちの踊りを見守る。
 
柴又に帰ってきた寅次郎だが、身持ちの悪い幼馴染の桃枝と少し破廉恥な挨拶をしたことに始まり、夕食時に松茸の奪い合いをしたことで、おいちゃんに「出て行け」と言われ、「それを言っちゃあ、おしまいだよ」と言って、すぐに家を飛び出す。<ref>おいちゃんは、寅次郎が出て行った後すぐ、さくらに「なんで止めねーんだ。お前が止めてくれると思ったから、俺は(寅次郎に出ていけと言ったんだ)」と言い、他の家族ともども寅次郎を気の毒に感じている。寅次郎が三郎とともに帰ってくる直前にも、反省の言葉を述べている。</ref>
 
大分[[湯平温泉|湯平]](ゆのひら)温泉]]にやってきた寅次郎は、動物園<ref>三郎は「おふくろと一緒に東京に出て」と言っており、動物園の所在地は劇中では東京近辺ということしか分からない。ただし、ロケ地は別掲のように千葉県にあった谷津遊園である。</ref>でチンパンジーの飼育係をやっている三郎という青年(沢田研二)という青年に出会う。三郎は、この地でかつて旅館の女中として働いていた母親を近頃亡くし、遺骨を東京からはるばるこの思い出の地まで運んできて、母の生まれ故郷である近くの杵築に埋葬しようとしていた。そんな話を聞いて心打たれた寅次郎は法事を営む手伝いをする。東京の大丸デパートに勤める、旅行中の螢子(けいこ=田中裕子)とゆかり(児島美ゆき)にも、たまたま同宿していたことで法事に参列してもらった縁で知り合い、翌日四人は、法事のお礼にと三郎が運転する車で観光を楽しむ。大分での別れ際、それまですました態度を取っていた三郎は、螢子に唐突に「僕とつきおうてくれませんか」と言う。無論、螢子は「急にそんなこと言われても」と言うだけだった。寅次郎はそんな三郎を見て笑うが、「東京へ帰ったらもういっぺん顔が見たいな」とでも言っておけばいいのにとアドバイスしたところ、三郎はなるほどと感じる。寅次郎にもっと教えを請いたいと思った三郎は、一緒に行動してと頼み、自分の車に乗せて柴又まで連れ帰る。
 
無事寅次郎を送り届け、とらやで温かくもてなされた三郎は、帰り際、寅次郎に螢子の件をよろしくと頼む。寅次郎は、螢子が三郎ではなく自分に惚れていることを無意識に望んでいるのだが、三郎の気持ちに応える形で恋のキューピッド役に徹する。螢子が大分での写真を持ってとらやへ来たことをきっかけとして、螢子に会いに行き、三郎の想いを語る。ところが、「ちょっと付き合ってみるか」と言う寅次郎に、螢子は断り、「あんまり二枚目だもん」という理由を口にする。