「量子力学」の版間の差分

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== 哲学への批判 ==
{{see also|シュレーディンガーの猫|科学哲学}}
[[哲学]]者は、科学とは違う日常的言語で「[[存在]]」や「[[宇宙]]」を語ろうとしてきた{{sfn|全|2014|p=178}}。しかし、[[量子論]]を創設した一員である[[理論物理学]]者[[ディラック]]は、哲学者をことさら信用していなかった{{sfn|全|2014|pp=177-178}}。ディラックが居た頃の[[ケンブリッジ大学]]で、一番の[[論客]]として鳴らしていたのは哲学者[[ウィトゲンシュタイン]]だったが、彼を含め哲学者たちは、[[量子波動関数]]や[[不確定性原理]]について的外れなことばかりを発言し記述しており、ディラックの不信は嫌悪に変わった{{sfn|全|2014|p=178}}。ディラックが見たところ、哲学者たちは量子力学どころか、[[ブレーズ・パスカル|パスカル]]以降の「[[確率論|確率]]」の概念さえ理解していない{{sfn|全|2014|p=178}}。ただし実際にはウトゲンシュタインは[[バートランド・ラッセル]]や[[ゴットロープ・フレーゲ]]に師事しており、十分な数学の素養があった
 
ディラックの考えでは、非科学的な日常的言語をいくら使っても、正確な意思疎通を行うことはできない{{sfn|全|2014|pp=177-178}}。量子力学を説明してくれと言う家族や友人に対してディラックは、「無理です」と言って黙り込むのが常だった{{sfn|全|2014|p=178}}。どうしても説明してほしいと迫る友人に、ディラックは「それは[[目隠し]]した人に[[触覚]]だけで[[雪の結晶]]がなにかを教えるようなもので、触ったとたん溶けてしまうのだ」と返した{{sfn|全|2014|p=178}}。
 
宇宙の背後にある「語り得ぬもの」または「[[無]]」について、ウィトゲンシュタインは「もちろん言い表せないものが存在する。それは自らを示す。それは[[神秘]]である」と述べたが、こういった哲学的考えは、理論物理学者から疑問視されている{{sfn|全|2014|pp=193-194}}。何故なら、「語り得ぬ」はずの「無」について、科学的に言語化する手がかりが既に見つかっているからである{{sfn|全|2014|p=194}}。例えば[[ペンローズ]]の「[[ツイスター理論]]」、アシュテカーの「[[ループ重力理論]]」、ロルとアンビョルンの「[[因果的動的三角分割理論]]」等の研究が進められている{{sfn|全|2014|p=194}}。
 
==外部リンク==
*[https://www.zaikei.co.jp/article/20190509/509637.html 量子力学は時空の存在を説明できるか?]