「カニクイアザラシ」の版間の差分

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'''カニクイアザラシ'''(蟹食海豹、''Lobodon carcinophagus'')は、[[ネコ目]](食肉目)[[アザラシ|アザラシ科]]カニクイアザラシ属に分類される[[アザラシ]]。本種のみでカニクイアザラシ属を構成する。
 
== 分布 ==
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[[体長]]220-230cm。[[体重]]200-300kg。体形は細長い。全身は淡灰色の体毛で被われる。
 
頭部は小型。歯列は[[切歯|門歯]]が上顎2本、下顎2-4本、[[犬歯]]上下2本ずつ、[[小臼歯]]上下8本ずつ、[[大臼歯]]上下2本ずつの計28-30本の歯を持つ。咬頭は複雑な形状で隙間が多く、主な獲物であるオキアミを水ごと口に含んだ後にオキアミだけ濾し取るのに適している。
 
新生児の体重は約25kgだが、授乳期間を終えると約120kgまで急増する。
 
== 生態 ==
[[海|海洋]]や[[流氷]]の上などに生息する。群れは形成せず、単独で生活する。[[天敵]]としては[[シャチ]]や[[ヒョウアザラシ]](主に幼獣を食べるが成獣を襲うこともある)が挙げられる。ヒョウアザラシに襲われ、平行な2本の傷跡を持つ個体も多い。
 
食性は動物食で、主に[[ナンキョクオキアミ]]を食べるが、[[軟体動物]][[魚類]]なども食べる。夜間に表層に浮かぶオキアミを海水ごと口に入れ、臼歯で濾しとり歯の隙間から海水を排出して食べる。名前に反し[[カニ]]は食べない。
 
繁殖形態は[[胎生]]。オスは氷上でメスの頸部や肩部に噛みつき、交尾を迫る。主に氷上で9-10月に1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は約2-4週間。この際メス幼獣オス(血縁とは限らない)からなる小規模な群れ(家族群)を形成する。オスは授乳期間中もメスに交尾を迫るが、メスは激しく抵抗する。授乳期間を終えると幼獣は外敵から身を守るため、群れを形成する。メスは生後2-4年で性成熟する。寿命はオスが30年以上で、メスは約36年。
 
== 人間との関係 ==
メスは[[20世紀]]半ばには約4年で性成熟していたが、{{いつ範囲|近年は|date=2020年6月}}2年半で性成熟する。これは競合相手であった[[クジラ]]が人間の乱獲により激減したため、それに伴い獲物の量が増加したことが原因{{誰範囲2|と考えられている|date=2020年6月}}。また、同様の理由により生息数自体も急増し、{{いつ範囲|現在の|date=2020年6月}}生息数は1500万頭とも4000万頭とも{{誰範囲2|推定されている|date=2020年6月}}
 
== 画像 ==
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ファイル:Lobodon_carcinophagus_distribution.png|分布
ファイル:Lobodon_teeth.jpg|イラスト(頭骨のスケッチ
</gallery>
 
== 参考文献 ==
{{参照方法|section=1|date=2020年6月13日 (土) 04:23 (UTC)}}
* [[大隅清治]]監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科2 海生哺乳類』、[[平凡社]]、[[1986年]]、88-95、125、128-129頁。
* 『小学館の図鑑NEO 動物』、[[小学館]]、[[2002年]]、77頁。
 
== 関連項目 ==
{{Commons|Lobodon_carcinophagus}}
{{Wikispecies|Lobodon_carcinophagus}}
* [[アザラシ]]
 
== 外部リンク ==