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Leafel (会話 | 投稿記録)
イオン選択性の仕組みについて
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==イオン選択性==
 
イオンの選択性はチャネルによってさまざまであり、一種類のイオンのみ選択的に透過させるイオンチャネルもあれば、多くの種類の陽イオンを通すイオンチャネルも存在する。イオン選択性により、[[カリウムチャネル]]、[[ナトリウムチャネル]]、[[カルシウムチャネル]]、[[陽イオンチャネル]]などと呼ばれる。イオンチャネルはイオンの電荷や大きさを識別して、特定のイオンのみを通す仕組みを実現させている。カリウムチャネルの場合、カリウムイオンが通る小孔部の周りのポリペプチド鎖から酸素原子が突き出ている。この酸素原子はカリウムイオンがぴったり配位される太さに配置されており、カリウムイオンはこの小孔を通ることができる。カリウムイオンとナトリウムイオンは直径がそれぞれ0.133 nm と0.095 nm でナトリウムイオンのほうが小さいが、カリウムチャネルはナトリウムイオンをほぼ通さない。これは、ナトリウムイオンは小孔中で酸素原子と離れすぎており、小孔に入るときに水和が外れることによるエネルギー損失を回復できないからである。<ref>{{Cite book|title=細胞の分子生物学|date=2017年10月5日|year=2017|publisher=株式会社ニュートンプレス|pages=617-618}}</ref>イオンチャネルはイオンを[[電気化学ポテンシャル]]の高い方から低い方へ透過する。細胞の場合、[[電気化学ポテンシャル]]の勾配は、膜内外でのイオン濃度差による化学ポテンシャルの勾配と、膜電位による電気ポテンシャルの勾配の和である。すなわち、濃度の高い方から低い方へ流れる傾向と、陽イオンの場合では電位が負の方向へ動こうとする傾向の釣り合いにより、流れる方向が決まる。細胞の内向きにはイオンを透過させるが、外向きには透過させにくい内向整流性チャネルも存在する。
 
==制御様式==