「年齢主義と課程主義」の版間の差分

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[[アメリカ合衆国]]では、一般的には[[能力別学級]]編成が行われているので、基本は年齢主義でありながら[[学力]]格差による問題がある程度解消されている。しかし[[1970年代]]ごろから「基礎に帰れ運動」が広がったため、[[アメリカ合衆国の地方行政区画|州]]によっては[[進級]]・[[卒業]]時に「最低基礎能力検査」が実施されている。このように[[成績]]によっては進級できない場合もあり、また10代前半で大学に入学するなど[[飛び級]]制度も普及しているため、必ずしも年齢主義のみで運営されているわけではないといえる。またアメリカは州によってかなり[[教育制度]]が違うため、一概に論じられない。アメリカの高校は年齢主義的色彩も強く、20歳以上では在学できなくなる学校も多く存在する。飛び級など年齢のしがらみがないと思われがちだが、実際には高年齢在学が困難であることがあり、自由度は必ずしも高くない。英語を話せない移民が多いなど、課程主義を採ると社会的格差が浮き彫りになるなどの問題があり、様々な配慮が必要とされている状況である。なお、アメリカの高校は日本の高校よりもカリキュラムが遅く、そのデメリットを優秀者の飛び級をさせることによって補っているといわれる。[[アメリカ合衆国の教育]]も参照。
 
歴史的には、[[19世紀]]末までは課程主義が一般的であり、[[20世紀]]前半には[[進歩主義 (教育)|進歩主義教育]]運動の影響で年齢主義が一般的になった。特に[[ニューヨーク]]市や[[フィラデルフィア]]市では1940年代以来100%進級の方針を採用していた。しかし1980年代ごろに[[教育改革]]運動があり、上の両市でもその年代に22%の[[原級留置]]者を出した。なお、学年(グレード)別の平均年齢の[[標準偏差]]は、1918年には1〜9年生において11.8〜16.6であるのに対し、1952年には6.8〜9.6と狭くなっている<ref>ただし、18年調査は都市部の学校のものであり、52年調査は多分国全体の生徒のうち25%を抽出したものである。</ref>。なお、この2回の調査の学年の平均年齢はそれほど変わっておらず、52年の方が6ヶ月から1年程度若くなったにすぎない。このように、20世紀前半には同学年同年齢に近づいていく傾向が見られる。また20世紀初頭はグレード1に4歳から18歳までの在籍者がいたことも明らかとなっている<ref>[http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=kyoiku1932&cdvol=53&noissue=4&startpage=375&chr=ja 米国での初等・中等教育の垂直的編制における一般教育と職業教育との関連問題] 33ページ [[田中喜美]]</ref>。なお当時のコモンスクール(公立学校)は21歳まで在学できるとの規定が多かった。
 
2000年ごろから、各地で社会的進級(年数主義的な自動進級制)に対する反対から、小学校への課程主義の積極導入が行われており、一方で[[落ちこぼれ]]を作らないよう[[サマースクール]]が開かれるなどの対策も行われている<ref>[http://www.ff.iij4u.or.jp/~narita/ca/news64.html 最新カリフォルニア教育情報〜基礎学力〜 1999.2.11] - 成田先生のホームページ(個人サイト) 斎藤陽子のカリフォルニア便り 2010年11月8日閲覧。<br>[http://homepage2.nifty.com/irer/news/isn2102.html いんさいど世界2001・7-教育改革情報-] - サマースクールについて</ref>。ただし、社会的進級の廃止により悪影響が現れたという失敗例もある<ref>[http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-319.html machineryの日々]、[http://d.hatena.ne.jp/arn/20090329 A.R.N [日記]] - 両者とも個人ブログ。書籍『事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか?』の引用あり。2010年11月8日閲覧。</ref>。