「エルギン・マーブル」の版間の差分

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21世紀からの研究によって、エルギン・マーブルを含む古代ギリシャの彫刻はもともと白い[[大理石]]の彫刻だったのではなく、かつては[[古代エジプト]]などの先行する[[古代文明]]の影響を受けて極彩色に着色されていたことが判明した。しかし、[[1930年]]に大英図書館職員らによって無断で行われた「清掃(cleaning)」作業において表面を強く研磨したため、エルギン・マーブルの大半から当時の色を知る痕跡が失われてしまったことが[[1999年]]に[[BBC]]によって報道された<ref>[http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk/543077.stm Museum admits 'scandal' of Elgin Marbles]</ref>。その原因として以下の理由が挙げられる。
 
*[[ポンペイ]]の発見から、[[ロマン主義]]の時代にギリシャ・ローマ文明へのあこがれが醸成され、やがては「ギリシャ文明は自分たちの祖先にふさわしい」とヨーロッパ知識人が(事実関係を検証する事無く)思い始めたこと。
 
*[[ヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマン]]などが'''彩色が施されていたことを知りながら'''ギリシャ文明は白と主張したこと。
 
*[[ヴィクトリア朝]]のころから白が「純潔の象徴」として流行したこと。
 
これら複数の原因が複合して上記の彫刻への洗浄作業も、博物館に来る大衆に迎合するために「もっと白く(get it whiter)」するように大英博物館のスポンサーで美術収集家・画商の[[:w:Joseph Duveen, 1st Baron Duveen|初代デュヴィーン男爵ジョゼフ・デュヴィーン]]が命じたためだといわれ<ref>[http://www.nhk.or.jp/britishmuseum/ 「NHKスペシャル知られざる大英博物館―第2集古代ギリシャ“白い”文明の真実」]{{リンク切れ|date=2020-03}}、[[2012年]][[7月1日]]21時放送</ref>、結果として大スキャンダルとなった。同様の「洗浄」は同時期に世界中の他のギリシャ彫刻に対しても行われたとされる。この事件はエルギン・マーブル返還を求めるギリシャ側の反発を一層増す要因となっている。