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[[琉球諸島]]西方の[[東シナ海]]、[[沖縄トラフ]]の西側に位置する。ここは[[ユーラシアプレート]]の下に[[フィリピン海プレート]]が沈み込んでおり、尖閣諸島は[[沖縄島]]から年々その距離が離れている。南西諸島から[[ユーラシア大陸]]に続く[[大陸棚]]の上にある。
 
[[地質]]は火山性であり、岩盤がむき出しになっている。[[水源]](河川や湖沼)はない。[[農業]]に不適なことから定住者はいないが、[[第二次世界大戦]]前の一時期、日本人が開拓者にちなんだ通称「古賀村」集落を形成し、200人あまりが生活していた(その後、経済的理由により放棄された)<ref>{{Cite web|title=尖閣諸島情勢の概要|url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/senkaku/page1w_000016.html|website=Ministry of Foreign Affairs of Japan|accessdate=2020-06-28|language=|publisher=[[外務省]]}}</ref><ref>{{Cite journal|author=平岡昭利|year=|date=2005-10-28|title=[[明治]]期における尖閣諸島への日本人の進出と古賀辰四郎|journal=人文地理|volume=57|issue=5|page=|pages=503-518|DOI=10.4200/jjhg1948.57.503}}</ref>。また、大戦末期に石垣島から台湾へ民間人を疎開させる途中に遭難した民間船が漂着し、救助されるまでに50人以上が飢餓などで犠牲になる[[尖閣諸島戦時遭難事件]]が発生している。
 
== 自然 ==
=== 生態系 ===
付近海域は好漁場であるため、それを餌とする大量の[[海鳥]]の生息地となっている。特に[[絶滅危惧種]]の[[アホウドリ]](1953年8月1日 - 4日に行われた、高良鉄夫[[琉球大学]]助教授、宮城元助助教授と琉球大学学生11人の尖閣諸島学術調査団による尖閣諸島調査において、尖閣諸島北小島でアホウドリ数羽の生息を非公式に確認<ref>[http://pinacles.zouri.jp/senkakukenkyuu_ge.htm 尖閣研究 高良学術調査団資料集(下巻)]pp213-250. 尖閣諸島文献資料編纂会編. 2007年10月1日刊</ref><ref>[http://pinacles.zouri.jp/bunken/morita.htm 北小島の洋上に居たアホウドリ―尖閣列島生物調査(1953年8月)で実見―]. 尖閣諸島文献資料編纂会</ref><ref>[http://pinacles.zouri.jp/bunken/zadankai.htm 尖閣諸島調査団座談会]. 尖閣諸島文献資料編纂会</ref>。その後、1971年4月1日に、池原貞雄琉球大学教授ら琉球大学学術調査団が尖閣諸島南小島でアホウドリ12羽が生息していることを公式に確認<ref name="senkaku chousa">尖閣列島学術調査報告. 琉球大学尖閣列島学術調査団編. 琉球大学. 1971年刊</ref>)や[[クロアシアホウドリ]](1970年12月10日、九州・長崎大学合同学術調査団は、尖閣諸島北小島でクロアシアホウドリ数羽を発見。1971年、池原貞雄琉球大学教授ら琉球大学学術調査団が尖閣諸島北小島でクロアシアホウドリ6羽の生息を確認<ref>沖縄の秘境を探る. 高良鉄夫. 沖縄新報社. 1980年刊. pp106-107</ref><ref name="senkaku chousa"/>)の繁殖地となっている<ref>河野裕美 「アホウドリ」『沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、[[2005年]]、61-62頁。</ref><ref>[[長谷川博]] 「アホウドリの保護」 [[黒田長久]]監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥類I』、[[平凡社]]、[[1986年]]、60-61頁。</ref>。沖縄県が[[アメリカ軍]]に占領され、日本政府が主権を行使できなかった[[1960年代]]には、尖閣諸島に大量の台湾人[[漁師|漁民]]が入域していたため、[[1963年]](昭和38年)5月15日 - 18日に行われた[[琉球大学]]の高良鉄夫教授らによる第四次調査で100万羽以上の海鳥が生息することを確認していたが<ref>朝日新聞1963年5月21日夕刊</ref><ref name="daiyoji chousa">[http://pinacles.zouri.jp/senkakukenkyuu_jou.htm 尖閣研究 高良学術調査団資料集(上巻)]pp161-210. 尖閣諸島文献資料編纂会編. 2007年10月1日刊</ref>、[[1968年]](昭和43年)7月7日 - 9日に行われた第五次調査では、小島の[[カツオドリ]]が20万羽から1万羽、北小島の[[セグロアジサシ]]は50万羽から10万羽に激減していた<ref>朝日新聞1968年7月18日夕刊</ref><ref name="daigoji chousa">[http://pinacles.zouri.jp/senkakukenkyuu_jou.htm 尖閣研究 高良学術調査団資料集(上巻)]pp211-250. 尖閣諸島文献資料編纂会編. 2007年10月1日刊</ref>。これは台湾漁民が操業のついでに上陸し、海鳥や卵を大量に収奪していたためである<ref name="daiyoji chousa"/><ref name="daigoji chousa"/>。その後も台湾漁民による上陸が報告されているが<ref>朝日新聞1969年7月11日付け夕刊</ref>、現在では上陸そのものに対して厳しく制限がかかっており保護されているため、元の海鳥の楽園となっている。
 
=== 確認されている希少種 ===