「金属量」の版間の差分

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'''金属量'''(きんぞくりょう、metallicity){{R|astro-dic_metallicity}}とは天文学で、天体に含まれる[[水素]]・[[ヘリウム]]以外の[[元素]]の割合を指す。[[天文学]]では、ヘリウムよりも原子番号の大きな元素は「金属 (metal)」または「重元素 (heavy metal)」と呼ばれる{{R|astro-dic_metal}}。
 
天体の金属量はその天体の年齢形成時期の指標となる。[[ビッグバン]]モデルによれば、誕生直後の宇宙にはほぼ水素原子のみが存在し、その後[[宇宙の元素合成|ビッグバン元素合成]]の過程によってヘリウムとごくわずかの[[リチウム]]が生成された{{R|series_tenmon_cosmology1}}。そのため、宇宙の最初期に生まれた最も古い[[恒星]]([[初代星]]または[[星の種族|種族]]IIIとして知られる)は金属量が非常に小さい{{R|astro-dic_first-star}}。その後宇宙の進化が進むと、恒星内部での元素合成によって作られた重元素が星の進化に伴って[[惑星状星雲]]や[[超新星]]となって[[星間物質]]に戻され、宇宙全体の重元素量や恒星の金属量は次第に増加することになる。よってこのような重元素の多い星間物質から[[星形成]]によって生まれた新しい恒星は金属量が多い。
 
[[恒星]]の金属量 ''Z'' は、その質量に占める水素とヘリウム以外の元素の割合として定義される{{R|kippenhahn}}。従って、水素の質量比 ''X''、ヘリウムの質量比 ''Y'' との間に
[[太陽]]の金属量は約0.146%である{{R|Sun_Fact}}。太陽以外の恒星の金属量はしばしば '''[Fe/H]''' という指標で表される。これはその恒星に含まれる[[鉄]]と水素の存在量比を太陽における鉄と水素の存在比と比較してその比率を[[常用対数]]で示したものである。すなわち、
:<math>X + Y + Z = 1</math>
という関係を持つ{{R|kippenhahn}}。[[太陽]]の金属量は約0.146%である{{R|Sun_Fact}}。太陽以外の恒星の金属量はしばしば '''[Fe/H]''' という指標で表される。これはその恒星に含まれる[[鉄]]と水素の存在量比を太陽における鉄と水素の存在比と比較してその比率を[[常用対数]]で示したものである。すなわち、
 
:<math>{\rm [Fe/H]} = \log \frac{({\rm Fe/H})_{\rm star}}{({\rm Fe/H})_{\rm Sun}} = \log ({\rm Fe/H})_{\rm star} - \log ({\rm Fe/H})_{\rm Sun}</math>
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|isbn=978-3642302558}}</ref>
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|和書
|editor=佐藤勝彦, 二間瀬敏史
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|title=宇宙論I 第2版: 宇宙のはじまり (シリーズ現代の天文学 2)
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|title=初代星
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