「公正証書」の版間の差分

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'''公正証書'''(こうせいしょうしょ、''<span lang="en" dir="ltr">notarial actdeed</span>''、''<span lang="de" dir="ltr">notarielle Urkunde</span>''、''<span lang="fr" dir="ltr">acte authentique</span>''、<span lang="ko" dir="ltr">공정 증서</span>)とは、ある人が法的に意味のある行為をしたという事実を証明する文書であって、そのような証明文書を作成するために必要な公的資格を持つ専門家([[公証人]] ''notary public'')が、行為者の依頼に基づく職務として作成するものをいう。なお、日本語の「公正証書」には「公務員が作成する証明文書」という広い意味もある(例えば、日本の刑法157条)。<ref>{{Cite web|url=https://kotobank.jp/word/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E8%A8%BC%E6%9B%B8-62457|title=公正証書(こうせいしょうしょ)とは - コトバンク|accessdate=2020-07-18|publisher=朝日新聞社}}</ref>公正証書は、公的資格を持つ専門家が作成した証明文書であり、原本を当事者から中立の公証人が保管するため、行為の存否や瑕疵の有無が争われる危険性が低い。つまり、「契約に関わっていない」、「検討不十分なまま契約をした」、「誤解をしたまま契約をした」、「脅されて契約をした」、「日付が不正確である」などの主張が出ても覆せる可能性が高いため、そもそもそのような主張が出ないことが多い。つまり、公正証書は事実上(時には法律上<ref>例えば、日本(民事執行法22条5号)やドイツ(民事訴訟法794条5号)では、一定の様式の公正証書に基づく権利であれば、裁判所の判決がなくても[[強制執行]]が可能になる。公正証書により証明される権利は、判決により証明される権利に近い確実性があると扱われていることになる。</ref>)高い証明力を有している。
 
人の書は、公的資格要件、職務範囲、人数、社会的地位などは[[法域]]ごとに様々を持つ専門家であるが、ほとんどの法域の公証人は、公正が作成した明文であり、原本作成当事者から中立の公証人が保管することため、行為の存否や瑕疵の有無が争われる危険性が低い。つまり、「契約に関わっていない」、「検討不十分なまま契約した」、「誤解をしたまま契約をした」、「脅されて契約をした」、「日付が不正確である」などの張は覆される可能性が高いため、そもそもそのよう職務主張が出ないこしてが多<ref>{{Cite web|url=http://www.koshonin.gr.jp/system/s02/s02_03|title=つまり、書は務と実上(時に|accessdate=2020-07-22|publisher=日本公証人連合会}}法律上</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.notaires.fr/fr/profession-notaire/r%C3%B4le-du-notaire-et-ses-principaux-domaines-dintervention/lacte-authentique-du-notaire|title=L'acte authentique du notaire|accessdate=2020-07-例えば日本(民事執行法22|publisher=フランス公証人会 Notaires de France}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://notarycapetown.co.za/about-us/why-use-notary/#:~:text=A%20Notary%20Public%20is%20an%20attorney%20admitted%20and,a%20higher%20standard%20of%20care%20than%20an%20attorney.|title=WHY DO YOU NEED A NOTARY PUBLIC?|accessdate=2020ー07ー22|publisher=Le Roux Attonerys Inc.}}</ref><ref>[[ル条5号)やドジアナ州]]及び[[プエルトリコ]]を除くアメリカ合衆国は例外ツ(民事訴訟法794条5号)ある。アメリカの ''notary public'' は、一定の様式の公正業務特化した職業基づく権利であれば、裁判所の判決がなくても[[強制執行]]が可能になる。公正 ''certification と書により証明される権利は、''他人が作成した文書を確か判決その他人が作成したとより証明される権利に近い確実性があると扱われていることになる。また例えば日本(任意後見契約に関する法律3条)や韓国(民法959条の14第2項)あり[[任意後見|任意後見契約 후견계약]] は公正証書によって契約をしなければ無効になる。任意後見契約は公人が自ら作成する文によらければ証明、両者は異る。英語版ウィキペディアの記事 ''Notary public'' の節 ''Common law jurisdictions'' を参照さいと扱わることになる。</ref>)高い証明力を有している。公正証書として代表的なものは、契約公正証書、遺言公正証書、事実実験公正証書である。契約公正証書とは、当事者間の契約内容を記載した公正証書であり、遺言公正証書は遺言者の遺言内容を記載した公正証書であり、事実実験公正証書は公証人が自ら体験した事実を記載した公正証書である。<ref>{{Cite web|url=http://www.koshonin.gr.jp/business/b06/|title=6 事実実験公正証書|accessdate=2020-07-19|publisher=日本公証人連合会}}</ref>
 
公証人の資格要件、職務範囲、人数、社会的地位などは[[法域]]ごとに様々であるが、大別すると、ラテン系公証人制度を採用する法域(日本、韓国、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシャ、スペイン、メキシコなど)の公証人は、公正証書を作成することを主要な職務の一つとし、<ref>{{Cite web|url=http://www.koshonin.gr.jp/system/s02/s02_03|title=公証事務とは|accessdate=2020-07-22|publisher=日本公証人連合会}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.notaires.fr/fr/profession-notaire/r%C3%B4le-du-notaire-et-ses-principaux-domaines-dintervention/lacte-authentique-du-notaire|title=L'acte authentique du notaire|accessdate=2020-07-22|publisher=フランス公証人会 Notaires de France}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://notarycapetown.co.za/about-us/why-use-notary/#:~:text=A%20Notary%20Public%20is%20an%20attorney%20admitted%20and,a%20higher%20standard%20of%20care%20than%20an%20attorney.|title=WHY DO YOU NEED A NOTARY PUBLIC?|accessdate=2020ー07ー22|publisher=Le Roux Attonerys Inc.}}</ref>アメリカ合衆国([[ルイジアナ州]]及び[[プエルトリコ]]を除く。)などの公証人は、認証 ''certification''(他人が作成した文書を、確かにその他人が作成したと証明すること)に特化している。<ref>[[:en:Notary public|Notary public(英語版ウィキペディア)]]の節 ''Common law jurisdictions、''[http://www.koshonin.gr.jp/system/s03/s03_01 日本公証人連合会「公証制度」]</ref>英語文献では、''notarial act'' には正式書式 ''public form'' と簡約書式 ''private form'' とがあると説明されることが多いが、<ref>{{Cite web|url=https://legalspaintrans.com/legal-translation/translating-notary-terms-2-what-are-public-form-and-private-form-notarial-acts/|title=Translating notary terms 2: What are public-form and private-form notarial acts?|accessdate=2020-07-23|publisher=Rob Lunn Legal Trans}}</ref>簡約書式の ''notarial act'' は、他人が作成した文書を引用添付する方法で作成され、事実実験公正証書に近いものを除けば、認証に近いため、本稿では公正証書の英語訳として ''notarial deed'' を当てる。
 
== 脚注 ==