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{{Otheruses|玩具のスライム|その他の用法|スライム (曖昧さ回避)}}
[[File:Slime 02471 Nevit.jpg|thumb|right|250px|スライム]]
'''スライム'''({{lang-en-short|slime}})は本来、ある種の性状を持った物質(どろどろ、ぬるぬるしたもの)を大ざっぱに指す言葉であった。従って粘土や泥などの無機物から、生物の分泌する[[粘液]]などの有機物、またそれらの複合体など実に様々なものがスライムと呼ばれる。
 
ここでは人工的に作られ、玩具や教材として使われているスライムを紹介する。
 
== 玩具としてのスライム ==
[[アメリカ合衆国]]では玩具メーカーの[[マテル]]により、[[1976年]]から[[1979年]]まで出荷され、発売翌年の[[1977年]]だけで約1000万個が売れた<ref name="串間">{{Cite book|和書|author=串間努|title=少年ブーム 昭和レトロの流行もの|year=2003|publisher=[[晶文社]]|isbn=978-4-7949-6561-5|pages=339-340}}</ref>。[[日本]]では[[1978年]]、[[ツクダオリジナル]](現 [[メガハウス]]第4事業部)がマテル社製玩具のスライム状の物質を日本で発売し、同年の報告によれば小学生を中心に250万個が売れた<ref name="串間" />。当時ツクダオリジナルの責任者だった和久井威によると、[[ニューヨーク]]のトイショーで見て「インスピレーション」で販売を決めたという<ref name="tj">「和久井威氏ロングインタビュー 第2回」『月刊トイジャーナル』2007年6月号、東京玩具人形協同組合、p.72</ref>。国内業者向けの内見会での反応はよくなかったが、発表会の報道やテレビ番組「[[金曜10時!うわさのチャンネル!!]]」で使われたことで人気に火がついた<ref name="tj"/>。原料の大部分が水であるため、日本での大ブーム時にはツクダが製造に大量の水を必要としたことで、水道局からクレームが来たという逸話もある<ref name="串間" />。和久井威は、実際の製造は大阪のコルマという化粧品メーカー(製造には化粧品製造用の機器が必要なため)が担当したが、ブームによりコルマで使用する水が不足し、スライム専用の水道管を増設したと述べている<ref name="tj"/>。
 
この「スライム」は小さなポリバケツを模した容器に収められた、緑色の半固形の物体で、手にべとつかない程度の適度な粘性と冷たく湿った感触がある。触って遊ぶためだけの玩具であったが、それまでにない新鮮な感覚をもたらしたため大ヒットし、後に様々な類似商品も生まれた。
 
そもそもは[[第二次世界大戦]]の時にゴムの産地を日本軍に占拠され、ゴム不足となったアメリカで、人工的にゴムを作ろうとして生まれた物であった。また、アメリカで樹脂から化粧品を製造しようとした過程で作られたとの説もある<ref name="串間" />。<!-- これは[[ポリビニルアルコール]](PVA)に[[ホルムアルデヒド]]を少量加え、わずかに[[アセタール]]化したものである。すなわち[[ビニロン]]の遠い親戚であるとも言える。水との親和力を持つため、乾かすと硬い樹脂状になるが、水を入れると元に戻り流動するようになる。 ノート参照 -->
 
== スライムの自作 ==
=== ポリビニルアルコールとホウ砂で作るスライム ===
[[1985年]]、第8回科学教育国際会議でマイアミ大学の A.M.Sarquis が初めて日本に紹介し、理科教材として広まった。[[ポリビニルアルコール]] (PVA) は合成糊や洗濯糊の主成分であり、直鎖状の[[高分子]]である。これが[[ホウ砂]]を介して[[架橋|架橋結合]]するため、ゲル化する。代表的な作り方は以下の通り。
 
# [[ホウ砂]]の4%水溶液を作る。ホウ砂は薬局などで眼の消毒薬として粉末で入手できる。20℃の水に対する[[溶解度]]は4.7g/100g。
# 主成分がPVAの洗濯糊(通常、PVAの10%水溶液)と水を2:3の割合で混ぜ、PVAの4%水溶液を作る。このとき、冷水ではなく熱湯を使うと次の反応がうまくいきやすい。
# 2を撹拌しながら、1の水溶液を少しずつ混ぜる(容積比10:1程度)。
# 手につかなくなるまでよくこねる。
 
=== 澱粉で作るスライム ===
[[澱粉]](片栗粉やコーンスターチなど)に水を適量(澱粉:水=3:2程度)加えると、液体のように見えて力が加わると固化する性質('''[[ダイラタンシー]]''')をもった、スライム状の物質ができる。これは'''ウーブレック''' (oobleck) と呼ばれ、液体と固体の性質の違いや[[非ニュートン流体]]について説明する理科教材として使われている。
 
この名前は、[[アメリカ合衆国]]の作家[[ドクター・スース]]の童話『{{仮リンク|ふしぎなウーベタベタ|en|Bartholomew and the Oobleck}}』([[1949年]])に登場する、天から降ってきたどろどろの物体にちなんで付けられた。
 
このスライムや、木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤)などに澱粉と少量の塩を加えて作られたものは'''グラーチ''' (glurch; glue+starch) とも呼ばれ、やはり教材や玩具として作られる。
 
== 脚注 ==
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{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
* 『いきいき化学 明日を拓く夢実験』 新生出版
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Slime|Slime}}
* [[シリーパティー]] ― [[シリコーン]]の一種([[ジメチルポリシロキサン|ジメチルシロキサン]])を主成分とする同様の製品。
 
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[[Category:科学教材]]
[[Category:1970年代の玩具]]
[[Category:ツクダオリジナル]]
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[[nl:Slijm]] jaでは[[粘液]]
[[zh:史莱姆]] jaでは[[スライム (架空の生物)]]-->