「リボ核酸」の版間の差分

{{main|ノンコーディングRNA}}
 
[[ノンコーディングRNA]] (ncRNA) は、タンパク質翻訳されないRNAの総称である。最も有名なものとして、前述の運搬RNAとリボソームRNAが挙げられる。この2つはどちらも翻訳に関連したものであているが、1990年代後半から新しいタイプのノンコーディングRNAの発見が相次ぎ、ノンコーディングRNAは以前考えられていたより重要な役割を果たしている可能性があると考えられるようになった。
 
1990年代後半から2000年代前半にかけて、人間ヒトをはじめとする高等生物の細胞では複雑な転写が行われているという証拠が得られてきた。これは生物学においてRNAがより広い領域で、特に遺伝子発現の調節に用いられているという可能性を指摘するものであった。特にノンコーディングRNAの一種である[[miRNA|マイクロRNA]] (miRNA) は、[[線虫]]から人間ヒトに至るまでの多くの[[後生動物]]で見られ、他の遺伝子の制御といった重要な役割を果たしていることが明らかになっされた。
 
2004年にRassoulzadeganのグループは、RNAが生殖細胞系に何らかの影響を及ぼしているという説を[[Nature]]誌に投稿した。これが実際に確認されれば、従来の[[遺伝学]]に大きな影響を与え、DNA-RNAの役割や相互作用に関する多くの謎が解明されると考えられている。2015年、ペンシルバニア大学のTracy L. Baleらは、精子中のマイクロRNAの発現量が子に伝わり、父の獲得形質が子に受け継がれることを明らかにした<ref>Ali B. Rodgers, Christopher P. Morgan, N. Adrian Leu, and Tracy L. Bale. Transgenerational epigenetic programming via sperm microRNA recapitulates effects of paternal stress. Proceedings of the National Academy of Sciences 112.44 (2015): 13699-13704.</ref>。彼女らは、オスのマウスに過度なストレスを与え、そのマウスをメスのマウスと交配させた。生まれたマウスに過度なストレスを与えたところ、ストレスに対する耐性が父のマウスよりも高くなっていた。彼女らは、その原因としてマイクロRNAを挙げた。彼女らは父マウスの精子中のマイクロRNAの発現量が増加していることを発見し、このマイクロRNAが受精卵内のmRNAを破壊している事実を明らかにした。これらのことは、父が獲得した形質がマイクロRNAを通して子に伝わることを示唆している。
 
=== 触媒作用を持つRNA ===
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