「DNAコンピュータ」の版間の差分

 
2018年現在、いくつかの問題点も指摘されている。そのうちのひとつに、解を取り出す[[アウトプット]]がボトルネックとなっている、という点がある。たとえば、エーデルマンの実験では演算自体は数秒で終了したが、解を取り出すのに2日間を要している。これは以下のような操作を手動で進めたためだった。まず、開始ノードで始まり、終了ノードで終わるDNA鎖を[[ポリメラーゼ連鎖反応|PCR]] (polymerase chain reaction) 法で増幅する。次に、解として適切な長さを持つDNA鎖(エーデルマン実験では6)を[[電気泳動]]で分離する。最後に、全ての点を経由しているDNA鎖を鉄粉と結合した特殊な相補DNA鎖と混合し、ノードの数だけ精製を繰り返した。つまり、DNAコンピュータは演算は速いのだが、問題をDNA鎖の形に翻訳(入力)し、解をデジタルデータの形に変換する(出力)工程に問題がある。
 
また、複雑な問題をやらせようとすると、必要なDNAの量が指数関数的に増加するという問題もある。地球上の全分子数あるいは宇宙に存在する原子の数を超えた物質を計算資源使うことは物理的に全く不可能であり,問題サイズをそれほど大きくすることはできないのであるから、これではNP完全問題の解決であるとはいえない。単にNP完全に属する問題をごく小さいサイズの入力に対して実施してみたのに過ぎない
 
その後、電子コンピュータとDNA反応装置を組み合わせて[[プログラミング (コンピュータ)|プログラミング]]可能にした汎用型コンピュータも試作され、[[2002年]]には[[東京大学]]の陶山らと[[オリンパス]]が実用タイプの装置を共同で開発した。また[[イスラエル]]・ワイツマン研究所のシャピロらはDNAや酵素の分子だけからなる分子コンピュータを現在開発中で、医学的応用を目指している。
 
DNAを記憶媒体として使うDNAストレージもコンピューティングではないが提唱されている。しかし、生物の遺伝の根源であるDNA(あるいはRNAなど)を記憶媒体として用いることには問題がある。
塩基の並びには,生物学的に意味を持つものが含まれうる。既知あるいは未知の有害な細菌やウィルスなどの遺伝情報を大量に生成してそれが環境に漏れた場合の環境や生命への影響は予見できない。
 
== 本文注釈 ==
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