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使用された化学兵器は、[[マスタードガス]]、[[サリン]]、[[VXガス]]など複数の種類が極めて大量に用いられたとされているが、詳細は不明である。ただ、当時イラクはこれらの化学兵器をまだ所有・[[開発]]しておらず、[[ジャーナリスト]]のケネス・ツィンマーマンによれば[[ドイツ人]][[顧問]]の指導の下で化学兵器[[工場]]で[[生産]]された[[シアン化水素]][[化合物]]([[青酸ガス]])を使用したとの見方が有力だという。このガスは[[ナチス・ドイツ]]が[[ユダヤ人]]に対して[[ガス室]]で使用した物と酷似しているという<ref>[[幻冬舎]]『サダム その秘められた人生』コン・コクリン著 伊藤真訳 p304</ref>。
 
元[[アメリカ中央情報局|CIA]]分析官のペレティエ[[アメリカ陸軍指揮幕僚大学|米陸軍大]][[教授]](当時)らは[[1990年]]の報告書で「イラン・イラク両軍が化学兵器を使った。現実にクルド人を殺したのはイラン軍の爆撃である可能性が高い」と指摘した。彼によると、死者はシアン(青酸)ガス中毒の兆候を示していたが、シアンガスを使っていたのはイラン軍だったという<ref>{{cite web |url=http://www.fas.org/man/dod-101/ops/war/docs/3203/ |title=FMFRP 3-203 – Lessons Learned: Iran-Iraq War |publisher=Fas.org |date= |accessdate=28 August 2013 |archive-url=https://web.archive.org/web/20120504002439/http://www.fas.org/man/dod-101/ops/war/docs/3203/ |archive-date=4 May 2012 |url-status=live }}</ref> 。なお、これ以前に出されたDIAの報告書と同様に、ここでもイラン軍が事前にシアンガスを使用したとの証拠は一切提示されていない <ref>Joost R. Hiltermann, A Poisonous Affair: America, Iraq, and the Gassing of Halabja (2007) ISBN 0-521-87686-9 p195</ref>
 
1992年から1994年まで[[ヒューマン・ライツ・ウォッチ]]の主任研究者を務めたジョースト・ヒルターマンは、イラク北部での実地調査を含む2年間の虐殺調査を行った。押収された数千のイラクの秘密警察文書と機密指定解除された米国政府文書、ならびに多数のクルド人生存者、イラクからの亡命者、退役した米国情報部員とのインタビューによって、米国政府はイラクがハラブジャへの攻撃を行ったことを十分に認識しており、それにもかかわらず、イランに責任を負わせようとした非難した<ref name="mind">{{cite web |last=Hiltermann |first=Joost R. |url=https://www.nytimes.com/2003/01/17/opinion/17iht-edjoost_ed3_.html |title=Halabja – America didn't seem to mind poison gas |publisher=NYTimes.com |date=17 January 2003 |accessdate=28 August 2013 |archive-url=https://www.webcitation.org/679rYQTNX?url=http://www.nytimes.com/2003/01/17/opinion/17iht-edjoost_ed3_.html |archive-date=24 April 2012 |url-status=live }}</ref> 。
 
1992年から1994年まで[[ヒューマン・ライツ・ウォッチ]]の主任研究者を務めたジョースト・ヒルターマンは、イラク北部での実地調査を含む2年間の虐殺調査を行った。押収された数千のイラクの秘密警察文書と機密指定解除された米国政府文書、ならびに多数のクルド人生存者、イラクからの亡命者、退役した米国情報部員とのインタビューによって、米国政府はイラクがハラブジャへの攻撃を行ったことを十分に認識しており、それにもかかわらず、イランに責任を負わせようとした非難した<ref name="mind">{{cite web |last=Hiltermann |first=Joost R. |url=https://www.nytimes.com/2003/01/17/opinion/17iht-edjoost_ed3_.html |title=Halabja – America didn't seem to mind poison gas |publisher=NYTimes.com |date=17 January 2003 |accessdate=28 August 2013 |archive-url=https://www.webcitation.org/679rYQTNX?url=http://www.nytimes.com/2003/01/17/opinion/17iht-edjoost_ed3_.html |archive-date=24 April 2012 |url-status=live }}</ref>
 
犠牲者の数に関しては、死者3,200から5,000人、負傷者7,000から10,000人と推測されている<ref name="BBC"/>。多数の負傷者の存在はイラン・イラク戦争停戦後に取材した外国人[[ジャーナリスト]]や[[医師]]により確認されており、多くの住民が巻き込まれたことは確実とされている。