「漫画大快楽」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
出典追加
編集の要約なし
5行目:
== 概要 ==
{{see also|エロ劇画誌#三流劇画ムーブメント}}
1975年10月に[[檸檬社]]の[[亀和田武]]と[[小谷哲]]を初代[[編集者]]に迎えて創刊され<ref>[[亀和田武]]『雑誌に育てられた少年』([[左右社]])</ref>。その後、亀和田は[[アリス出版]]に移籍して『[[劇画アリス]]』を創刊<ref name="Kotani&Sugano">
[[青林堂]]『[[ガロ (雑誌)|月刊漫画ガロ]]』1993年9月号「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/garo199309 特集/三流エロ雑誌の黄金時代]」対談『漫画大快楽』小谷哲VS『漫画ピラニア』菅野邦明「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/garo199309#%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%99%E3%81%AF%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%BA%90%E3%81%A0%E5%AF%BE%E8%AB%87%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%A4%A7%E5%BF%AB%E6%A5%BD%E5%B0%8F%E8%B0%B7%E5%93%B2VS%E6%BC%AB%E7%94%BB%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%8B%E3%82%A2%E8%8F%85%E9%87%8E%E9%82%A6%E6%98%8E スケベはエネルギーの源だ!]」</ref>。
[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/garo199309#%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%99%E3%81%AF%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%BA%90%E3%81%A0%E5%AF%BE%E8%AB%87%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%A4%A7%E5%BF%AB%E6%A5%BD%E5%B0%8F%E8%B0%B7%E5%93%B2VS%E6%BC%AB%E7%94%BB%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%8B%E3%82%A2%E8%8F%85%E9%87%8E%E9%82%A6%E6%98%8E スケベはエネルギーの源だ!(対談・『漫画大快楽』小谷哲VS『漫画ピラニア』菅野邦明)] </ref>。また亀和田と入れ替わる形で[[菅野邦明]]が編集に参加する<ref name="Kotani&Sugano"/>。
 
後に亀和田は[[アリス出版]]に移籍して『[[劇画アリス]]』を創刊し、亀和田と入れ替わる形で[[菅野邦明]]が編集に参加、菅野・小谷の二頭体制となる<ref name="Kotani&Sugano"/>。
当初は[[谷口ジロー]]や[[能條純一]]らが作品を発表する硬派な[[エロ劇画誌|三流劇画誌]]だったが、中期以降は[[平口広美]]、[[宮西計三]]、[[安部慎一]]、[[鈴木翁二]]、[[ひさうちみちお]]、[[谷岡ヤスジ]]、[[高信太郎]]、[[いしいひさいち]]、[[勝又進]]、[[高井研一郎]]、[[はらたいら]]など[[ガロ系]]・[[不条理ギャグ|ナンセンスギャグ]]作家が多数参入し<ref>「メインのエロ作品が7に対して、ヘンなもの作品を3という比率にして、一般的なエロ(笑い)ではなく、できるだけ個人的なエロを突出させようという方針を徹底させてました。メインのほうの御三家が、[[あがた有為]]、[[羽中ルイ]]、[[能條純一]]で、ヘンなものの御三家は、[[ひさうちみちお]]、[[平口広美]]、[[蛭子能収]]でした。ほかに、[[宮西計三]]、[[丸尾末広]]、[[ひろき真冬]]、[[三条友美]]ですか。おわかりのように、[[エロ劇画誌|エロ系]]と[[ガロ系]]の合体です。この流れは伝説の(?)『[[漫画ピラニア]]』などに受け継がれましたが、今思うと、一人ひとりの作家が個人的であるがゆえに、それぞれが独立したメディアだったというか、Hメディアは制約がないといわれますが、その分、ヤケになった感じで、自分のこだわりを拡大表現しちまうわけです」[[小谷哲]]「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/hculture#%E5%B0%8F%E8%B0%B7%E5%93%B2%E4%B8%89%E6%B5%81%E5%8A%87%E7%94%BB%E8%AA%8C%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%A4%A7%E5%BF%AB%E6%A5%BD%E5%85%83%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%95%B7%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E3%82%84%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%81%8C%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%82%82%E7%B7%A8%E9%9B%86%E8%80%85%E3%82%82%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%81%A8%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F こだわりすぎるやり方が作家も編集者もイキイキとさせていた?]」([[扶桑社]]『[[SPA!|週刊SPA!]]』1992年10月28日号「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/hculture マンガ、映画、雑誌、文学……を面白くする『Hカルチャーから育った天才・鬼才』]」所載)</ref>、三流劇画と[[ニューウェーブ (漫画)|ニューウェーブ]]が融合したマニアックな漫画の発表の場となっていった(なお『エロジェニカ』は「[[COM (雑誌)|COM派]]」で『大快楽』は「[[ガロ系|ガロ派]]」と目されていたという)<ref>[https://twitter.com/taniguti_kei/status/1266297438710579200 谷口敬のツイート] 2020年5月29日</ref>。
 
当初は[[谷口ジロー]]や[[能條純一]]らが作品を発表する硬派な[[エロ劇画誌|三流劇画誌]]だったが、中期以降はから[[平口広美]]、[[宮西計三]]、[[安部慎一]]、[[鈴木翁二]]、[[ひさうちみちお]]、[[谷岡ヤスジ]]、[[高信太郎]]、[[いしいひさいち]]、[[勝又進]]、[[高井研一郎]]、[[はらたいら]]など[[ガロ系]]・[[不条理ギャグ|ナンセンスギャグ]]作家が多数参入し<ref>「メインのエロ作品が7に対して、ヘンなもの作品を3という比率にして、一般的なエロ(笑い)ではなく、できるだけ個人的なエロを突出させようという方針を徹底させてました。メインのほうの御三家が、[[あがた有為]]、[[羽中ルイ]]、[[能條純一]]で、ヘンなものの御三家は、[[ひさうちみちお]]、[[平口広美]]、[[蛭子能収]]でした。ほかに、[[宮西計三]]、[[丸尾末広]]、[[ひろき真冬]]、[[三条友美]]ですか。おわかりのように、[[エロ劇画誌|エロ系]]と[[ガロ系]]の合体です。この流れは伝説の(?)『[[漫画ピラニア]]』などに受け継がれましたが、今思うと、一人ひとりの作家が個人的であるがゆえに、それぞれが独立したメディアだったというか、Hメディアは制約がないといわれますが、その分、ヤケになった感じで、自分のこだわりを拡大表現しちまうわけです」[[小谷哲]]「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/hculture#%E5%B0%8F%E8%B0%B7%E5%93%B2%E4%B8%89%E6%B5%81%E5%8A%87%E7%94%BB%E8%AA%8C%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%A4%A7%E5%BF%AB%E6%A5%BD%E5%85%83%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%95%B7%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E3%82%84%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%81%8C%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%82%82%E7%B7%A8%E9%9B%86%E8%80%85%E3%82%82%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%81%A8%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F こだわりすぎるやり方が作家も編集者もイキイキとさせていた?]」([[扶桑社]]『[[SPA!|週刊SPA!]]』1992年10月28日号「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/hculture マンガ、映画、雑誌、文学……を面白くする『Hカルチャーから育った天才・鬼才』]」所載)</ref>、三流劇画と[[ニューウェーブ (漫画)|ニューウェーブ]]が融合したマニアックな漫画の発表の場となっていった(なお『エロジェニカ』は「[[COM (雑誌)|COM派]]」で『大快楽』は「[[ガロ系|ガロ派]]」と目されていたという)<ref>[https://twitter.com/taniguti_kei/status/1266297438710579200 谷口敬のツイート] 2020年5月29日</ref>。
 
[[三流劇画ブーム]]が頂点に達した1979年には同誌編集者の[[小谷哲]]がコラムで[[高取英]]の『[[漫画エロジェニカ]]』([[海潮社]])と誌上抗争を展開。さらに『大快楽』執筆者の[[板坂剛]]が『エロジェニカ』執筆者の[[流山児祥]]を攻撃し、実際に路上で流血沙汰を起こすという[[プロレス]]を展開する<ref>[[高取英]]「[http://kougasetumei.hatenablog.com/entry/sanbakagekigaboom 三馬鹿劇画ブーム]」([[同人誌]]『発禁20周年本 真・堕天使たちの狂宴』所載)</ref><ref>[https://twitter.com/taniguti_kei/status/1068038021168082944 谷口敬のツイート] 2018年11月29日</ref>。
 
しかし『[[劇画アリス]]』『[[漫画エロジェニカ]]』は1980年までに休刊。また創刊当初から編集に携わっていた[[小谷哲]]も同年6月号<ref>[[小谷哲]]「さよなら、大快楽。超自然的実在が私を呼んでいる。」[[檸檬社]]『漫画大快楽』1980年6月号,146頁</ref>で同誌を降板して『[[漫画カルメン]]』([[蒼竜社]]/81年6月創刊)に移籍し、[[菅野邦明]]も『[[漫画ピラニア]]』([[辰巳出版]]/81年6月創刊)に移籍するした。ここに三流劇画の黄金時代を築いた菅野・小谷体制は崩壊したする<ref>[[米澤嘉博|米沢嘉博]]『戦後エロマンガ史』[[青林工藝舎]] 2010年4月 p.253「第33章/エロ劇画界の再編とロリコンマンガ」</ref>。
 
その後は[[ロリコンブーム]]の影響から[[ロリコン劇画]]で知られる[[内山亜紀]]、[[谷口敬]]、[[村祖俊一]]、[[火野妖子]]、[[五藤加純]]、[[エル・ボンテージ|牧村みき]]、[[小鈴ひろみ]]、[[西江ひろあき]]などが起用されるも、三流劇画退潮の波には勝てず、[[檸檬社]]の倒産により未払い原稿料を残したまま<ref>[[檸檬社]]編集者の[[中森愛]]([[五藤加純]]の兄)によれば会社の倒産で原稿料や[[印税]]の未払いが発生したとのこと。([[中森愛]]+[[五藤加純]]『二人でロリコメばかり描いていた』ネコ通信社 2019年12月31日発行 pp.38-43「対談:中森愛VS五藤加純 兄弟対決 二人でロリコメばかり描いていた―デビューから[[漫画ブリッコ]]まで」参照)</ref>1982年10月号をもって[[廃刊]]する。
 
== 主な執筆作家 ==