「ブラジルポルトガル語」の版間の差分

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'''ブラジルポルトガル語'''({{Lang|pt-br|'''Português do Brasil'''}}, {{Lang|pt-br|'''Português brasileiro'''}})は、主に[[ブラジル]]で話されている[[ポルトガル語]]の一派である。[[ポルトガル]]で話される[[イベリアポルトガル語]]とは若干異なり、[[英語]]における[[アメリカ英語]]と[[イギリス英語]]との差と比べて、文法や発音などに大きな違いがある。日本では「'''ブラジル語'''」、俗に「'''ブラポル語'''」と略称されることもある。
 
== 他の地域との違い ==
なお、ポルトガル語を基本としているが、ポルトガルのそれとは若干異なる。さらにブラジルとそれ以外の諸国においても、文法や語法などに若干の違いが生じている。
 
さらにブラジルとそれ以外の諸国においても、文法や語法などに若干の違いが生じている。
=== 母音 ===
* 語末の e, o が [{{IPA|i]}}, [{{IPA|u]}} となる。
* 一般に e, o が無声化・脱落しない。
* 二重母音:
** ei は [「アイ」{{IPA|ɐi̯]}} ではなく保守的な [「エイ」{{IPA|ei̯]}} である。
 
=== 鼻母音 ===
ã の発音は、後舌のア(暗いア)の鼻母音で発音される。
 
=== 子音 ===
* ti や di, あるいは語末の te や de はチやジという発音になる。
* 音節末の s や z は、シュ {{ipa|ʃ}} の発音にはならない。
* 語頭や n, l の後の r および語中の rr は [[無声軟口蓋摩擦音]]/x/ [x, h] などで発音される(もとは[[有声口蓋垂摩擦音]]{{IPA|ʁ}}やそれが無声化した[[無声口蓋垂摩擦音|{{IPA|χ}}]]でも発音された)。なお、近年ポルトガルでもこのように発音する傾向がある。 [[リオデジャネイロ]]には[[フランス人|フランス系]]移民が多く、中には[[フランス語]]のように r, rr を常に口蓋垂音で発音する癖を持った人もいる。
* 音節末の c, p は脱落する。脱落しないものは、常に発音される。またこの子音字の前の母音は、無強勢部でも a /a/, e /ɛ/, o /ɔ/ で読むとは限らない。
* 語頭で無声子音の前の ex- は、 "ech" または "eich" のように読まない。
* 軟口蓋音 ch /{{ipa|ʃ/}}, j /{{ipa|ʒ/}}, lh /{{ipa|ʎ/}}, nh /{{ipa|ɲ/}} の前の e は、/ɐ/ と読まない。
* e, i 音節末前の qu L、ウ /kw/ は qü{{ipa|w}}書か発音さることがある。g も同様。
* e, i の前の {{ipa|kw}}, {{ipa|gw}} は[[トレマ]]を使用し qü, gü と書く。
* 音節末のLは、ウと発音されることがある。
** なおポルトガル語ではポルトガルとブラジルの正書法を近付ける改革が行われており、ブラジルでも移行期間を経て2013年以降はトレマは使用されなくなった。
 
=== アクセント ===
標準的ではないが、アクセントのある音節が s あるいは z で終わる語はイがついた発音になることがある。
 
=== 文法 ===
* 2人称代名詞としての[[親称]] tu(単数)と vós(複数)は、3人称の活用になる você(s) のみにほぼ代替されている(地域によっては tu, vós も用いる)。リオ・デ・ジャネイロや北部、南部では二人称Tuが使われながら動詞の形は三人称という現象も起こっている。そのため、動詞の活用は各時制ごとに6つではなく4つ覚えればよい。なお、目上の人に対しては você のかわりに o senhor(男性), a senhora(女性)を用いるのが好まれる。また、ブラジル南部の移民は[[リオプラテンセ・スペイン語|アルゼンチン訛り]]のためしばしば2人称単数代名詞として vos を用いる。
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== 関連項目 ==
* [[ウルグアイポルトガル語]]
 
 
{{ロマンス諸語}}