「鑿」の版間の差分

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[[Image:Miki City Hardware Museum06n3872.jpg|200px|thumb|様々な形状の刃先]]
[[Image:Chisel wood 24mm.jpg|200px|thumb|24ミリ刃の木工鑿]]
'''鑿'''(のみ)は、[[木材]]、[[石材]]、[[金属]]などに穴を穿ったり、彫刻したりするのに用いる[[工具]]。部材に対して尾部を[[ハンマー]]などで叩く'''叩き鑿'''と、両手で突く'''突き鑿'''に大別される{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}
 
== 概要歴史 ==
[[新石器時代]]に鑿の原型となるが突き鑿が出現し、人類文明の発展とともに[[金属]]製の鑿が利用されるようになった。[[古代エジプト]]の遺跡からは叩き鑿と[[木槌]]、向待ち鑿が出土している。[[日本]]には大陸から鉄製のたがね鑿が渡来し、やがて袋状の口金に木柄を差し込む袋鑿が現れる。江戸時代の江戸で木柄に明けた穴に刃部の尾部を差し込んだ「込み式」が考案され、現代の一般的な鑿の構造となっている{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}。
木材用の鑿は、刃の付いた金属部分と柄からなる。刃の付いた金属部分のうち、先端の太くなっている部分を「穂(穂先)」、柄とつながり細くなっている部分を「首」といい、柄とは口金で固定されている。
 
== 木工用の鑿 ==
刃は軟鉄と鋼でできていることが多いが、全鋼のものもある。
[[File:Use of Chisel (PSF).png|thumb|叩き鑿]]
木工用の鑿は、刃の付いた金属部分と木柄からなる{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}。刃の付いた金属部分のうち、先端の太くなっている部分を日本では「穂(穂先)」、木柄とつながり細くなっている部分を「首」といい、首と柄とは口金(はかま)で固定されている。口金と刃部が一体となったものを袋式(ソケット式)といい、口金が付いた木柄に刃部を差し込むものを込み式(タンク式)という。欧米の鑿には、首と口金の間にレザーウォッシャーと呼ばれる革製の[[緩衝材]]が入ったものもある。叩き鑿には、木柄が割れないように、柄頭に環状の金属製の部品(「かつら」「冠」「下がり輪」などという)が取り付けられている。
 
鑿の刃は、断面形状から面取り(Beveled Edge)形、角打ち(Squared Edge)形、鎬形に大別される。日本や台湾では上面の軟鉄(地金)と下面の鋼が鍛接されたものが多いが、中国や欧米では全鋼のものが多い{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}。日本では地金の面を「甲表」、鋼の面を「刃裏」と呼び、傾斜した面を「切れ刃」と呼ぶ。
鑿には刃先の形状により、'''平鑿'''(ひらのみ)、'''丸鑿'''(まるのみ)など各種ある。
 
木柄の木材は日本では[[アカガシ]]や[[シラカシ]]が主で、欧米では[[ブナ]]や[[ツゲ]],[[トネリコ]]などが使われる事が多い{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}。アジアの鑿では、叩き鑿の場合は柄の中央が太く、突き鑿の場合は刃部に近い側が太く作られているが、欧米の木柄の形状はさらに多様である。
鑿の種類には、使用方法により、柄頭を[[槌]]などで叩いて用いる「'''叩き鑿'''」と手で突くなどして用いる「'''突き鑿'''」がある。
 
=== 種類 ===
[[File:Use of Chisel (PSF).png|thumb|叩き鑿]]
刃の形状や寸法、用途によって、以下のような種類がある。
叩き鑿には、木製の柄が割れないように、柄頭に環状の金属製の部品(「かつら」「冠」「下がり輪」などという)が取り付けられている。
==== 叩き鑿 ====
叩き鑿は、主に[[柱]]や[[梁]]といった構造材に穴を掘るなどの荒仕事に使用する鑿であり、突き鑿よりも肉厚で頑丈である{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}。
;厚鑿:建築構造材に深い穴を掘るための大型の鑿。本叩き鑿、広鑿、フレーミングチズルなどがある。
;追入れ鑿:鴨居や敷居などの仕口を作るのに使用する、日本では標準的な造作用の鑿。欧米ではファーマーチズル(Fermoir Chisel)と呼ばれる。
;向待ち鑿:[[建具]]の製作や[[指物]]作業に使用される、穂幅の狭い鑿。欧米ではモーティスチズル(Mortise Chisel)と呼ばれる。
;丸鑿:穂が窪んだ曲面状になった鑿。切れ刃が凹面側にある裏丸鑿(外丸鑿)と、凸面側にある内丸鑿がある。
==== 突き鑿 ====
突き鑿は狭義の突き鑿以外にも、叩き鑿で掘った穴の内壁の仕上げなどに用いる仕上げ鑿の総称ともなっている{{sfn|世界の木工具研究会(編) |2015|pp=113-125}}。欧米では仕上げ用鑿をペアリングチズル(Paring Chisel)と総称している。
;薄鑿:穂が薄く長い仕上げ鑿。[[格子]]の製作に使われることから格子鑿ともいう。同様のものは欧米ではシンチズルと呼ばれる。
;突き鑿:ほぞ穴や継ぎ手の仕上げに使用する。穂幅が15 - 24ミリメートル程度で木柄が長い。アジアや欧米では穂幅が40ミリメートルを超える幅広のものもある。
;丸突き鑿:丸鑿と同じ特徴を持つ突き鑿。丸鑿よりも全長が長く、軽微な曲線作業に用いる。
;鎬鑿(しのぎのみ):蟻溝など、仕上げが困難な箇所に使用される細身の鑿。作業によって叩き鑿として使う場合もあり、冠が付いているものもある。
;鏝鑿(こてのみ):左官の使う[[鏝]]のような屈曲のある鑿。溝の底など、他の鑿が入れにくい箇所の仕上げに使用される。
;撥鑿(ばちのみ):穂先が[[三味線]]の撥に似ることから撥鑿と呼ばれる。組接ぎや蟻穴の隅の仕上げなどに用いられる。
;角鑿(かくのみ):枘穴の入り口などの垂直面を仕上げる鑿。欧米ではコーナーチズルといい、穂がV字形をしたVシェイプチズルなどもある。
 
== 石工用の鑿 ==
{{See also|鏨}}
{{節スタブ}}
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book |和書 |author = 世界の木工具研究会(編) |title = 図説 世界の木工具事典 | edition = 第2版 |date = 2015 |publisher = 海青社 |isbn = 978-4-86099-319-1 |ref = harv }}
== 外部リンク ==
* {{Archive.today|url=http://homepage2.nifty.com/s-kawai/nomi_a.html |title=道具・鑿(のみ)について|date=20130427104843}}