「語結合」の版間の差分
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== 概要 ==
語結合は文法的に他の単語を従属させる構成素(主軸構成素)と、それに文法的に従属する構成素(従属構成素)とから成る。主軸構成素は個々の単語
主軸構成素がいかなる従属構成素を従えるかは、主軸構成素の語彙=文法的な特性に依拠しており、文レベルにおける単語どうしの結びつきとは関係ない。語結合「читать книгу(本を読む)」の場合、主軸構成素「читать(読む)」の「読む」という語彙的特性から主に書籍等を示す名詞を従属構成素とし、また「他動性」という文法的特性から対格形を従属構成素とする。
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=== 語結合の構造による分類 ===
:'''1. 単純結合'''
*2項結合:читать книгу(本を読む)など。
*3項結合:дать книгу брату(弟に本をやる)など。
*4項結合:перевести книгу с русского на японский(本をロシア語から日本語へ翻訳する)など。
例えば「дать книгу брату(弟に本をやる)」の場合、「дать(やる)」が「книгу(本を)」と「брату(弟に)」を別個に従えているのではなく、ひとまとめにして従えていると見て、「книгу брату(弟に本を)」全体が
:'''2. 複合結合'''
*новый дом брата(弟の新しい家),увлеченно читать книгу(本を熱心に読む)など。
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== 語結合と文 ==
語結合は外見的には
ロシア言語学において、文を文たらしめる要素は陳述性(предикативность)であるとし、陳述性は[[法 (文法)|法]]・[[時制]]・[[人称]]などの[[文法カテゴリー|文法範疇]]、およびイントネーションなどによって形作られるとしている(動詞の法・時制・人称の形は主語との照応によって作られるので、それら文法範疇は[[形態論]]的範疇であると同時に[[統語論]]的範疇でもあると見なされる)。このことから、述語動詞の法・時制・人称による語形変化は文のマーカーである陳述性の形であると見なされ、動詞の語形変化と照応関係にある主語も陳述性に関係する要素と見なされる。それゆえ主語と述語動詞の結びつきこそが文を形作るものであるとされている。例えば「Я живу в Москве.(私はモスクワに住む。)」という文において「я живу(私は住む)」は文の基礎であると考え、この文は「主部+述部」という文型に分類される。一方で「жить в Москве(モスクワに住む)」という単語の結びつきは文が形作られる以前に「жить(住む)」という動詞の特性によって予め決められた結びつきであるので、文というレベルの結びつきとは別個のものであると見なす。つまり、「я живу(私は住む)」という文は「主部+述部」という文型でありつつ、述部が「жить в Москве(モスクワに住む)」という語結合の構成となっている文とするのである(これが語結合を文の構築材料とするゆえんである)。
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== 他の理論との関係 ==
語結合の理論では、主軸構成素が従属構成素を従える際に、どのような項を、どのような語形で、いくつ従えるかという点に着目する。その点では西欧の結合価
== ロシア以外における語結合の研究 ==
=== 日本語学 ===
[[日本語]]学においては、言語学研究会が1960年代に語結合の概念
=== 朝鮮語学 ===
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*Ярцева, В. Н., гл. ред.(1997)''Языкознание. Большой энциклопедический словарь'', Москва.
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[[Category:ロシア語|こけつこう]]
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