「光ケーブル」の版間の差分

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Jiemonn (会話 | 投稿記録)
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=== 融着 ===
{{seealso|en:Fusion splicing}}
ガラス製の光ファイバは、原料の性質上ファイバの先端部を一定の温度以上に熱することで融解するため、接続させたい光ファイバの先端部同士を熱して融解状態になったところを接着することで接続することが可能である。このような接続方法を「融着(ゆうちゃく)」と呼ぶ。1975年にNTT基礎研の土屋治彦氏と畠山巌氏らが放電加熱を熱源とした基礎技術を開拓し、光ファイバーの実用化部門である茨城研究と線路メーカーに技術移転を行い実用化されたものである。高速伝送が可能となるシングルモード光ファイバーは光を導波するコア径が10ミクロン以下でこの光ファイバーシステムは実用化が難しいと考えられていた。ところが土屋等は1977年に光ファイバーを過熱することにより表面張力が発生し光ファイバー同士が自動的に軸合わせが行われるセルフアライメントが可能となる現象を発見し、シングルモードファイバーシステムの実用化が可能となった。現在の融着接続装置はより安定に放電する高周波放電技術を用い、これら技術は全世界で使われている。
 
融着はコネクタ接続と比べて「接続部の信号減衰が少ない」「接続に必要なスペースが少ない」「経年変化がない」というメリットがあるが、一方で「一度接続してしまうと簡単に切り離すことができない」「接続部のケーブルの被覆を取り除くためその部分が衝撃に弱くなる」といった問題点がある。そのため基本的には、一度接続したらほとんど接続先を変更することのないような場所([[電柱]]上、[[共同溝]]内など)での接続(ケーブルの延長・分岐等)に使われる。また外部からの衝撃による影響を防ぐため、接続部分は通常[[端子函]](メカニカルクロージャ)や[[成端箱]](せいたんばこ)等に収められる。