「縁故主義」の版間の差分

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'''縁故主義'''(えんこしゅぎ'''ネポティズム'''({{lang-fren-short|népotismenepotism}})とは、親族の縁、地縁、血縁などの縁がある縁故者のほうを重用する考え方や、ものごとの正しさよりも縁故を優先してしまう考え方のこと。
 
[[社会学]]の分野においては、同族・同郷者に限らず同じ[[共同体]]に属する人間の意見ばかりを尊重し、[[排外主義|排他的な思想]]に偏る'''内集団偏向'''のことを指す。
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;カトリック聖職者によるイエスの戒めに反する行い
だが、中世ヨーロッパではカトリック聖職者は様々な特権を持つようになっていて、特に[[司教]]や[[修道院長]]といった上級の聖職者は、世俗諸侯と変わらない権力を持つまでになってしまった。そのような状態になったところ、親族の子供(甥)に様々な便宜を与えたり、実質的な後継者とする事が行われるようになってしまったので、これを(批判も込めて)「nepotism nepotismo ネポティズ」と呼ぶことが始まった (イタリア語の「nepote」「nipote」は「甥」「姪」「孫」といった意味の語で<ref>イタリア語「nepote」「nipote」の語源は ラテン語「nepos」。</ref>、 つまり、あえて訳せば「甥っ子主義」や「姪っ子主義」といったような表現である)。
 
さらには、公的には結婚・妻帯が禁じられていたカトリックの聖職者が、密かに儲けてしまった[[庶子]]を「甥」と偽ることまでもあった。[[ルネサンス]]期になると、そうした規則違反が半ば公然と行われるようになってしまった。