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=== バイステックの7原則 ===
ケースワークの原則として「バイステックの7原則」がある。バイステックの7原則とは、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]のケースワーカーで社会福祉学者の[[フェリックス・P・バイステック]]([[:en:Felix Biestek|英語版]])が1957年に著書『ケースワークの原則』で記したケースワークの原則である。バイステックの7原則は、現在においてケースワークの基本的な作法として認識されている。バイステックの7原則とは、以下の7つのことである。
#'''個別化''' (individualization)<br />クライエントの抱える困難や問題は、どれだけ似たようなものであっても、人それぞれの問題であり「同じ問題(ケース)は存在しない」とする考え方。この原則においてクライエントの[[ラベリング]](いわゆる人格や環境の決めつけ)やカテゴライズ(同様の問題をまとめ分類してしまい、同様の解決手法を執ろうとする事)は厳禁となる。
#'''受容''' (acceptance)<br />クライエントの考えは、そのクライエントの人生経験や必死の思考から来るものであり、クライエント自身の個性であるため「決して頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解する」という考え方。この原則によってワーカーによるクライエントへの直接的命令や行動感情の否定が禁じられる。ただし、この受容の原則を理解する際には注意が必要である。バイステックは、人を受け入れることと道徳や社会のルールに反する行為を受け入れることは違うとし、あくまで「ケースワーカーが受けとめる対象は現実である」と述べている<ref>{{Cite book|author=Biestek, Felix Paul|year=1957|title=The Casework Relationship|location=Chicago|publisher=Loyola University Press|page=85|isbn=9780829402247}} (={{Cite book|和書|translator=尾崎新・福田俊子・原田和幸|year=2006|title=ケースワークの原則-援助関係を形成する技法|edition=新訳改訂版|publisher=誠心書房|page=137|isbn=9784414604047}})</ref>。そのような意味でケースワーカーはクライエントをあるがままの姿で捉えることが必要であるとバイステックは主張しているのであり、何もかもを受け入れるべきであると主張しているのではない。