「ツォルンの補題」の版間の差分

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→‎準備: 「空でない半順序」とあえて明言する場合の理由を詳しく説明した。
→‎準備: 「空でない半順序」とあえて明言する場合の理由を手直しした。
17行目:
: {{mvar|P}}を空でない半順序集合で、その任意の空でない鎖は {{mvar|P}} に上界を持つとする。このとき {{mvar|P}} は少なくともひとつ極大元を持つ。
 
これらの違いは微妙なものであるが、ツォルンの補題を使った証明において半順序として[[包含関係]]に代表されるような'''集合同士の関係'''を用いる場合、鎖を[[集合族]]として/その上界を鎖となった集合族の[[和集合|合併]]としてとる事があり、その際に[[和集合#空なる合併|空な族の合併]]は空集合になる一方で空なる鎖の上界は任意の「空でない集合」であるという不一致が、'''[[数学的構造#定義|台集合]]に元として空集合が所属していない'''場合に起こるので、予め定義において空な鎖について考えなくてよいとの明言が議論を簡単にするという点で使い分けることができる。
 
[[公理的集合論|ZF]]集合論において、ツォルンの補題は[[整列可能定理]]や[[選択公理]]と同値である。すなわち、ひとつを仮定すると残りを証明することができる。この補題は[[関数解析学]]においては[[ハーン・バナッハの定理]]を、[[線型代数]]においては[[基底 (線型代数学)|基底]]の存在を、[[位相空間論]]においては「任意の[[コンパクト集合]]の直積はまたコンパクトである」という[[チコノフの定理]]を、そして[[代数学]]においては全てのゼロでない[[環 (数学)|環]]は[[極大イデアル]]を持ち、任意の[[可換体|体]]における[[代数的閉包]]の存在をそれぞれ証明する際に使われる。