「造山運動」の版間の差分

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== 原因論 ==
かつては、山脈を構成する[[地質]]の特徴から、[[地向斜]]が何らかの[[力 (物理学)|力]]により[[隆起]]に転じて山脈を形成したと考えられてきた。隆起させる力としては、[[欧米]]では[[地球]]の[[自転]]や地球の冷却・収縮による水平圧力であるなどとされ、[[日本]]では珪長質[[火成活動]](Igneous activity)によって形成された[[花崗岩]]質[[マグマ]]による[[浮力]]であると説明された。前者の考えでは必ずしも全ての地向斜が造山運動を起こすわけではないが、後者では地向斜は必然的に造山運動を伴うことになり、これを特に'''地向斜造山論'''と呼んでいた。
 
しかし、それらの考えでは説明できない事例が少なくなかった。[[メキシコ湾]]には[[ミシシッピ川]]から流れ込んだ[[土砂]][[堆積]]が1万5000メートル以上に及んでおり、また[[ベンガル湾]]でも[[ガンジス川]]が[[ヒマラヤ山脈]]を削って流し込んだ土砂が500万立方キロメートルもあるが、いずれも造山運動の兆しはない。
 
[[プレートテクトニクス]]理論が登場してからは[[プレート]]運動による山脈や弧状列島の成因が論じられるようになり、[[大陸プレート]]同士の衝突・隆起による山脈の形成、[[海洋プレート]]の[[沈み込み]]に伴う火成活動による[[島弧]]の形成、[[ホットスポット (地学)|ホットスポット]]の活動による[[海山列]]の形成などが考えられ、以前の地向斜に由来する造山運動論は支持を失っている。日本では[[地球物理学]]の分野は早期にプレートテクトニクスを受容したが、[[地質学]]の分野は1980年代までプレートテクトニクスの受容に抵抗した。