「サリチル酸」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
荒らし行為を取り消し240D:1A:DD:3C00:A9A9:6E4F:E8CB:F2B6 (会話) による ID:79803746 の版を取り消し
タグ: 取り消し モバイル編集 モバイルウェブ編集 改良版モバイル編集
m →‎外用薬: 会社記事にリンク
103行目:
 
=== 外用薬 ===
サリチル酸は、ベンゼン環に結合している水酸基の影響で、カルボキシ基がプロトンを放出した状態でも安定しやすくなるため、[[カルボン酸]]としては比較的強い酸であり、その[[酸解離定数|{{pKa}}]]は、2.97である。皮膚を腐食する作用があり、例えば、[[尋常性疣贅]](イボ)を取るための外用薬の主成分として使用される場合がある<ref name="sa_plaster">[http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00012378.pdf サリチル酸絆創膏]</ref>。1919年には、日本で液状の'''イボコロリ'''として[[横山製薬]]から発売され、1989年に絆創膏タイプが発売された<ref name="naid130007448107">{{Cite journal |和書|author=井上雅文 |date=2015 |title=第17回 イボコロリ |journal=ファルマシア |volume=51 |issue=3 |pages=242-243 |naid=130007448107 |doi=10.14894/faruawpsj.51.3_242 |url=https://doi.org/10.14894/faruawpsj.51.3_242}}</ref>。患部に塗ることで[[コロジオン]]が被膜となり、サリチル酸が皮膚に浸透し皮膚を柔らかくする<ref name="naid130007448107"/>。1996年には皮膚を軟化させる[[乳酸]]を加えたウオノメコロリも発売されている<ref name="naid130007448107"/>。2014年のイギリスのガイドラインでは、尋常性疣贅の治療にサリチル酸が最も推奨されている<ref name="ukguide">{{Cite journal |和書|author=村尾和俊 |date=2016-04 |title=疣贅の英国治療ガイドライン |journal=臨床皮膚科 |volume=70 |issue=5 |pages=155-157 |url=https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1412204766?p=firstTab&englishFlg=2}}</ref>。
 
この他、サリチル酸とワセリンを主成分とする軟膏も、主に角化を伴う皮膚疾患に対する治療に用いられることがある<ref>[http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2652701M2021_2_01/ 10%サリチル酸ワセリン軟膏] (PMDA)</ref>。ただし、サリチル酸は皮膚からも吸収されて、そのまま血中へと入るために、広範囲に大量のサリチル酸を含有した外用薬を使用した場合、サリチル酸による全身性の副作用が問題となり得る<ref name="sa_plaster">[http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00012378.pdf サリチル酸絆創膏]</ref><ref>[https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/26/2652701M2021.html 10%サリチル酸ワセリン軟膏] (日経メディカル処方薬事典)</ref>。2008年の日本皮膚科学会の[[ケミカルピーリング]]のガイドラインでは、ざ瘡の皮疹、小斑の日光黒子、小じわに対する、角質のみに作用するサリチル酸マクロゴールの使用は、良質な証拠はないが選択肢の1つとされており、サリチル酸エタノールの使用は推奨できないとしている<ref>{{Cite journal |和書|author1=古川福実 |author2=船坂陽子 |author3=師井洋一ほか |date=2008 |title=日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン 改訂第3版 |journal=日本皮膚科学会雑誌 |volume=118 |issue=3 |pages=347-356 |naid=130004708588 |doi=10.14924/dermatol.118.347 |url=https://doi.org/10.14924/dermatol.118.347| ref={{sfnRef|ガイドライン3版|2008}} }}</ref>。[[尋常性痤瘡]](ニキビ)では日本のニキビの治療ガイドラインでの推奨度は低く、日本での保険適応外である<ref name="naid130007396820">{{Cite journal |和書|author1=関口知佐子 |author2=千見寺ひろみ |author3=戸佐眞弓 |date=2017 |title=当院で行った痤瘡に対する ケミカルピーリングの臨床経験165例の検討 |journal=日本臨床皮膚科医会雑誌 |volume=34 |issue=3 |pages=355-360 |naid=130007396820 |doi=10.3812/jocd.34.355 |url=https://doi.org/10.3812/jocd.34.355}}</ref>。これは、サリチル酸マクロゴールでは角質に強く作用するため、比較的安全性も高いのに対して、サリチル酸エタノールでは浸透性が強く、経皮吸収されて中毒(サリチル酸中毒)も起こりやすいためである<ref name="naid130007396820"/>。サリチル酸中毒では、耳鳴り、嘔吐などが起こる<ref name="フェル166"/>。