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伝令RNAの発見についての情報追加
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[[File:Peptide syn.png|thumb|right|400px|[[リボソーム]]は、一連の'''伝令RNA'''([[:en: Messenger RNA]])を読み取り、[[転移RNA]]([[:en: Transfer RNA]] (TRNA))に結びついた[[アミノ酸]]から所定の[[タンパク質]]を組み立てる。]]
[[File:Protein translation.gif|thumb|right|250px|[[小胞体]]に分泌されるタンパク質を組み立てている[[リボソーム]]]]
[[分子生物学]]において、'''伝令RNA'''(でんれいRNA、メッセンジャーRNA、[[英語]]:messenger RNA)は、[[蛋白質]]に[[翻訳 (生物学)|翻訳]]され得る[[塩基配列]]情報と構造を持った[[リボ核酸|RNA]]のことであり、通常'''mRNA'''と表記される。[[DNA]]に比べてその長さは短い。DNAからコピーした遺伝情報を担っており、その遺伝情報は、特定のアミノ酸に対応する[[コドン]]と呼ばれる3塩基配列という形になっている。
 
mRNAはDNAから写し取られた遺伝情報に従い、タンパク質を合成する(詳しくは[[翻訳 (生物学)|翻訳]])。翻訳の役目を終えたmRNAは細胞に不要としてすぐに分解され、寿命が短く、分解しやすくするために1本鎖であるともいわれている。
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poly (A)鎖は[[rRNA]]や[[tRNA]]には存在しないmRNAの特徴であるとされており、このことを利用してmRNAを特異的に精製することができる。また、mRNAを鋳型にして[[デオキシリボ核酸|DNA]]を[[逆転写酵素]]によって合成することができ、これは[[相補的DNA|cDNA]]と呼ばれる。cDNAは[[遺伝子]]が働いていることの非常に信頼性の高い証拠であり、[[ゲノムプロジェクト]]によって得られた大量の[[シークエンス]]データの中から遺伝子を探す作業を補助することができる。
 
伝令RNAの存在を最初に予見したのは、1965年に揃って[[ノーベル生理学医学賞]]を受賞したフランスの生物学者[[ジャック・モノー]](1910年〜1976年)と[[フランソワ・ジャコブ]](1920年〜2013年)であった。その後1961年には、フランソワ・ジャコブ自身と、[[南アフリカ連邦]]生まれの生物学者[[シドニー・ブレナー]](1927年〜2019年。2002年の[[ノーベル生理学医学賞]]受賞者)、アメリカ合衆国の[[遺伝学]]・[[分子生物学]]者[[マシュー・メセルソン]](1930年〜)によって、その存在が実証された<ref>{{cite journal |last1=Cobb |first1=Matthew |authorlink1= Matthew Cobb |title=Who discovered messenger RNA? |journal=Current Biology |date=29 June 2015 |doi=10.1016/j.cub.2015.05.032 |url=https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0960982215006065 |accessdate=2 July 2020 |volume=25 |issue=13 |pages=R526–R532|pmid=26126273 |doi-access=free }}</ref>。
 
== 遺伝子発現とRNA ==