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この時の教訓から『'''80+α点主義'''』という思想が生まれる。これは初代パブリカ及び初代カローラの開発主査である長谷川龍雄が打ち出した、次の考え方である。
{{Quotation|幅広くファミリーカーとして使っていただくためには、性能、居住性、フィーリングなどで満点に近い評価であっても、価格や維持費の面でお客様の手が届かないものでは大衆車としては失格である。また、安くするために品質を落としてはならず、あらゆる面で80点以上の合格点でなければならない。その一方で、全てが80点では魅力のないクルマになってしまう。これだけはほかには負けないというものがいくつかあって、初めてお客様の心をとらえることができる。|長谷川龍雄|『カローラの哲学―カローラの生みの親』}}
初代カローラは快適性を80点にまで高めた上で「+α」をスポーツ性にすることに決まり<ref>[https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corolla50th/message/hasegawa/ 特別メッセージ:長谷川 龍雄 (初代カローラ開発責任者)]</ref>、ライバルの[[日産・サニー]]を上回る「100ccの余裕」と、当時珍しかった[[ストラット式サスペンション|マクファーソン・ストラット式サスペンション]]の前輪懸架、丸型メーター、フロア式4速シフトなどの先進技術が多数盛り込まれた<ref group="注釈">安さを主眼とするマーケットに高級感・高機能を持ち込み席巻するこの手法は、1999年に登場したヴィッツでも用いられている。</ref>。この結果カローラは[[大衆車|国民車]]としての地位を確立し、後のトヨタ車やライバル会社にも大きな影響を与えた。
 
トヨタはトータルバランスと信頼性の高さで、日本でのシェア4市場5割という大躍進を遂げた一方、この欠点を優先して潰していく思想は、やがて「+α」を無視した『80点主義』の名で独り歩きし、無難なクルマ作りに徹したため、コアな車好きたちから、[[レクサス]]も含めて「'''トヨタは退屈'''<ref name="president">{{cite news | author = 井元康一郎 | url = https://president.jp/articles/-/17782?page=1 | title = 豊田章男社長「レクサスを熱いブランドにする。もう退屈とは言わせない」 | newspaper = プレジデント | publisher = [[プレジデント社]] | date = 2016-04-15 | accessdate = 2021-02-08 }}</ref>」「[[個性]]がない」「自動車を[[白物家電]]化させた」という非難を生む原因ともなった。乗用車の走行性能では他社に劣り、「目に見えないところで手を抜く」と批判<ref group="注釈">特に過激な事例を取り上げれば[[トップ・ギア]]司会者3人組の扱き下ろしがある。「カローラの横に並んでいた[[冷蔵庫]]をカローラとして紹介し、没個性的だと揶揄」「初代LS(セルシオ)登場時に“退屈なレクサス”と発言」など、トヨタ車がこき下ろされる際のキーワードは「無(没)個性」「退屈」「無味無臭」が多い。また、アメリカ合衆国における[[サイオン]]導入も「トヨタ車は退屈」というネガティブイメージが背景にあった。車好きからのトヨタの受けの悪さは、『NAVI CARS Vol.29』(2017年3月25日発売、ボイスパブリケーション刊)の『トヨタが好きで、悪いか!』という大見出しにも象徴される。</ref>などの批判を受けていたことから、[[豊田章男]]が主導になって『退屈イメージからの脱却を図った<ref name="president"/>
 
===もっといいクルマづくり===