「ゴーレム」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
240F:56:2598:1:9D05:E43:4863:B574 (会話) による ID:80165652 の版を取り消し
タグ: 取り消し
編集の要約なし
1行目:
{{otheruses|ユダヤ教の伝承に登場する泥人形|1915年の映画|ゴーレム (1915年の映画)}}
[[ファイルFile:Golem_and_Loew.jpg|thumb|『[[イェフダ・レーヴ・ベン・ベザレル|ラビ・レーヴ]]とゴーレム』<br />ミコラーシュ・アレシュ、1899年。]]
'''ゴーレム'''({{lang-he|גולם}}, {{Lang-en|''golem''}})は、[[ユダヤ教]]の伝承に登場する自分で動く泥[[人形]]。「ゴーレム」とは[[ヘブライ語]]で「[[胎児]]」を意味する。
 
6行目:
作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いか[[ロボット]]のような存在。運用上の厳格な制約が数多くあり、それを守らないと狂暴化する。
 
ラビ(律法学者)が断食や祈祷などの神聖な儀式を行った後、土をこねて人形を作る。呪文を唱え、「'''{{lang|he|אמת}}'''」(''emeth''、真理、真実、英語ではtruthと翻訳される)という文字を書いた[[羊皮紙]]を人形の額に貼り付けることで完成する。ゴーレムを壊す時には、「{{lang|he|אמת}}」(emeth)の「''א''」( e )の一文字を消し、「{{lang|he|מת}}」(''meth''、死んだ、死、英語ではdeathと翻訳される)にすれば良いとされるようだ
 
また、ゴーレムの体には{{ill2|シェム・ハ・メフォラシュ|en|Shem HaMephorash}}(Shem (Shem-ha-mephorash)mephorash) が刻まれている。シェム・ハ・メフォラシュとこれは、『旧約聖書』「[[出エジプト記]]」14章の第19節を縦書きで下から上に書き、その左に第20節を上から下に、その左に第21節を下から上に綴り、それを横に読んだ3文字の単語の総称であるとされる([[ヘブライ文字]]で書くと、19、20、21節とも各々それぞれ72文字になるため、3文字の単語が72語できる)。
 
[[プロイセン]]地方の伝承ではエリヤ・ヘルムとヤッフェという2人のラビがゴーレムを正式な礼拝の人数合わせに使おうと議論した結果、彼らのゴーレムが見るものすべてに火を付け始め、簡単な命令すら理解できていなかった。
 
製造すると後は自然に巨大化するとされており、いる。ある伝承では男がゴーレムを作ったが大きくなりすぎた為、額に手が届かなくなり止められなくなった。そこで男はゴーレムに自分の靴を脱がせるように命じ、ゴーレムがしゃがんだ時に額の文字を消した。その途端ゴーレムは大量の粘土となって男の上に崩れ落ち、男は圧死した。
 
== その他の神話・伝承のゴーレム ==
一般的なゴーレムは土(粘土)で作られるが、神話や伝説には石や金属で作られたものも登場する。
 
[[ギリシア神話]]の鍛冶の神[[ヘーパイストス|ヘパイストス]]によって作られた青銅の巨人[[タロース (ギリシア神話)|タロース]]もゴーレムの一種と見ることができる。
 
また、『旧約聖書』「[[創世記]]」の[[天地創造]]において、[[アダム]]も[[ヤハウェ]]によって土(ヘブライ語:アダマー)に鼻から[[聖霊|ルーアハ]]を吹き込まれたことから、アダムもまたゴーレムであったのではないかと言われている{{誰|date=2015年7月23日 (木) 06:04 (UTC)|post-text=によって}}。これが正しい説だとすれば、アダムこそが世界で最初に生まれたゴーレム(それも自我を持った)ということになる。
 
== フィクション・創作のゴーレム ==
その多くが神話や伝承に倣い、土や石で出来できているものであるが、その素材は多岐にわたってバリエーションを広げている。
 
ゲームなどでモンスターとして扱われるゴーレムは、人型で大きな人型で力が強く、感情や意思を持たないか乏しい。邪悪な存在というよりは、財宝や重要アイテムなど守る、わば障害物や強力な人型兵器(兵士)のような扱いをされることが多い。また、作られた素材により、弱点や強さが異なる場合もある。
 
「命令に忠実に動くのみの人造物」という点から、[[魔法]]などを動力としたロボットをゴーレムと名付けるものも見られる。[[カレル・チャペック]]は戯曲[[R.U.R.]](1920年、チャペック作)のロボットの着想へのについて、ゴーレムからの影響を認めている<ref>井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149</ref><ref>Morris, Nicola"The Golem in Jewish American Literature: Risks and Responsibilities in the Fiction of Thane Rosenbaum" p.119</ref>。
 
ゴーレムを主題とした作品として、映画『[[ゴーレム (1915年の映画)|ゴーレム]]』([[1915年]]、{{仮リンク|パウル・ヴェゲナー|en|Paul Wegener}}監督)、『[[巨人ゴーレム (1920年の映画)|巨人ゴーレム]]』([[1920年]]、パウル・ヴェゲナー監督)、『[[巨人ゴーレム]]』([[1936年]]、[[ジュリアン・デュヴィヴィエ]]監督)などがある。また、小説『[[フランケンシュタイン]]』([[1818年]]、[[メアリー・シェリー]]著)に登場する「フランケンシュタインの[[被造物]](怪物)」 を、死体(肉)を素材として作られたゴーレムとして紹介している資料<ref>{{Cite book|和書|author=安田 均|authorlink=安田均|coauthors=[[グループSNE]]|title=モンスター・コレクション ファンタジーRPGの世界|origdate=1986-10-30|edition=第23版|date=1993-08-30|publisher=[[富士見書房]]|series=[[富士見ドラゴンブック]]|isbn=4-8291-4209-X|page=116}}</ref>もある(ただし、この怪物は一般的イメージのゴーレムと違って自我を持っている)。
 
『ゴーレム』(1915年、[[グスタフ・マイリンク]] 著)、ジャンルは[[幻想文学]]である。
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Golem}}
* [[人工生命]]