191
回編集
m (→運ぶための堀) |
(→城の堀: の中の節を増やす、"中世城郭の各部名称"の図を追加) |
||
== 城の堀 ==
[[File:Kuruwa.jpg|thumb|240px|中世城郭の各部名称 ①竪堀 ②[[土塁]] ③[[連続竪堀]] ④堀切 ⑤[[#堀の中の障害物|畝堀]] ⑥[[#堀の中の障害物|障子堀]] ⑦[[虎口#枡形虎口|枡形虎口]] ⑧[[土橋]]・[[虎口#虎口の類型|平虎口]] ⑨[[馬出し|馬出]] ⑩[[木橋]] ⑪[[曲輪]] ⑫櫓台]]
近世の平地の城には水堀があるが、中世の城の堀はほとんどが空堀である。近世であっても、山城の堀は空堀であることが多い。
堀の幅は、[[中世]]には[[甲冑]]を着た敵兵に対する[[弓矢]]の有効射程を考慮して15[[間]](約27m)程度とされてきた(守備側の弓矢を有効にさせたい場合は15間より狭くする)が、より射程の長い[[鉄砲]]が普及すると15間よりも広い堀が必要となった<ref name=kokura>小倉城([[北九州市]])の城内展示「戦での攻守」より</ref>。
通常、堀は幾重にも掘られており、平地の城における外側の堀を'''外堀'''、内側の堀を'''内堀'''、その中間の堀は'''中堀'''(なかぼり)と呼ぶ。城下町を防護する[[総構え]]の堀を'''総堀'''・'''惣堀'''(そうぼり)と呼ぶ。▼
=== 堀の中の障害物 ===
水堀は、水面をひと続きとせず[[土居]]([[堰]])で区切り、水位に高低差を付けることもあった。これを水戸違い(みとちがい)と呼ぶ。土居は通行するための[[土橋]]の役割を兼ねさせることもあった。傾斜地に水堀を築く場合は、水が流れ落ちないように水戸違いを設けて水を蓄えた。▼
水堀、空堀の中ほどや水ぎわには、[[逆茂木]]や乱杭と呼ばれる、杭を打ち横木を渡した障害物を造り、寄せ手の兵馬の通行を妨げた。▼
堀底には、落とし穴や、堀底を仕切るような土塁状の障害物を設けることもあって、それらを障子(しょうじ)・堀障子(ほりしょうじ)といい、障子のある堀を'''障子堀'''(しょうじぼり)と呼ぶ(形状が[[障子|明かり障子]]の桟に似ているからというのは誤った俗説)。土塁状の障子は、堀を掘ったときの掘り残しであり、造成時の手間が少ない。ほぼ一定の間隔に連続した土塁状の[[障子]]がある堀を'''畝堀'''(うねぼり)ということもある。[[山中城]]([[静岡県]][[三島市]])のものは[[後北条氏]]の障子堀として知られるが、この城や後北条氏に限らず日本各地に見られる<ref>{{Cite journal |和書|title = [https://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/chujoken/semi2015/index5.html シンポジウム「障子堀」の新展開 概要] |date = 2016.8 |journal = [[中世城郭研究]] |pages=269-280|issue=第30号}}(※[https://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/chujoken/semi2015/ 第32回全国城郭研究者セミナー](2015年8月開催)のパネルディスカッションを活字化したもの)</ref>。
▲通常、堀は幾重にも掘られており、平地の城における外側の堀を'''外堀'''、内側の堀を'''内堀'''、その中間の堀は'''中堀'''(なかぼり)と呼ぶ。城下町を防護する[[総構え]]の堀を'''総堀'''・'''惣堀'''(そうぼり)と呼ぶ。
=== 放射状竪堀 ===
放射状竪堀は、{{要出典範囲|date=2017年10月|上記の障害物としての堀とは性質が異なる。寄せ手の兵が堀に沿って攻撃してくることを前提としている。堀に沿って一直線上に並んだ兵を弓矢で射るのである。戦国時代後期には[[火縄銃]]の導入によって放射状竪堀の効果が増したので、特に西国の山城において導入例が数多く見られた}}。東国では[[戦国大名]][[武田氏#
=== 水堀 ===
▲水堀、空堀の中ほどや水ぎわには、[[逆茂木]]や乱杭と呼ばれる、杭を打ち横木を渡した障害物を造り、寄せ手の兵馬の通行を妨げた。
▲水堀は、水面をひと続きとせず[[土居]]([[堰]])で区切り、水位に高低差を付けることもあった。これを水戸違い(みとちがい)と呼ぶ。土居は通行するための[[土橋]]の役割を兼ねさせることもあった。傾斜地に水堀を築く場合は、水が流れ落ちないように水戸違いを設けて水を蓄えた。
河川より水を引き入れてる場合、船を利用することも多く、船を城塁につなぐ場合は凹形に堀を屈入させ[[船溜]]とし、これを水撚り(みずひねり)といった。
|
回編集