「周期表」の版間の差分

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s/希ガス/貴ガス
(2400:2651:CA42:7100:121:EC7F:75E5:186 (会話) による ID:81571924 の版を取り消し元の文では「統一性が無い」は族の名称についての述語だったのに、14族についての修飾語にされてしまい、主語と述語にねじれが起こって意味が通らなくなっている)
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周期表の配列は、[[原子]]の中心に位置する[[原子核|核]]が保持する[[陽子]]の個数に基づいて付けられる[[原子番号]]順に並べられる。[[陽子]]が1個である[[水素]]から始まり、1マス進むごとに[[陽子]]が1つ多い[[元素記号]]を示しながら並べる。周期律に沿って改行され、2段目・3段目…と順次追加されてゆく。そのため、左から右へ、また上から下へ行くにつれて原子番号が大きな元素が並ぶ<ref name="Yone" />。
 
しかし周期表は[[長方形]]ではなく、中央に谷間があるおおまかな凹型をしている<ref name="Okawa44" />。これは周期律が示す元素の近似的な性質が必ずしも同じ原子番号の[[整数]][[倍]]で現れない現象を反映しているためである。周期表において右端にある原子番号2の[[ヘリウム]]と近い性質を持つ元素の仲間([[元素の族|族]]という)では、次に現れる元素は原子番号10の[[ネオン]]であり、その次は[[アルゴン]](元素番号18)となる。ここまでは原子番号数の差分はいずれも8だが、続く仲間は[[クリプトン]](同36)、[[キセノン]](同54)と、増分は18に増える。上に示された一般的なレイアウトの周期表では、この18で一巡し[[第18族元素|ガス]]で改行する法則を採り、縦方向でまとまる元素の族を1 - 18族という名称で設定する。このためヘリウムやネオンがある行では途中に空白が生じ、結果として周期表は凹型となる。
 
ところがガスにおいてキセノンの下に続く元素は[[ラドン]](同86)であり、差分は32に増える。これを1元素1マスを使い表示した[[拡張周期表]]という形式もあるが、一般的なレイアウトでは原子番号57-71までを[[ランタノイド]]、89-103までを[[アクチノイド]]として纏めて切り離し、欄外に表示する<ref name="Yone" />。結果この周期表は縦18列、横7段、欄外2行の枠組みで構成される。この形式は[[スイス]]の[[アルフレッド・ベルナー]]が[[1905年]]に提唱したもので、現在でも国際的な[[標準]]となっている<ref name="New30">[[#ニュートン別2010|ニュートン別冊(2010)、pp.30-31、周期表は140年もの間、重要な役割をになってきた]]</ref>。
 
周期表には118個の元素が表示されており、これらすべてに正式な元素名がつけられている。ただし、原子番号82の[[鉛]]までが安定な元素である(原子番号83の[[ビスマス]]の同位体は全て放射性と判明)<ref>[[新版元素ビジュアル図鑑(2016)、p.102]]</ref>。
周期表において元素が表示された位置関係は、その化学的特性を予想することを可能とする。列に沿って左右を見比べるよりも、縦に並んだマスを比較する方に留意して見るべきである。
 
[[元素の族|族]](groupまたはfamily)は、周期表における縦方向の集合である。この族は元素を分類する上で最も重要な方法と考えられている。いくつかの族に当る各元素の特性は非常に似かよっており、原子量が多くなる方向で明らかな傾向が見られる。この族には名称がつけられているが、それらは[[第1族元素#アルカリ金属|アルカリ金属]](alkali metals)、[[第2族元素#アルカリ土類金属|アルカリ土類金属]](alkaline earth metals)、[[第15族元素|ニクトゲン]](pnictogens)、[[第16族元素|カルコゲン]](chalcogens)、[[第17族元素|ハロゲン]](halogens)、[[ガス]](noble gases)と、統一性があまり無い。[[第14族元素]]など周期表におけるその他の族は垂直方向での近似性があまり見られず、基本的に族の数字で表されることが多い。
 
現代の[[量子力学]]理論が要請する原子の構造は、族が持つ傾向で説明され、それは特性ごとに分ける上で最も重要な要素に影響を与える原子価殻において電子配置が同一である原子は同じ族に含まれる。同じ族の元素グループには[[原子半径]]・[[イオン化エネルギー]]・[[電気陰性度]]の傾向にも近似性が見られる。上から下に行くにつれ全体のエネルギー値が高くなるため、原子価電子は原子核から遠くなってゆき、元素の原子半径は大きくなる。原子全体が電子を捕まえる力は強くなるため、下に行くほどイオン化エネルギーは小さくなり、同様に原子核と原子価電子の距離が長くなるにつれ電気陰性度も低くなる<ref name="Take83">[[#竹内1996|竹内(1996)、pp.83-91、5.2単体の性質の周期性]]</ref>。
 
=== 周期 ===
[[Image:First Ionization Energy.svg|lang=ja|right|thumb|300px|原子番号(横軸)と[[イオン化エネルギー]](縦軸)のグラフ。それぞれの周期においてアルカリ金属で最も低く、ガスで最も高くなる<ref name="Take83" />]]
{{Main|元素の周期}}
[[元素の周期|周期]](period)は、周期表のおける横方向の集合である。基本的に各元素の特性に族で示される程の似かよった所は無いが、例外的な箇所もある。これは、[[遷移金属]]と、特に[[ランタノイド]]や[[アクチノイド]]において、水平方向で近似性を持つ特徴が相当する。この周期は、最外電子殻が内側から何番目であるかを表している<ref name="Okawa44" />。
 
同じ周期にある元素は原子半径、イオン化エネルギー、[[電子親和力]]、電気陰性度のパターンで似た傾向を示す。左から右に行くにつれ、一般に原子半径は小さくなる。これは、元素に含まれる陽子の数は段々と増えるため、それに応じて電子が原子核にひきつけられるためである。これに伴ってイオン化エネルギーは大きくなり、ガスで最大となる<ref name="Take83" />。原子半径が小さくなると全体を捉える力が強まり、電子を引き剥がすために必要なエネルギーが大きくなる。電気陰性度も同じく核による電子の牽引力が増すため大きくなる。電子親和力の周期内による変化傾向はわずかである。周期表左側にある金属元素は一般に、ガスを除いて右側の非金属元素よりも電子親和力は低い<ref name="Take83" />。
{{clear}}
 
元素は他の集合でも分類され、周期表の縦横またはブロックでも示しにくい場合がある。[[金属]]・[[半金属]]元素と[[非金属]]元素の区分は暗示的にしか表現されない階段状の斜め線で区別されている。その線の右側が非金属元素、左側が金属元素であり、間に半金属が挟まれている。金属が持つ典型的特徴である電子を放出しやすい性質は、周期表の左下で強くなる<ref>[[#大川2002|大川(2002)、pp.52-55、1.9 イオン]]</ref>。
 
また、単体が常温常圧下で取る[[物質の状態]]([[固体]]・[[液体]]・[[気体]])もブロックでは表しにくい。全体の傾向は水素と右上のヘリウム付近(窒素から右、塩素から右およびガス)が気体であり、例外的に液体の相となる[[臭素]]と[[水銀]]を除いた元素は固体である。このような分類は、マスや文字色などそれぞれの周期表で工夫をこらした表現で示される場合もある<ref name="New30" />。
 
== 歴史 ==
 
[[File:Mendelejevs periodiska system 1871.png|right|thumb|300px|メンデレーエフの第二周期表。[[1871年]]。表の上部には水素化物と酸化物があるように、彼は化合物を重視してこの表を作成した<ref name="Saito35" />]]
当初はこの彼の表の価値を認める学者はほとんどいなかった<ref name="New28" />。しかし、マイヤーはこれに注目し、原子容の考え方を加えた論文を発表した。彼は原子量順の原子容を調べたところ、リチウム・ナトリウム・カリウムと並ぶアルカリ金属族に該当する元素は原子容が前後と飛びぬけて高いことを示した<ref name="Saito35">[[#斉藤1982|斉藤(1982)、2章 元素の種類と周期律、pp.35-39、2.1.4.メンデレーエフとマイヤー]]</ref>。メンデレーエフはマイヤーの論文も参照し、改良を加えた周期表(第二周期表)を作成した。これにはローマ数字IからVIIIで縦の分類が施され、うちI–VIIが基本的に1–2族および13–17族に対応し、VIIIには遷移元素群を入れ、またガスは反映されていなかった。それぞれには2種類の亜族を設け、表の左右に振り分けて区分した<ref name="Saito35" />。
{{clear}}
 
(元素の周期律の起源や族、ランタノイドの振る舞いが生じる理由などが理論的に解明されるには,後の原子の内部構造の発見および量子力学の登場を待たなければならなかった。)
 
=== ガスを反映 ===
メンデレーエフは化合物のでき方、すなわち原子価を重視して周期表を作成した。ここに、[[1894年]]に[[ジョン・ウィリアム・ストラット (第3代レイリー男爵)|ジョン・ウィリアム・ストラット]](レイリー卿)と[[ウィリアム・ラムゼー]]が発見した新元素[[アルゴン]]が立ちはだかった。「怠け者」を意味する化合物を作らないアルゴンをどのように周期表の中に組み込むべきかが悩まれた。しかし[[1898年]]までに同様な性質を持つヘリウム・ネオン・クリプトン・キセノンが相次いで発見され、これらも周期表の族の一種だと考えられるようになった<ref>[[#斉藤1982|斉藤(1982)、2章 元素の種類と周期律、pp.47-51、2.2.3.アルゴンとガス]]</ref>。
 
これら元素は[[ガス]]と呼ばれたが、原子価を示すとゼロとなる。原子量で考えるとアルゴンはカリウムとカルシウムの間に入るべきだが、原子価で見るとイオウ−塩素−カリウム−カルシウムが2−1−1−2となる点を重視して塩素とカリウムの間に入れると2−1−0−1−2となったため、ガスは周期表の右端に置かれるようになった<ref name="Asi175" />。
 
=== 原子モデル構築 ===
現在一般的な周期表では、水素は最も左上の場所にある。しかしこれは適切ではないのではという意見が過去IUPACの雑誌にて提唱された。現状では水素は、最外殻に一つの電子を持つ1族の位置にあるが、[[リチウム]]以下でこの属はアルカリ金属を指しており、金属ではない水素がここにある矛盾が指摘された。また、電子殻(この場合亜殻の1p軌道)が満たされる状態からひとつ電子が少ないと捉えると、[[フッ素]]以下の17族([[ハロゲン]])の仲間と考えることも可能であり、実際に水素はアルカリ金属的な性質とハロゲン的な性質を併せ持つ。IUPACは水素の位置を左上端に置くとする見解を示しているが、[[アメリカ化学会]]などはこれらを考慮し、水素を第1周期の中央部分に置いた周期表を掲載した書籍を発行している<ref name="New42">[[#ニュートン別2010|ニュートン別冊(2010)、pp.42-43、水素の位置で新提案!周期表の並び方が変わる?]]</ref>。また、周期表によっては、17族のフッ素の上に水素のための別枠を設け、ヘリウムの左隣に併記する方法をとった物も存在する<ref>「まんが アトム博士の科学探検」(東洋出版)60ページ・187ページ</ref>。
 
また、ヘリウムも最外殻の電子数が2つであることを重視して2族の[[ベリリウム]]の上に置くべきという主張もある。しかしヘリウムはガスの性質を持つため、右端に置く現状が最適という考えが一般的である<ref name="New42" />。
 
=== 立体周期表 ===