「カノープス」の版間の差分

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| 赤道直径 =
| 直径 =
| 半径 =6571 {{±|4}} [[太陽半径|''R''<sub>☉</sub>]]{{R|Cru13}}
| 表面積 =
| 体積 =
| 質量 =9 8.0~100 {{±|0.63}} [[太陽質量|''M''<sub>☉</sub>]]{{R|Cru13}}
| 自転速度 = 8.0 km/s
| スペクトル分類 = A9II{{R|simbad}}, F0II{{R|Dom08}}{{R|Cru13}}, F0Ib{{R|Dom08}}
| 光度 = 10,700 {{±|1,000}} [[太陽光度|L{{sub|&odot;}}]]{{R|Cru13}}<ref group="注">出典中の値は常用対数表示で4.03±0.04。</ref>
| 光度 =
| 表面有効温度 =7500 7,557 {{±|35}} [[ケルビン|K]]{{R|Kov07}}
| 最小表面温度 =
| 平均表面温度 =
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'''カノープス'''{{R|nao_ac|tenmon2014}}(Canopus)は、'''りゅうこつ座&alpha;星'''、[[りゅうこつ座]]で最も明るい[[恒星]]で全天21の1等星の1つ。[[太陽]]を除くと[[シリウス]]に次いで全天で2番目に明るい恒星である。
 
== 特徴観測と利用 ==
[[地球]]からの距離は約310[[光年]]である。かつては200光年から1200光年まで距離の推定値に大きな幅があったが、[[ヒッパルコス衛星]]による高精度の年周視差測定から上記の値が得られた。
 
[[ファイル:Canopus seen from Tokyo.jpg|thumb|left|250px|東京から見たカノープス(2009年12月)]]
[[赤緯]]マイナス52度42分に位置するため、南半球では容易に観測できるが、北半球では原理的には北緯37度18分(=90度-52度42分)度以北では南中時でも地平線の下に隠れて見ることができない。ただし、大気を通るときの屈折があるため、北限はわずかに北上する{{R|astroarts2017}}。日本では[[東北地方]]南部より南の地域でしか見ることはできない。角度では可能とされる地域であっても、北緯36度の[[東京]]の地表では南の[[地平線]]近く2度程度、北緯35度の[[京都]]でも3度程度の高さにしか上らず、地上からの[[光害]]や、[[大気]]を通る距離も長いため全天でシリウスに次いで明るいとは思えないほどに[[減光]]して赤くなり、見つけることはより困難となる。本州より南に位置する[[九州|九州地方]]では[[本州]]よりは高い位置に観測でき、九州南部の[[鹿児島県]][[鹿児島市|鹿児島]]では6度程度、[[南西諸島]]の[[沖縄県]][[那覇市|那覇]]では10度程度の高さまでのぼる。さらに南緯37度18分以南、たとえば[[オーストラリア]]の[[メルボルン]]などでは、一年中地平線下に沈むことのない[[周極星]]になる。
 
[[宇宙探査機]]は通信用アンテナを地球に向け続けるために2つの恒星を使った[[三角測量]]姿勢の把握が必要となるが、地球に近く非常に明るい恒星として太陽とカノープスが使われている。
 
== 天体としての性質 ==
カノープスは太陽のおよそ8倍の質量を持つ恒星で{{R|Cru13}}、[[輝巨星]]または[[超巨星]]に分類され{{R|Dom08}}、光度は太陽の1万倍かそれ以上に達する{{R|Dom08}}{{R|Cru13}}。[[干渉法]]では半径は太陽のおよそ70倍と測定されている{{R|Dom08}}{{R|Cru13}}。[[地球]]からの距離は約310[[光年]]である。かつては200光年から1200光年まで距離の推定値に大きな幅があったが、[[ヒッパルコス衛星]]による高精度の年周視差測定から上記の値が得られた。[[スペクトル分類|スペクトル型]]はA9II{{R|simbad}}、F0II{{R|Dom08}}{{R|Cru13}}、F0Ib{{R|Dom08}}などが与えられている。
 
カノープスは恒星が寿命末期に辿る[[恒星進化論|進化段階]]のうち{{仮リンク|ブルーループ|en|Blue loop}}と呼ばれる段階にある{{R|Dom08}}。ブルーループは[[赤色巨星分枝]]段階を終えた恒星が[[漸近巨星分枝]]に入って再び(広義の)[[赤色巨星]]に変化するまでの間に一時的に[[有効温度]]が高くなる段階で、太陽質量の数倍以上の質量を持つ恒星でしか見られない現象である。
 
== 名称 ==
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| work=SIMBAD Astronomical Database
| url=http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/sim-id?Ident=name+canopus
| accessdate=20132021-0103-1502}}</ref>
<ref name="yale">{{Cite journal
|last1=Hoffleit |first1=D. |last2=Warren |first2=W. H., Jr.
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|title=天文年鑑2016年版
|publisher=[[誠文堂新光社]]|page=295|date=2015-11-26|isbn=978-4-416-11545-9}}</ref>
 
<ref name="Dom08">{{cite journal | authors=Dominiciano de Souza, A. et al. |date=2008 |title=Diameter and photospheric structures of Canopus from AMBER/VLTI interferometry | journal=A&A |volume=489 |pages=L5 |bibcode=2008A&A...489L...5D}}</ref>
 
<ref name="Cru13">{{cite journal | authors=Cruzalebes, P. et al. |date=2013 |title=Fundamental parameters of 16 late-type stars derived from their angular diameter measured with VLTI/AMBER | journal=MNRAS |volume=434 |pages=437 |bibcode=2013MNRAS.434..437C}}</ref>
 
<ref name="Kov07">{{cite journal | author=Kovtyukh, V. V. |date=2007-05-26 |title=High-precision effective temperatures of 161 FGK supergiants from line-depth ratios | journal=MNRAS |volume=378 |pages=617 |bibcode= |doi=10.1111/j.1365-2966.2007.11804.x}}</ref>
}}