「光電子分光」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
m編集の要約なし
7行目:
現在、最先端の研究で用いられている光電子分光装置のアナライザーのほとんどは VG Scienta 社のScientaシリーズである。エネルギー、角度分解能に優れるため市場をほぼ独占している。他に旧 Gammadata Scienta 社(現 VG Scienta 社)から独立した MB Scientific社の装置や、[[奈良先端科学技術大学院大学]]の大門寛が開発した2次元光電子分光器 (DIANA) などがある。光電子を放出するための励起光には、主にヘリウムランプ(主に21.2 eV)と [[SPring-8]] などのエネルギー可変の[[シンクロトロン]]放射光が使われ、また真空紫外レーザーを用いるものも開発されている。
 
通常、光電子分光の実験は、放出した電子試料表面検出器に入る前に散乱汚染されないように、超高真空下(10<sup>&minus;8</sup>Pa程度)の環境で行われる。また光電子分光は表面敏感なので、測定する試料は十分に表面出しをする必要がある。[[銅]]などの金属単体ではイオンスパッタやエレクトリックボンバードメント、[[グラファイト]]や[[遷移金属]]ジカルコゲナイド等の層状物質では超高真空中でへき開などを行い表面出しをする。これらの表面の状態は事前に[[低速電子回折]] (LEED) や[[反射高速電子線回折]] (RHEED) などで状態を確認する必要がある。
 
[[カイ・シーグバーン]] (Kai M. Siegbahn) は高分解能光電子分光法の開発で[[1981年]]の[[ノーベル物理学賞]]を受賞している。