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ジンメルは、こうした限界の彼方にあるものを「予備」と名づけている。これは肯定的意味と否定的意味がない交ぜになったものである。一方で人は何かを犠牲にすることはないものの、他方では友情のためにと献身的に尽くしもする。また、日常的な付き合いの中でもこの限界は踏み越えられないとしたら、友情は別のものへと拡大し、深められるという可能性が出てくる。
 
ジンメルは、友情の特別の例を[[結婚]]に見ている。これは、結婚がその性格を変えてきたということと関連している。モンテーニュにあっては、結婚はひとつの取引であったが、近代においては結婚はむしろ愛情によって特徴付けられている。ゆえに結婚がひとつの愛情関係であるとすれば、そこには友情的な要素が働いている。ジンメルは、結婚を直ちに配偶者への[[自己開示]]という風には理解しないように警告している。彼は結婚の価値を、友情が一歩ずつ自発的に深まっていくその過程の中に見ようとする。価値があるのは、人がまだ配偶者には伝えたくない、伝えられないと思っているようなこと、2つに分け隔てられていることである。加えて、人が多くの事柄について詳細を承知していないこと、それを自分からは話せないでいること、話すつもりがないこともあるだろう。この自己への関係の中での「盲点」、これが完全な自己開示にさらされることのない、結婚の潜在的な幻滅なのではないだろうかと彼は言う。
 
==「コミュニケーション」「うまくできること」と仲間意識==