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{{Infobox Musician <!-- Wikipedia:ウィキプロジェクト 音楽家を参照 -->
| Name 名前 = 湯浅 譲二
| Img 画像 = Joji Yuasa cropped Joji Yuasa 201411.jpg
| Img_capt 画像説明 = 文化功労者顕彰に際して<br />公表された肖像写真
| Img_size 画像サイズ = <!-- サイズが250ピクセルに満たない場合のみ記入 -->
| Landscape 画像補正 = <!-- 画像の横幅が広く、高さが小さい場合に“yes”を記入 -->
| Background 背景色 = classic
|出生名 = <!-- 出生時の名前が公表されている場合にのみ記入 -->
| Born = {{生年月日|1929|8|12}}
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| Birth_name = <!-- 個人のみ --><!-- 出生時の名前が公表されている場合にのみ記入 -->
|出生 = {{生年月日と年齢|1929|8|12}}
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|出身地 = {{JPN}}[[福島県]][[郡山市]]
| Blood = <!-- 個人のみ -->
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| School_background = [[慶應義塾大学医学部]]
|学歴 = [[慶應義塾大学大学院医学研究科・医学部|慶應義塾大学医学部]]
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{{Portal クラシック音楽}}
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== 経歴と作品概論 ==
[[1929年]]、[[福島県]][[郡山市]]にて[[開業医]]、寿泉堂病院(現在の[[寿泉堂綜合病院]])二代目院長湯浅大太郎の次男として生まれる。芸術愛好家だった父の影響で幼時より音楽に親しむ。郡山市金透尋常小学校の3年生頃からブラスバンドに入り、トランペットを担当した。[[福島県立安積高等学校|旧制福島県立安積中学校]]を卒業したのち上京し、[[慶應義塾大学大学院医学研究科・医学部|慶應義塾大学医学部]]に進む。当時は外科医志望であり作曲は趣味として行うつもりだったが東京で日本の現代音楽の状況を知るうちに「このぐらいなら自分でもできる」と思うようになり[[1951年]]、「10年間は面倒みてやるから」との父親の合意のもとに医学部教養課程を中退して作曲の道に進む。詩人・[[瀧口修造]]の下で組織された芸術家グループ・[[実験工房]]に入会。[[武満徹]]らと共に活動し[[電子音楽]]や自作を含む現代音楽の演奏会の製作にかかわった。一方で古典的な作曲理論を身につけておく必要も痛感し、大学教養課程での音楽の担当であった評論家・[[村田武雄 (音楽評論家)|村田武雄]]の紹介で[[中田一次]]に短期間師事している。
 
アメリカの[[カリフォルニア大学サンディエゴ校]]で[[ブライアン・ファーニホゥ]]、[[ロジャー・レイノルズ]]らと共に作曲の教職に就いていた。
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[[UPIC]]システムを用いて制作された音楽作品は宣伝の割には意外なほどにUPIC単体の為に制作されたものに傑作が少ないが、そのような不毛の中で「UPICによる始原への眼差し第一番」はその数少ない中の傑作であるばかりか湯浅音楽の最高峰に位置付けられている。
 
[[カリフォルニア大学サンディエゴ校]]教授、[[日本大学芸術学部・大学院芸術学研究科|日本大学藝術学部]]客員教授、[[東京音楽大学]]客員教授、[[桐朋学園大学]]特任教授などを経て、現在、カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授、[[国際現代音楽協会]](ISCM) (ISCM) 名誉会員。慶應義塾大学アート・センター訪問所員、郡山市名誉市民。
 
受賞歴は、ベルリン映画祭審査特別賞(1961)、1966年および67年のイタリア賞、サン・マルコ金獅子賞(1967)、尾高賞(1972、88、97、2003)、日本芸術祭大賞(1973、83)、飛騨古川音楽大賞(1995)、京都音楽賞大賞(1995)、サントリー音楽賞(1996)、芸術選奨文部大臣賞(1997)、紫綬褒章(1997)、恩賜賞(1999)、日本芸術院賞(1999)、日本アカデミー賞優秀音楽賞(2000)、旭日小綬章(2007)、文化功労賞(2014)など数多い。
 
受賞歴は、ベルリン映画祭審査特別賞 (1961)、1966年および67年のイタリア賞、サン・マルコ金獅子賞 (1967)、尾高賞 (1972, 88, 97, 2003)、日本芸術祭大賞 (1973, 83)、飛騨古川音楽大賞 (1995)、京都音楽賞大賞 (1995)、サントリー音楽賞 (1996)、芸術選奨文部大臣賞 (1997)、紫綬褒章 (1997)、恩賜賞 (1999)、日本芸術院賞 (1999)、日本アカデミー賞優秀音楽賞 (2000)、旭日小綬章 (2007)、文化功労賞 (2014) など数多い。
 
作曲の弟子には、藤枝守、田中聰、伊藤弘之、久田典子、伊左治直、植田彰、松本直祐樹、今井智景、中橋愛生、川上統、ジュリアン・ユーらがいる。
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== 主な作品 ==
題名に多用される「プロジェクション」という言葉は、[[ジャン=ポール・サルトル|サルトル]]の言葉「投企(プロジェprojet)」に基づくものである。
 
=== 管弦楽曲 ===
* [[箏]] とオーケストラのためのプロジェクション「花鳥風月」(1967)(1967)
* クロノプラスティク I(1972)I (1972)
* オーケストラの時の時(1976) (1976)
*オーケストラのためのレクイエム(1980) (1980)
* 組曲《芭蕉による情景》(1980(1980-89)89)
*オーケストラのための透視図法  (1983)
*シベリウス讃 ─ミッドナイト・サン─(1991)─ (1991)
*始源への眼差 II(1992)II (1992)
*レスポンソリウム~「和解のレクイエム」より(1995) (1995)
* 交響組曲《奥の細道》(1995)(1995)
* クロノプラスティクII<ref>[[サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ]] No.23 委嘱作品</ref> (1999)(1999)
* クロノプラスティク III(2001)III (2001)
* 内触覚的宇宙 V(2002)V (2002)
* 始原への眼差しIII
*室内オーケストラのためのプロジェクション  (2008)
* 秋風の芭蕉(2009) (2009)
*オーケストラのための軌跡(2017 (2017-)
 
=== 協奏曲 ===
* ヴィオラとオーケストラのための「啓かれた時」(1986)
 
* ピアノ・コンチェルティーノ (1994)
* ヴィオラとオーケストラのための「啓かれた時」(1986)
* ヴァイオリン協奏曲《イン・メモリー・オブ武満徹》(1996)
 
* ピアノ・コンチェルティーノ(1994)
* ヴァイオリン協奏曲《イン・メモリー・オブ武満徹》(1996)
 
=== 室内楽 ===
* 7人の奏者のためのプロジェクション
* 相即相入 (1963)
 
* 弦楽四重奏のためのプロジェクション (1970)
* 相即相入(1963)
* クラリネット・ソリテュード (1980)
 
* 冬の日・芭蕉讃 (1981)
* 弦楽四重奏のためのプロジェクション(1970)
* 天気予報所見 (1983)
 
* クラリネット・ソリテュード(1980)
 
* 冬の日・芭蕉讃(1981)
 
* 天気予報所見(1983)
* インター・ポジ・プレイ・ション I
* 相即相入 第2番
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* 弦楽四重奏のためのプロジェクション II
* 内触覚的宇宙IV
*芭蕉の句による4つの心象風景(vn (vn,pf)pf)
 
=== 独奏曲(ピアノを除く) ===
* 電子ギターのためのプロジェクション (1968)
 
* 私ではなく風が… Not I, but the Wind... (1976) アルト・サクソフォン(増幅)のための
* 電子ギターのためのプロジェクション(1968)
* My Blue Sky, No.3 (1977) ヴァイオリン・ソロのための
* 私ではなく風が… Not I, but the Wind... (1976)アルト・サクソフォン(増幅)のための
* Myドメイン Blue Sky, No.3 (19771978)ヴァイオリン フルート・ソロのための
* クラリネット・ソリテュード (1980)
* ドメイン(1978)フルート・ソロのための
* 舞働II (1987) アルト・フルート(または能管)のための
* クラリネット・ソリテュード(1980)
* 舞働II原風景 (19871988)アルト・フルート(または能管)のための
* タームズ・オヴ・テンポラル・ディーテイリング (1989) バス・フルートのための
* 原風景(1988)笙のための
* テナー・リコーダーのためのプロジェクション (1989)
* タームズ・オヴ・テンポラル・ディーテイリング(1989)バス・フルートのための
* 虚空:始源に向かって (1993) アコーディオンのための
* テナー・リコーダーのためのプロジェクション(1989)
* ヴィオラ・ローカス (1995) ヴィオラ
* 虚空:始源に向かって(1993)アコーディオンのための
* 礼楽 Reigaku (1997) アルト・フルートのための
* ヴィオラ・ローカス(1995)ヴィオラ
* 礼楽 Reigaku ハープのある時空 (19971999)アルト・フル ハープとテのための
* イン・ア・レ・コン・パー・エックス (2003) トロンボーン
* ハープのある時空(1999)ハープとテープのための
* マリンバのための音楽 (2006)
* イン・ア・レ・コン・パー・エックス(2003)トロンボーン
* ぶらぶらテューバ (2006)
* マリンバのための音楽(2006)
* ローカス・オン・コロンビズ・チャコーナ (2010) チェロ
* ぶらぶらテューバ(2006)
* ギター組曲「藍より青く」(2011)
* ローカス・オン・コロンビズ・チャコーナ(2010)チェロ
* ホルン・ローカス (2014) ホルン
* ギター組曲「藍より青く」(2011)
* ホルンヴァイブ・ローカス(2014)ホル (2015) ヴィブラフォ
* ヴァイブ・ローカス(2015)ヴィブラフォン
 
ほか
 
=== ピアノ曲 ===
* 2つのパストラール(1952) (1952)
* 内触覚的宇宙 (1957)
 
* オン・ザ・キーボード (1972)
* 内触覚的宇宙(1957)
* オン・ザ・キーボード(1972)
* サブリミナル・ヘイ・J([[ビートルズ]] の「ヘイ・ジュード」と、自分の名前・Jojiを掛け合わせたもの)
* 内触覚的宇宙II・トランスフィギュレーション(1986) (1986)
 
ほか
 
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* 葵の上(1961/注:[[黛敏郎]]の同名のテープ音楽作品とは別)
* プロジェクション・エセムプラスティク
* ホワイトノイズによるイコン(1967) (1967)
* スペース・プロジェクションのための音楽 (1970年大阪万博のせんい館のための音楽で、テープ音楽、15分15秒、<DENON C0C0-78450>)
* ヴォイセス・カミング(電話の[[交換局]]、[[フィラー]] 言語、政治演説から作られた会話の音声に基づくテープ音楽)(1969)
)(1969)
*マイ・ブルースカイ第1番(1975)
*マイ・ブルースカイ第1番 (1975)
* 「夜半日頭」に向かいて-世阿弥頌-(1984)
* 「夜半日頭」に向かいて-世阿弥頌- (1984)
* 白の研究
*コンピューターと室内アンサンブルのための「[[世阿弥]]・九位」(1988)(1988)
* [[UPIC]] のための「始原への眼差し 第一番」(1991)(1991)
ほか
 
=== バレエ、舞踊のための音楽 ===
 
* サーカス・ヴァリエーション(1954/2台ピアノ)
* 花妖(1955/オーケストラ)
* カルメン(1956/ジャズオーケストラによる)
* 闘鶏(1957 (1957/2cl,pf,perc)perc)
* 3つの世界(1959/オーケストラ)
* 愛-銀の家(1960/ピアノ)
* お椀(1963/ミュージック・コンクレート)
* 白光(1963) (1963)
 
=== 合唱曲 ===
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* [[福島県立福島南高等学校]]
* [[千葉県立袖ヶ浦高等学校]]
* 東京都品川区立三木小学校
* [[埼玉県立朝霞高等学校]]
 
埼玉県立朝霞高等学校
 
=== 童謡 ===
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*: 妖精のようなキャラクター、ピコットさんをモチーフにした童謡。[[香山美子 (作家)|香山美子]]作詞。
* インディアンがとおる
*:[[山中恒]]作詞。(題名および歌詞の民族的表現が現代の基準と異なっているため、演奏されなくなった)
 
=== 映画音楽、テレビなどの音楽 ===
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==== テレビ ====
* [[写楽はどこへ行った]] ([[日本放送協会|NHK]])
* [[木枯し紋次郎]]([[フジテレビジョン|フジテレビ]] / [[C.A.L]])
* [[連続テレビ小説]]「[[藍より青く]]」(NHK)
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*FTVニューステーマ
* FCTソング([[福島中央テレビ]])
*: 作詞:内海久二、歌:井口典子。[[1970年]]の[[福島中央テレビ]](FCT) (FCT) 開局記念に作られたイメージソングの作曲。
 
==== ラジオ ====
* 『十円玉』(NHK)(NHK)
*ラジオ劇場『鳩』(NHK)(NHK)
*『楢山節考』(TBS/1957・武智鉄二演出)
*『ラジオのための2SF』(TBS/1960・谷川俊太郎作)
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ほか
 
''';CM'''
 
* キューピーマヨネーズ「回る野菜/セロリ」篇「回る野菜/アスパラ」篇
* ポーラエクセル
280 ⟶ 265行目:
*[[2003年]]:尾高賞(「内触覚的宇宙 第5番 - オーケストラのための」)
*[[2007年]]:[[旭日小綬章]]
*[[2014年]]:[[文化功労者]]<ref>{{citeCite web |url=http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/11/attach/1353168.htm |title=平成26年度 文化功労者 |publisher=文部科学省 |accessdate=2017-7-19}}</ref>
 
== 脚注 ==