「家産官僚制」の版間の差分

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'''家産官僚制'''(かさんかんりょうせい・[[英語、{{Lang-en-short|英]]: patrimonial bureaucracy}}, /[[ドイツ語{{Lang-de-short|独]]: Patrimonialbürokratie)とPatrimonialbürokratie}})は、[[マックス・ウェーバー]]が定義した[[官僚制]]の分類概念。[[家産制]]・[[家産国家]]において、支配者(主君)の下で展開された[[官僚制]]のこと。対立概念に[[依法官僚制]](legal bureaucracy)がある。
 
伝統的支配の典型である家産制において支配者がその家産全てを管理することは困難であり、その下で管理を担当する幹部の存在を前提としていた。その経営幹部が近代国家における官僚に相当するが、支配者(国家)とは契約関係に基づきその合法的支配を支える近代官僚制度とは、その意味合いは大きく異なる。
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*家産制における官僚の地位はしばしば取引の対象にされた。支配者は個人的な利益や財政上の都合からしばしば官職を商品として売り出し、高値で購入した者をその地位に就けた([[売官]])。一方、官僚側も官職を収入を得るための手段として私物のように扱い、自己の子孫に継承させたり([[世襲]])、必要によってはこれを担保や売却に付した。これによって、官僚の地位が世襲財産としての色合いを強め、それに伴って官僚が支配者に対して独立性も強めていった。一方、支配者側は売官によって当該官僚に対する恣意的な解任が困難となり、どうしても解任を行おうとする場合には官職自体を買い戻すか、当該官僚を罪に陥れて強引に官職を剥奪するなどの手法しかなくなった。
 
こうした家産官僚制は[[古代エジプト]]、中国、絶対主義期のヨーロッパなどに見られ、日本においても[[平安時代]]後期より展開された[[官司請負制]]のもとで官職の家産階層化が進み、[[荘園]]における[[職の体系]]が確立された。ただし、日本の場合には職の体系が重層的(1つの荘園の支配者が複数名おり、そこに上下関係が存在する)に展開されており、ヨーロッパのような[[封建制|封建的]]主従制は成立せず、独自の封建制を確立させることになった。
 
== 参考文献 ==
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{{デフォルトソート:かさんかんりようせい}}
[[Category:マックス・ヴェーバーとその著作]]
[[Category:国家史]]
[[Category:官僚制]]
[[Category:社会学用語]]