「スズカボタン」の版間の差分

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== 特徴 ==
[[根出葉]]は小さく、数対の葉でロゼットを形成し、開花時期にも残存し、花後に枯れる。無柄か短い[[葉柄]]があり、葉身は円形または倒卵状楕円形で、長さ10-32mm、幅10-30mmになる。花後、いくつかの花茎と匐枝は、根出葉の腋から、そしてしばしば茎葉の腋から成長する。匐枝は横に伸長し、先端に2-3対の大きな葉でロゼットを形成する。ロゼット葉は円形または扇状円形で、短い葉柄があるか無柄で、表面は緑色で葉脈に沿って白斑があり、裏面は緑白色、縁には4-7対の内曲する鈍鋸歯があり、花後に長さ10-16mm、幅10-17mmになる。[[花茎]]は花時に高さ3-9cm、果期には高さ6-15cmになり、2個または数個の茎葉を対生するが、しばしば下部の茎葉は花後には枯れている。茎葉には長い葉柄があり、葉身は卵形から楕円形、基部はくさび形で、長さ4-18mm、幅4-12mm、縁に4-7対の内曲する鈍鋸歯がある。苞葉は[[花序]]を取り囲み、卵形から楕円形で、縁に鋸歯があり、鮮黄色または緑黄色になる<ref name="APG69" /><ref name="JPT66" />。
 
花期は3月下旬から4月上旬。[[花]]の直径は1.8-2.5mm。[[萼]]裂片は4個で、卵形または三角形で、花時に直立または斜開し、先は鈍形、長さ1.2-1.3mm、茶色がかった灰色または灰色で微細な紫色の斑点がある。[[雄蕊]]は4個あり、長さ1.7-2.6mmで、萼片に対生し、萼片を突き出る。花糸は開花時の葯の1.8-2.8倍の長さになる。裂開直前の葯は暗赤色で、長さは0.6-0.8mm。[[雌蕊|子房]]は下位から半下位で、花柱は2個あり、細く、萼片を突き出る。[[果実]]は蒴果で2個の心皮はわずかに大きさが異なり、長く突き出て斜上する。[[種子]]は楕円体で長さ0.6-0.8mm、約12個の隆条に小突起が並び、突起は半球形または円柱形で長さ9-38µm。[[染色体数]]は2n=22<ref name="APG69" /><ref name="JPT66" />。
ファイル:Chrysosplenium suzukaense 3.JPG|萼裂片は卵形または三角形で、花時に直立または斜開し、先は鈍形、茶色がかった灰色で微細な紫色の斑点がある。雄蕊は4個で、萼片を突き出る。裂開直前の葯は暗赤色。
ファイル:Chrysosplenium suzukaense 4.JPG|根出葉はロゼットを形成し、開花時期にも残存する。
ファイル:Chrysosplenium suzukaense 5.JPG|沢本流からやや離れたやや湿った斜面に生育しいる。写真の左奥が石灰岩が露出した沢本流。
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日本産のネコノメソウ属のうち、[[ホクリクネコノメ]]、[[ボタンネコノメソウ]]、 [[ヒダボタン]]の3種は、ホクリクネコノメ群に分類され、主に日本海側地域に分布し、他のネコノメソウ属の種と比べると花や植物体が大きく、花後もロゼット状の根出葉が枯れずに残る。本種は、ホクリクネコノメ群に類似し、雄蕊が萼片を突き出るという点においては、ホクリクネコノメによく似る。しかし、雄蕊が常に4個である点においては、ホクリクネコノメ群とはあきらかに異なり、花や植物体も小さい。本種が分布する養老山地と鈴鹿山脈北部は、位置的には太平洋側に近いが、冬は雪が多く、日本海側に似た気候となる。ホクリクネコノメ群と本種の、花後もロゼット状の根出葉が枯れずに残るという特徴は、多雪地帯である[[日本海側気候]]の環境に適応した形質と考えられている<ref name="JPT66" />。
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ファイル:Chrysosplenium fauriei 6.JPG|ホクリクネコノメ<br />福島県[[会津地方]] 2020年4月上旬
ファイル:Chrysosplenium kiotoense 1.JPG|ボタンネコノメソウ<br />岐阜県[[美濃市]] 2018年4月中旬
ファイル:Chrysosplenium nagasei 1.JPG|ヒダボタン<br />岐阜県[[郡上市]] 2018年4月中旬
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