「強き蟻」の版間の差分

東銀座の「みの笠」で[[水商売]]をしていた伊佐子は、現在はS光学[[取締役]]の肩書きを持つ沢田信弘に嫁ぎ、[[渋谷区|渋谷]]の[[松濤]]で生活している。夫は30前後も年齢が離れているが、伊佐子の今後の人生計画からすれば、夫にあと3年くらいで死んでもらうのが理想的であった。身体の若さを保ちたい伊佐子は、20代の男たちと遊びの交際をしていたが、ある時、伊佐子の遊び相手の石井寛二が殺人容疑で捕まる。石井の仲間から弁護料を負担するよう求められた伊佐子は、食品会社副社長の塩月芳彦に援助を交渉する。塩月とは「みの笠」の時から続く関係だが、威光の利く保守党の実力者を叔父に持っていた。石井の件の始末をはかろうとする矢先、信弘が[[心筋梗塞]]を発症する。財産の確保のためには、最適な時期に最適な条件で夫に死んでもらうことが必要であり、伊佐子は状況を有利にするため奔走を続けるが……。

: 伊佐子の夫。[[工学博士]]号を持つ、S光学の技術的功労者。

: [[政治家]]など有力筋の人脈を持つ副社長。多芸で器用。

: 塩月が伊佐子に紹介した[[弁護士]]。兄は病院の院長。

: [[五反田]]の[[アパート]]に住む、[[証券会社]]の[[セールスマン]]。

: 沢田家に来た若い[[速記者]]。

: 石井の彼女。[[キャバクラ嬢]]。