「艦載ヘリコプター」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
23行目:
一方、捜索は艦の[[ソナー]]に任せて、ヘリコプターは攻撃に注力するならば小型の機体でも十分であり、これなら艦載機としても搭載可能であることが注目されるようになった。1956年12月、[[イギリス海軍]]では、[[15型フリゲート]]「グレンヴィル」の艦尾甲板に[[ヘリコプター甲板]]を仮設し、[[フェアリー ウルトラライト・ヘリコプター]]の運用試験に供された{{Sfn|Friedman|2012|pp=245-246}}。[[アメリカ海軍]]もこれに続き、1957年2月、[[フリゲート#大型駆逐艦|フリゲート]]「[[ミッチャー_(駆逐艦)|ミッチャー]]」の船尾甲板で有人の[[ベル47 (航空機)|HUL-1(ベル47)]]の発着演習が行われたのに続き、6隻の駆逐艦で同様の実験が行われ、小型航空機の艦載化についてのデータが蓄積された。1959年6月には、[[フレッチャー級駆逐艦]]「[[ヘイゼルウッド_(DD-531)|ヘイゼルウッド]]」の3・4番砲塔を撤去して、21.0×7.2メートルのヘリコプター甲板と、10.4×7.3×3.7メートル大の[[格納庫]]が設置された{{Sfn|Friedman|2004|pp=278-290}}。
 
これらの試みを経て、イギリス海軍は有人の[[ウェストランド ワスプ]]を用いた'''[[中距離魚雷投射ヘリコプター]](MATCH)'''として配備したのに対し{{Sfn|Friedman|2012|pp=245-246}}、アメリカ海軍は[[無人航空機|無人]]ヘリコプターを用いた[[QH-50 DASH]]を配備したが、後に有人機を用いた'''[[LAMPS|軽空中多目的システム]](LAMPS)'''に転換し、1971年より[[H-2_(航空機)#哨戒ヘリコプター|SH-2D]]を配備したが、こちらは攻撃単能機ではなく、[[ソノブイ]]の敷設など母艦を補完しての対潜捜索能力を備えてい{{Sfn|Friedman|2004|pp=278-290}}ほか、小型[[対艦ミサイル]]を搭載して対水上艦戦闘を行う能力も有している。フランス海軍も、1962年就役の「[[ラ・ガリソニエール (駆逐艦)|ラ・ガリソニエール]]」(T-56型)で護衛艦でのヘリコプター運用に着手し、当初は[[シュド・エスト SE.3130|アルエットII]]を搭載し、後に[[SA 316 (航空機)|アルエットIII]]に更新した{{Sfn|Gardiner|1996|pp=111-112}}。また[[イタリア海軍]]でも、同年就役の[[カルロ・ベルガミーニ級フリゲート (初代)|カルロ・ベルガミーニ級フリゲート]]では[[ベル_ヒューイ#AB-204|AB-204AS]]を搭載した{{Sfn|Gardiner|1996|p=209}}。
 
[[ソ連海軍]]も、1948年の[[航空ショー]]で展示されていた空軍の[[Ka-8 (航空機)|Ka-8]]の視察を通じてヘリコプターに興味を抱き、1950年12月には[[軽巡洋艦]]「[[マクシム・ゴーリキー (軽巡洋艦)|マクシム・ゴーリキー]]」に{{仮リンク|Ka-10 (航空機)|label=Ka-10|en|Kamov Ka-10}}が試験着艦を行なった。そして1958年より、[[クルップニイ型駆逐艦|カニン型駆逐艦]]の搭載機として[[Ka-15 (航空機)|Ka-15]]が運用を開始した。またその後、初の本格的な艦載ヘリコプターとして[[Ka-25 (航空機)|Ka-25]]が開発され、1961年に初飛行し、1962年より[[カシン型駆逐艦]]に搭載されて配備された{{Sfn|Polutov|2017|pp=108-109}}。