「ホテルニュージャパン火災」の版間の差分

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本件ホテルの代表取締役社長である[[横井英樹]]は、火災発生現場に[[蝶ネクタイ]]姿で登場し、報道陣に対して[[拡声器]]で「本日は早朝よりお集まりいただきありがとうございます」「9階10階のみで火災を止められたのは不幸中の幸いでした」などと、現場の状況を一切考慮しないような緊張感に欠ける不謹慎極まりない発言をしたことに加え、「悪いのは火元となった宿泊客」と責任を転嫁するかのようなコメントを発した。
 
また横井は、火災当時に人命救助よりもホテル内の高級家具の運び出しを指示したとされる。その一方で同ホテルに保管されていた[[藤山愛一郎]]による中国近現代史料コレクション「藤山現代中國文庫」が焼失している。なお火災発生当時、警備室で対応にあたっていた警備員は、ホテル内にある家具類の搬出場所を指示した横井からの電話応対に追われていたため、いち早く現場に駆けつけて救助活動を始めようとしていた東京消防庁第11[[特別救助隊]]隊長(当時)の高野甲子雄より「9階に行く非常階段を教えて欲しい」と言われても「今、社長と電話中だ」と言ってすぐに返事をしなかった。業を煮やした高野警備員の胸倉を掴みながら「客の命がかかっているんです。すぐに教えてください!」と一喝されてしたことで、警備員は初めて事の重大さと差し迫った危機を察知し、非常階段の場所を高野らに教えた。横井や従業員らの不謹慎かつ無礼な言動は国民から手厳しい非難を浴びた。同ホテルを事務所としていた[[戸川猪佐武]]もホテル火災で損害を受け、他の[[テナント]]と共に社長の横井に対する損害賠償訴訟を起こした。横井は後に高野に“口止め料”として[[賄賂]]を持ち掛け、「どれだけ多くの人が亡くなったか分かっているのか!それを持って出ていけ!」と激怒した高野に追い返されたことも明らかになっている。
 
なお、高野はこの時に外国人客(救助後に病院へ搬送されるも死亡が確認された)の救助作業中、[[フラッシュオーバー|フラッシュオーバー現象]]に遭って身体が炎に包まれ、喉元に[[熱傷|大やけど]](気道熱傷。しかし救出直後に水を飲んだことで大事には至らなかった)を負った<ref group="注">フラッシュオーバー現象発生時における炎の温度は約900度に達するため、消防隊員は防火服を着ていても安全ではない。やけどなどの大けがを負いやすく、時には生命の危険を伴う。また、建物内に取り残された一般人がフラッシュオーバー現象に遭って高温の炎を多量に浴びれば焼死に至る危険性が高まる。</ref>。当初は高野の部下である浅見昇が救助へ向かったが、部隊の中で最も俊敏な体力を有していた浅見は、煙が充満した10階フロアで館内捜索と救助をするための激しい活動をしていたため、酸素ボンベ内の酸素を大量に消費していた。男性客の救助活動中に酸素ボンベ内の酸素が残り少なくなった旨の警報が鳴ったため、同僚隊員より「すぐに外へ脱出しろ」と指示された。このため浅見は、やむを得ず要救助者の宿泊客を残してホテルの外部へ出て屋上へ戻り、酸素ボンベを交換後に救助活動の続行を自ら志願したが、その後の活動は隊長の高野が自ら引き継いでいる。なお、高野が火傷を負った際も高野自身は救助活動続行を志願したが、同行していた救急隊員に制止されて病院へ搬送されている。部下の隊員が最後まで救助活動を続行し、任務終了後に高野がいる病室へ防火服を着たまま赴き、無事に任務を完遂した旨を報告した。