「全日空羽田沖墜落事故」の版間の差分
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その結果全日本空輸のボーイング727は、営業的、広告的観点から、伊丹ー羽田を最短26分、札幌-羽田間を最短47分で結んでいた。なお今ではこのような飛行は危険であるため禁止とされている。
しかし、運輸省航空局航務課と全日本空輸側は、操縦ミスや高度の読み間違えなどのパイロットミスの可能性を否定し、残骸にさまざまな不審な点があり、機体に原因があるという方向性で「第一次草案」をまとめ、1968年(昭和43年)4月26日の会議に提出した{{sfn|柳田|1986|pp=243–248}}。運輸省航空局航務課調査官・楢林一夫補佐官は、第3エンジンの機体側取り付け部に切れたボルトによる打痕を発見したこと、第3エンジンが機体から離脱していたことから、エンジン取り付けボルトの疲労破壊説を報告していた。『第一次草案』で指摘されていた以下の諸点について、第3エンジンの計器だけが他の2つのエンジンと違って低い値を示していること、第3エンジンの消火レバーを引いたような痕跡があること、機長席側のスライド窓が機体から脱落していて、操作レバーが「OPEN(開)」の位置になっていこと{{sfn|藤田|2005}}、客室後部ドアのレバーおよび客席中央部右の救急脱出用ドアレバーが共に「OPEN(開)」の位置になっていること
そうした中、1968年(昭和43年)7月21日に日本航空の727-100型機(JA8318)で、本来は接地後にしか作動しないグランドスポイラーが飛行中に作動するトラブルが発生し、その原因が機体の欠陥にあることが判明した。これを受け、事故機でもグランド・スポイラーが飛行中に誤作動した可能性の調査が行われ、山名教授は模型による接水実験と残骸の分布状況から接水時の姿勢を推測し、迎え角が大きくなると主翼翼根部で空気の剥離が起きて失速状態となり、エンジンへの空気の流れが乱れて異常燃焼を起こすことを風洞実験によって確かめ、「機体の不具合、もしくは設計ミスのためにグランドスポイラーが立ったことで失速状態となり、機体の沈み込みから機首を引き起こした際に主翼から剥離した乱流でエンジンの異常燃焼が起き、高度を失って墜落したのではないか」というレポートを様々な実験データと共に調査団に報告した。しかし、この時点では第3エンジンの取りつけボルトの疲労破壊説は無視されていた。最終報告書案では、グランドスポイラー誤作動説は取り上げられずに終わった。
ただ、ボーイング727型機においては、操縦ミスが墜落の原因となったことは他にも多く起きていたものの、エンジンの脱落が原因の墜落事故は起きていない
最終報告書がまとめられるまでの間に提出された5件の草案の提出日は、次の通りである。
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