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'''ワニ'''([[wikt:鰐|鰐]]、鱷)は、爬虫綱'''ワニ目'''(ワニもく、[[学名]]:[[:en:Order (biology)|ordo]] '''{{sname|en|Crocodilia}}''') に属する、[[肉食動物|肉食性]]で水中生活に適応した[[爬虫類]]の[[総称]]。
 
[[中生代]][[三畳紀]]中期に[[中間捕食者]](メソプレデター)として出現して以来<ref>Early crocodylomorph increases top tier predator diversity during rise of dinosaurs
(Lindsay E Zanno:2015)</ref>、初期を除く全ての時代を通して、[[ニシキヘビ]]等の大蛇と並ぶ、[[淡水|淡水域]]の[[生態系]]の[[生態ピラミッド]]における最高次消費者の地位を占めてきた[[動物群]]である。
[[File:Crocodylidae Distribution.png|thumb|350px|クロコダイルの分布地域]]
 
== 食性・天敵・生態 ==
現生種は、おもに[[魚類]]・[[甲殻類]]・[[貝類]]といった水棲生物や、水場に現れた[[爬虫類]]・[[哺乳類]]などを[[捕食]]する(上述のように絶滅種まで含めると、非常に多様性に富んだ分類群で、この食性に当てはまらない種も相当数ある)。非常に高い咬合力(いわゆる“噛む力”)”)をもち、[[ココナッツ]]や[[ヘルメット]]は、おろか[[自動車]]のフレームや牛の大腿骨すら、いとも簡単に噛み砕いてしまうほど(2t)2t)。この強靭な顎で獲物を咥え、体ごと回転させるデスロールといわれるしとめ方がある。また[[胃]]の中の食物をすり潰して消化の助けとする他に水中で[[体重]]を調整する目的から「石を捕食する」[[習性]]があり、飲み込んだ石は[[胃石]]として[[砂嚢]]の中に蓄えられる。
 
大型の[[ナイルワニ]]や[[イリエワニ]]は[[頂点捕食者]]であり、成体となれば殆ど天敵はいないが、小型の[[オーストラリアワニ]]や[[メガネカイマン]]は他の大型肉食動物([[ジャガー]]や[[ニシキヘビ]])に襲われることがある<ref>「See a python swallow an Australian freshwater crocodile whole」https://www.australiangeographic.com.au/topics/wildlife/2020/07/see-a-python-swallow-an-australian-freshwater-crocodile-whole/</ref>。
 
== 身体能力 ==
水中では[[脚|四肢]]を体側に密着させて、体を大きく波打たせ、尾を左右に振り、すばやく泳ぐ。水面に浮かび、岸辺に近づく動物を待ち構えていることが多い。尾の力を利用して水面上に垂直に後ろ足を水面に出すまで飛び上がることもできる。陸上では鈍重なイメージがあるが、短距離ならばヒトを凌ぐ時速16km程度で走る事もできる。その走り方は[[ギャロップ]]で、これは現生だと[[哺乳類]]にしか見られないが、非常に効率的な走法である。これが可能なのは、ワニの脊椎が横方向だけでなく、縦方向にも非常に柔軟であることが関係しており、今は絶滅した陸棲[[主竜類]]([[エリスロスクス]]など)の運動能力を探る手がかりの一つである<ref>An experimental and morphometric test of the relationship between vertebral morphology and joint stiffness in Nile crocodiles (Crocodylus niloticus)(Julia L Molnar:2014)</ref>。
 
== 繁殖 ==
 
==== 日本語名以外 ====
[[英語]]名 '''[[wikt:alligator|alligator]]'''(アリゲーター)は{{lang-|es|"el [[wikt:lagarto|lagarto]] (de India)"}}(エル・ラガルト(・デ・インディア))「(インドの)とかげ」が訛ったもの。'''[[wikt:crocodile|crocodile]]'''(クロコダイル)は元来「[[ナイルワニ]]」を意味した{{lang-|grc|κροκοδιλος}}(krokodilos; ({{lang|el-latn|krokodilos}}、クロコディロス)から。{{lang|en|'''gavial'''}}(ガビアル)は{{lang|en|'''gharial'''}}(ガリアル)の誤植が定着したもので、成長したオス個体の吻端が瘤状に盛り上がる様子をに喩え、[[ヒンディー語]] ghariyāl({{lang|hi-latn|ghariyāl}}(ガリヤール)からの命名とされる。[[中国語]]では[[鼉]](繁体字:ダ)が一般的で、これは[[ヨウスコウアリゲーター]]を意味する。鰐で表記されるものは、古代中国南部に生息していた[[イリエワニ]]などを意味した。竜や蛟なども、特定の種を意味していたものと思われる。
 
=== 神話・伝承 ===
ワニの棲息する地方では、水泳中の人間が襲われることもあり、ワニは邪悪な動物、魔性の動物とされていることが多い。一方で、ワニを神聖視する例もまた多く見られ、世界中にワニの姿をした神がいる。古代[[エジプト]]では、ワニは豊穣や、[[ナイル川]]そのものを象徴し、[[テーベ]]ではワニの頭部を持つ[[セベク]]神の信仰が盛んであった。[[神殿]]ではワニが飼育され、神官が餌を与え、多数のワニの[[ミイラ]]が作られた。[[ローマ帝国]]の[[ハドリアヌス]]帝の広大な別荘である[[ヴィッラ・アドリアーナ (ティヴォリ)]]の池のほとりにはワニの像がある。[[インド]]にもワニを神聖な生き物として飼う[[寺院]]がある。[[日本]]の、船の守護神である海神の[[金毘羅権現]]も、[[サンスクリット|サンスクリット語]]でワニを意味する[[宮比羅|クンビーラ]]に由来するという。[[中国]]の伝説上の動物、<span lang="zh" xml:lang="zh">[[竜]]</span>のイメージの原型は、絶滅した[[マチカネワニ]]ではないかという説<ref>「龍」の字は甲骨文字の時代にはマチカネワニを指していたとの[[青木良輔]]の論文「大分県津房川層のワニ化石」(2001)で示された説。</ref>もある。また、[[パプアニューギニア]]、[[インドネシア]]、[[カメルーン]]など世界各地に、ワニを自分の[[氏族]]の[[トーテム]]([[祖霊]])として祀る人々がいる。[[ブラジル]]の[[アマゾン川]]流域では、ワニの[[陰茎|ペニス]]は幸運を呼び込むものとして祀られている。
 
[[西洋]]では、ワニは涙を流して獲物を油断させるという伝承があり、「{{仮リンク|ワニの涙|en|Crocodile tears}}」(英:{{lang|en|crocodile tears)tears}})は、偽りを意味した。涙を流しながら獲物を食うという伝承もあり偽善の例えともされ、男をだます女の空涙、顔面神経麻痺の後遺症で食事中に出る涙(ボーゴラッド症、ワニの涙症候群)などで使われる。
 
イギリスでもワニがいない。古典の『[[ベーオウルフ]]』では冷たい沼から出てきて人々を襲う {{lang|en|grendel}} という怪物を退治する話になっているのだが、想像で描かれている(日本の「獅子」がライオンと似ても似つかぬ怪獣になっているのと似ている)。シェイクスピアも困ったらしく、『アントニーとクレオパトラ』(2幕7場)で、ローマの三巨頭がガレー船の中で酒盛りをしていて、酔ったレピダスがアントニーに聞く。アントニーは「体形は、いわゆるワニ形で、それなりの幅があって、しかるべき厚みもある。いつも自分の器官を使って動く。適量の栄養になるエサを取り、やがてその力がつきると、巡りめぐって生死のサイクルに戻る」と説明する{{efn2|It is shaped, sir, like itself; and it is as broad as it hath breadth: it is just so high as it is,and moves with its own organs: it lives by that which nourisheth it; and the elements once out of it, it transmigrates.}}。
 
=== 利用 ===