「アグネスデジタル」の版間の差分

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この後、陣営は連覇が懸かるマイルチャンピオンシップを飛ばし、12月に香港で行われる[[香港国際競走]]のメインレース・[[香港カップ]]への出走を選択。当年の香港国際競走には4つのG1競走へ6頭の日本馬が参戦し、[[香港ヴァーズ]]を[[ステイゴールド]]が、[[香港マイル]]を[[エイシンプレストン]]が制した<ref name="yushun0202">『優駿』2002年2月号、pp.27-33</ref>。そして迎えた香港カップにおいてアグネスデジタルはG1競走2勝のトブーグ([[アラブ首長国連邦|UAE]])に次ぐ2番人気に支持される<ref name="yushun0202" />。アグネスデジタルは14頭立て12番枠からの発走であったが、[[シャティン競馬場]]の2000メートルコースはスタート直後に第1コーナーがあり、四位は内の馬の圧力を受けて外へ振られることを嫌い、発走後すぐにアグネスデジタルを先頭に立たせた<ref name="yushun0202" />。そしてコーナーをスムーズに回ると、道中はトブーグがスローペースで馬群を先導する後方で5番手を進んだ。第3コーナーからペースが上がるのに任せてアグネスデジタルは最終コーナーで再び先頭に立ち、最後の直線では追いすがるトブーグをアタマ差しのいで勝利した<ref name="yushun0202" />。
 
四位は「最初のコーナーをスムーズに回ったところで、これはいけそうだと思った。勝利を確信したのは、直線で先頭に立ったとき。内から(トブーグ騎乗の)[[ランフランコデットーリ|デットーリ]]が差し返してきたことも、外から1頭きてたのもわかったけど、負ける気はしなかった。思ったようなレースができてうれしかった」と感想を述べた<ref name="yushun0202" />。日本馬が勝利を重ねるたびに重圧で顔を強張らせていた白井は「そりゃもうプレッシャーがかかったでぇ」と破顔し、「本当に勝てて良かった。世界のホースマンが見ている前で。世界の基準になる2000メートルのレースを勝ったんだから、これは価値があるでしょう」と述べた<ref name="yushun0202" />。
 
当年これが最後の出走となったアグネスデジタルは、年度表彰[[JRA賞]]において[[JRA賞最優秀4歳以上牡馬|最優秀4歳以上牡馬]]に選出された<ref name="yushun02022">『優駿』2002年2月号、p.64</ref>。[[JRA賞|年度代表馬]]には[[東京優駿|東京優駿(日本ダービー)]]と[[ジャパンカップ]]を制した3歳馬[[ジャングルポケット]]が選出され、アグネスデジタルは24%の得票率で次点となっている<ref name="yushun02022" />。また、最優秀ダートホースには天皇賞除外によりダート路線を進みジャパンカップダートを制したクロフネが受賞したが、同馬は屈腱炎発症によりこの年限りで引退した<ref name="yushun02022" />。