「スーパーX (ゴジラシリーズ)」の版間の差分

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東宝特撮メカニック大全より加筆。
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=== 備考 ===
; 設定
: 当初は移動型[[核シェルター]]の機能を備えた通常兵器という設定で、兵装もロケット砲とカドミウム弾のみだったが、その後に演出上派手なレーザー砲が追加された。
: 劇場公開当時のパンフレットには(1984年当時の科学技術で)建造可能と書かれていた{{要ページ番号|date=2015-04-03}}。
: 当初は移動型[[核シェルター]]の機能を備えた通常兵器という設定で、兵装もロケット砲とカドミウム弾のみだったが、その後に演出上派手なレーザー砲が追加された。
: デザインを担当した井上泰幸は、ゴジラとは無関係に国家の要人を守るための要塞として造られたため、スピードを必要としなかったと想定している{{R|メカ大全321}}。
; デザイン・造形
: デザインのモデルは[[カブトガニ]]{{Sfn|ゴジラ・クロニクル|1998|p=322}}{{R|メカ大全180}}{{efn|井上は幼少期にカブトガニを採って遊んでいたといい、過去に井上が手掛けた[[ヘドラ]]でもカブトガニのイメージを取り入れている{{R|メカ大全321}}。}}。[[田中友幸]]から「釣鐘のイメージを入れてほしい」との要望があり、[[井上泰幸]]によってドーム状のフォルムにまとめられた{{R|メカ大全321}}。特技監督を務めた[[中野昭慶]]は「タコの足のような武器が欲しい」と要望したが、実現しなかった{{R|メカ大全321}}
: ラジコンで武装展開ができる[[繊維強化プラスチック|FRP]]製ミニチュアと、カポック製の操演用ミニチュアが作られた{{R|メカ大全180}}。
: 出撃シーンでは、天井から吊るしたカメラをスーパーXと平行にして撮影された{{R|東宝特撮映画大全集211}}。
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スーパーX2の成果は、後の対ゴジラ超兵器([[メカゴジラ#『ゴジラvsメカゴジラ』のメカゴジラ|メカゴジラ]]など)の開発の基礎として多大なる影響を与えた。
 
=== 漫画版 ===
[[平野俊貴|平野俊弘]]によるコミカライズ版では、デザインが映画とは大きく異なり、スーパーXに似た本体とその上部に位置する直方体形のブロックに分かれており、これが4つに展開することで十字状のファイヤーミラー形態に移行する。また、非展開時はミサイルランチャーを使用可能。劇中での活躍自体は映画と大差なく、大阪で放射熱線を浴びせられて撃墜される。
 
なお、装甲の超耐熱合金の名称は'''NM32'''に変更されている。
 
=== 小説版 ===
有馬治郎による小説版では、形が[[アンコウ]]に似ているとされ、「アングラー」という通称で登場する。ファイヤーミラーは装備しておらず、代わりに粒子ビームを主力としている。浦賀水道での戦いは映画と大差ないが、大阪ビジネスパークでの戦いでは、抗核エネルギーバクテリアをゴジラに撃ち込む作戦を単独で展開する。作戦は成功したものの、離脱時にゴジラに捕まり、装甲の薄い機体下部に放射熱線を浴びせられて撃破される。
 
=== 備考(スーパーX2) ===
『[[ゴジラアイランド]]』には名前のみ登場する。
 
; 脚本
: 検討用脚本第三稿では、浦賀水道での戦闘でゴジラが放射熱線を放たずに小田原沖まで移動したため、スーパーX2もそのまま追撃して芦ノ湖で対決するが、その後に現れたビオランテによって撃墜されるという展開であった{{R|東宝特撮映画大全集222}}。『vsビオランテ』のポスターはこの脚本を元にしており、ゴジラの足元の湖面に描かれているメカは、デザイン決定前のスーパーX2である<ref>{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|p=149|loc=「平成ゴジラバーニング・コラム」}}</ref>。
: 特技監督の[[川北紘一]]は、熱線一発で艦艇を破壊するゴジラの強さを先に見せることで、その熱線をファイヤーミラーで跳ね返すスーパーX2の戦闘力の高さを強調する演出としたと語っている{{R|メカ大全316}}。
: 再上陸したゴジラとの対決は、大阪ビジネスパークではなく[[鳴門海峡]]で行われる予定であった{{R|東宝特撮映画大全集222}}。
: 遠隔操作という設定は特撮スタッフ側によるもので、オペレーターのシーンは特撮班で描かれた初期コンテに基づいている{{R|メカ大全316}}。
:
; デザイン
: デザインはコンペ形式で選定が行われた{{R|メカ大全204}}。造型は[[横山宏]]によるものを基にしている{{R|メカ大全204}}。そのほか、[[河森正治]]らによるデザイン案が描かれている{{R|メカ大全204}}。選定理由について川北は、横山の案がスーパーXの後継機として最も安心できるものであったと述べている{{R|メカ大全316}}。
:
; 造形
: ミニチュアは、ロング用のものとアップ用の1/35スケールのものが造られた{{R|東宝特撮映画大全集223}}。ファイヤーミラーの展開は、展開ギミックを備えたものを差し替えている{{R|メカ大全204}}。
 
=== その他の作品での登場(スーパーX2) ===
『[[ゴジラアイランド]]』には名前のみ登場する。
===; 漫画版 ===
: [[平野俊貴|平野俊弘]]によるコミカライズ版では、デザインが映画とは大きく異なり、スーパーXに似た本体とその上部に位置する直方体形のブロックに分かれており、これが4つに展開することで十字状のファイヤーミラー形態に移行する。また、非展開時はミサイルランチャーを使用可能。劇中での活躍自体は映画と大差なく、大阪で放射熱線を浴びせられて撃墜される。
なお、: 装甲の超耐熱合金の名称は'''NM32'''に変更されている。
:
===; 小説版 ===
: 有馬治郎による小説版では、形が[[アンコウ]]に似ているとされ、「アングラー」という通称で登場する。ファイヤーミラーは装備しておらず、代わりに粒子ビームを主力としている。浦賀水道での戦いは映画と大差ないが、大阪ビジネスパークでの戦いでは、抗核エネルギーバクテリアをゴジラに撃ち込む作戦を単独で展開する。作戦は成功したものの、離脱時にゴジラに捕まり、装甲の薄い機体下部に放射熱線を浴びせられて撃破される。
 
== スーパーXIII ==
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[[メカゴジラ]]系列の機体を除き、ゴジラ映画史上、唯一[[怪獣]]の撃破に成功した自衛隊の兵器であると同時に、スーパーXシリーズ中唯一撃破されなかった機体でもある。
 
=== コロコロコミック版 ===
『[[月刊コロコロコミック]]』に掲載された『vsデストロイア』のコミカライズ版では、前進翼を持つ[[ステルス性]]の高い戦闘機としてまったく違うデザインで登場し、現場で翼を前に折りたたむことでスーパーX2に近い外見となった突入形態(アタックフォーメーション)で、ゴジラに核分析器(核アナライザー)を取り付けることに成功したが、故障により放棄されている。このコミカライズ版でのパイロットは『[[ゴジラvsスペースゴジラ]]』で活躍した結城晃{{efn|『vsスペースゴジラ』の事件後逮捕・収監されていたが、この作戦のために一時釈放されている。}}。
 
=== 備考(スーパーXIII) ===
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: 企画書段階ではGフォース最終兵器と位置づけているものもあり、この設定に基づいて[[轟天号]]を模したデザインのものも描かれている<ref>{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|pp=96 - 97|loc=「ゴジラVSデストロイアアートワークス」}}</ref>。
: 『[[ゴジラvsメカゴジラ]]』で[[メカゴジラ]]のトランスポーターとしてデザインされていたメカが、後のスーパーXIIIを思わせるデザインであった{{R|メカ大全239}}。
:
; 造型
: 造形は[[オガワモデリング]]{{R|VSD超全集73}}。
: 小学館『ゴジラVSデストロイア超全集』には、機体が一部破損した状態で三面写真が掲載されており、作戦終了後に撮影された旨が記述されている{{R|VSD超全集26}}。
 
=== その他の作品での登場(スーパーXIII) ===
===; コロコロコミック版 ===
: 『[[月刊コロコロコミック]]』に掲載された『vsデストロイア』のコミカライズ版では、前進翼を持つ[[ステルス性]]の高い戦闘機としてまったく違うデザインで登場し、現場で翼を前に折りたたむことでスーパーX2に近い外見となった突入形態(アタックフォーメーション)で、ゴジラに核分析器(核アナライザー)を取り付けることに成功したが、故障により放棄されている。このコミカライズ版でのパイロットは『[[ゴジラvsスペースゴジラ]]』で活躍した結城晃{{efn|『vsスペースゴジラ』の事件後逮捕・収監されていたが、この作戦のために一時釈放されている。}}。
: 川北は、冷凍レーザータンクともどもゴジラのメルトダウンを食い止めるための手段として冷凍砲を装備したメカの登場が必然であったと述べている{{R|メカ大全316}}。
; 登場案
: スーパーXIIIの登場案は『vsデストロイア』以前からたびたび挙がっていた。
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<ref name="メカ大全239">{{Harvnb|東宝特撮メカニック大全|2003|p=239|loc=「1990s メカゴジラ」}}</ref>
<ref name="メカ大全254">{{Harvnb|東宝特撮メカニック大全|2003|pp=254-259|loc=「1990s スーパーXIII」}}</ref>
<ref name="メカ大全316">{{Harvnb|東宝特撮メカニック大全|2003|pp=316-317|loc=「INTERVIEW [[川北紘一]]」}}</ref>
<ref name="メカ大全321">{{Harvnb|東宝特撮メカニック大全|2003|p=321|loc=「INTERVIEW [[井上泰幸]] [[高木明法|髙木明法]]」}}</ref>
<ref name="東宝特撮映画大全集210">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=210|loc=「『ゴジラ』(1984年版)兵器図録」}}</ref>
<ref name="東宝特撮映画大全集211">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=211|loc=「『ゴジラ』(1984年版)撮影秘話」}}</ref>