「ラドン (架空の怪獣)」の版間の差分

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| caption= 初代ラドン
| first=『[[空の大怪獣 ラドン]]』
| creator={{Plainlist|
|* creator=[[吉田穣]](『VSメカゴジラ』デザイン)<br />[[西川伸司]](『FINAL WARS』デザイン)
| portrayer=[[中島春雄]](『ラドン』)<br />[[宇留木康二|宇留木耕嗣]](『三大怪獣』)<br />[[篠原正記]](『大戦争』)<br />[[荒垣輝雄|新垣輝雄]](『総進撃』)<br />[[神尾直子]](『FINAL WARS』)
* [[西川伸司]](『FINAL WARS』デザイン)
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| portrayer={{Plainlist|
* [[中島春雄]](『ラドン』)
* [[宇留木康二|宇留木耕嗣]](『三大怪獣』)
* [[篠原正記]](『大戦争』)
* [[荒垣輝雄|新垣輝雄]](『総進撃』)
* [[神尾直子]](『FINAL WARS』)
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'''ラドン''' (Rodan) は、映画『[[空の大怪獣 ラドン]]』をはじめとする[[東宝]]製作の[[怪獣映画]]に登場する架空の[[怪獣]]である。[[ゴジラ (架空の怪獣)|ゴジラ]]、[[モスラ (架空の怪獣)|モスラ]]と共に東宝三大怪獣と称される。
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|体重=1万5千[[トン|t]]{{R|怪獣大全集68|VSMG超全集66|東宝特撮映画大全集22|ALL40|大辞典298}}
|飛行速度=マッハ1.5{{R|VSMG超全集66|機龍超全集|GFW超全集76|東宝特撮映画大全集22|ALL40|東宝全怪獣14|大辞典298}}{{efn|書籍『ゴジラVSキングギドラ 怪獣大全集』では、マッハ1と記述している{{R|怪獣大全集68}}。}}
|出身地={{Plainlist|
|出身地=阿蘇山{{R|ALL40}}<br />阿蘇山付近の炭鉱地下坑道{{R|東宝特撮映画大全集22|東宝全怪獣14}}<br />(阿蘇山の地底{{R|機龍超全集}})
* 阿蘇山{{R|ALL40}}
|出身地=阿蘇山{{R|ALL40}}<br* />阿蘇山付近の炭鉱地下坑道{{R|東宝特撮映画大全集22|東宝全怪獣14}}<br />(阿蘇山の地底{{R|機龍超全集}})
* (阿蘇山の地底{{R|機龍超全集}})
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核実験の放射能や火山ガスによる高温化の影響で現代に復活した。劇中でプテラノドンとの関連性を示すような発言があるが、直接は明言されていない。ただし、シナリオ上の設定でプテラノドンは「'''中生紀'''に生息した飛竜の一種で空飛ぶ'''[[始祖鳥]]'''としては最大のもの」とされている{{Sfn|田中友幸|1993|p=61}}。
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* [[スーツアクター]]は[[中島春雄]]{{R|東宝特撮映画大全集23}}。
* 作中ではラストシーンになるまでラドンが2頭いるという明確な描写がない{{efn|福岡での戦闘のラストシーンに、地上にいるラドンの上空を飛行するもう1頭のラドンが写っている。}}。一応の伏線は張られているが、世界各地で未確認飛行物体による被害が同時に出ているという電話を航空自衛隊の基地司令室で新聞記者が本社から受け取るという非常に分かりづらい演出のため、海外公開版では2頭いることを説明するシーンが追加されている。最初期の準備稿では、登場するのは1頭のみであった{{R|東宝特撮映画大全集22}}。
* 本作のラドンは背中に緑と黄色のラインが入っている。頭部造形は[[利光貞三]]、胴体は八木勘寿、八木康栄による。デザインは数回にわたって検討され、「[[始祖鳥]]タイプ」、「鳥の羽をつけたもの」、「翼竜タイプ」の検討用粘土モデルが作られている。初期のデザインスケッチには始祖鳥をモチーフとしたものも存在していたが、後には翼竜をモチーフとしたものに変更された{{Sfn|東宝特撮怪獣映画大鑑 増補版|1999|p=291-292}}。造形物はスーツのほか、上半身のみのギニョールとサイズの異なる飛行モデルが6種類作られた{{R|東宝特撮映画大全集23}}。スーツの翼は、天竺布にラテックスを塗っているため重量があり、人の手では支えられないため、炭火で炙って曲げた竹を入れて支え、さらにピアノ線で吊っている{{R|ALL40}}。
* 子供のラドンは、手踊り式の[[ギニョール]]・モデルで表現されている{{R|東宝特撮映画大全集22}}{{efn|書籍『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』では着ぐるみで中島が自らが入ったと記している{{Sfn|中島春雄|2010|p=202-204}}。}}。
 
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|体重=1万5千t{{R|VSMG超全集66|5499超全集昭和|東宝特撮映画大全集昭和|ALL2代目|東宝全怪獣36}}
|飛行速度=マッハ1.5{{R|VSMG超全集66|5499超全集101|東宝特撮映画大全集昭和|ALL2代目|東宝全怪獣36}}
|出身地={{Plainlist|
|出身地=* 九州・阿蘇山(『三大怪獣』){{R|5499超全集101|東宝特撮映画大全集88|ALL2代目|東宝全怪獣36}}<br />鷲ヶ沢の火山灰の中(『大戦争』){{R|東宝全怪獣40}}<br />怪獣ランド(『総進撃』){{R|5499超全集124|東宝全怪獣51}}
* 鷲ヶ沢の火山灰の中(『大戦争』){{R|東宝全怪獣40}}
* 怪獣ランド(『総進撃』){{R|5499超全集124|東宝全怪獣51}}
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昭和期のゴジラシリーズに登場したラドンは、各作品のストーリー上の矛盾はあるもののすべて同一のものとされており{{R|怪獣大全集70}}、便宜上'''二代目ラドン'''と呼ばれることが多い{{R|怪獣大全集70|VSMG超全集66|ALL94|大辞典298}}。初代と比べると背中の形が異なり、全体がやや細身で、瞳も人間のそれに近くなり、首と嘴は初代より若干長くなっている。尾の形状は初代のような楕円形ではなく、本体に向かって台形で[[トビ]]などの[[猛禽類]]の尾羽に近くなっている。
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; 造形
: スーツは本作のための新造形{{R|東宝特撮映画大全集89}}。頭部造形は[[利光貞三]]、胴体は八木勘寿、八木康栄による{{R|東宝特撮映画大全集89}}。
: 円谷からラドンの羽を鳥のように折りたためないか造形班に要望があり、翼の骨材に支点を入れて制作されたが、[[ラテックス]]を塗った段階で弾力を持ってしまい、上手くいかなかった{{R|東宝特撮映画大全集89|ALL94}}。操作棒で動かす操り人形式のモデルが作られ、ゴジラと見合って戦う場面のほとんどで使われている。また、アップ用の頭部は、口と目玉がリモコンで動く{{R|東宝特撮映画大全集89}}。阿蘇山から現れるシーンで使われた際には、顎の開閉部分のギミックが丸見えになっている。
: 細かい表情やゴジラとの対決シーンのほとんどは、2[[尺]]サイズの棒操り式のギニョールが使われている{{R|東宝特撮映画大全集89}}。大型の飛行ミニチュアも用意され、劇中ではモスラの幼虫を背中に乗せて飛行するという芸当を見せる。
: 2尺大の飛行ミニチュアはゴジラと併せて円谷特技プロに貸し出され、『ウルトラQ』に登場する怪鳥[[ウルトラQの登場怪獣#原始怪鳥 リトラ|リトラ]]に改造された。改造は[[井上泰幸]]。返却されたこのミニチュアは、『[[ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘]]』(1966年)で利光らによって「大コンドル」に改造され、登場した{{R|5499超全集116}}。
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その後、X星人に操られてゴジラやキングギドラ共々地球を襲うが、地球人の反撃でコントロールが切れてからはゴジラと共闘してキングギドラと再戦し、海へ落下する。キングギドラを宇宙へ撃退するが、自身はゴジラと共に最後まで海から姿は見せない。
 
* スーツアクターは[[篠原正記]]{{Sfn|中島春雄|2010|p=151}}{{R|東宝特撮映画大全集105|ALL112}}。
* 着ぐるみ(ぬいぐるみ)は前作『[[三大怪獣 地球最大の決戦]]』の流用である{{R|東宝特撮映画大全集105|ALL112}}。翼幅が広く修正され{{R|東宝特撮映画大全集105|ALL112}}、頭と脚部も外観が変化している{{R|ALL112}}。ゴジラと共にキングギドラに体当たりして撃退するシーンには、縮小人形が使用されている。
 
=== 『怪獣総進撃』 ===
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* スーツアクターは[[荒垣輝雄|新垣輝雄]]{{R|東宝特撮映画大全集123}}。
* 再び『地球最大の決戦』のものが流用されている{{R|東宝特撮映画大全集125|ALL144}}。頭と翼が補修された際、喉元に縦長のコブのようなものが生じている。
 
== 『ゴジラvsメカゴジラ』のラドン ==
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|名称=ラドン
|英字表記=RODAN{{R|VSMG超全集24|5499超全集41}}
|別名={{Plainlist|
|別名=* 翼竜怪獣{{R|東宝特撮映画大全集238|東宝全怪獣86}}<be />空の大怪獣{{R|5499超全集41}}
* 空の大怪獣{{R|5499超全集41}}
}}
|身長=70m{{R|VSMG超全集24|5499超全集41|東宝特撮映画大全集238|ALL247|東宝全怪獣86|大辞典299|大辞典299}}
|翼長=120m{{R|5499超全集41|ALL247}}{{efn|資料によっては「150メートル」と記述している{{R|VSMG超全集24|東宝特撮映画大全集238|大辞典299}}。}}
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ベビーゴジラの卵に反応して出現したゴジラに機動力を活かして善戦し、ついには岩山に生き埋めにするが、直後にゴジラの尾の一撃で叩き落とされ、何度も踏みつけられた末に飛翔しようとしたところを放射熱線を浴びせられ、敗北する。
 
皮膜内に大きな骨のようなものが見受けられるが、設定ではこれは血管であるとされている{{SfnR|野村宏平|2004|p=289大辞典299}}。また、頭の突起物も2本から3本になっているほか、尾の形も初代や二代目の平面な尾ではなく、背部に棘の列が並ぶ細いものに変更され、嘴も長くなり、よりプテラノドンに近付けられている。
 
* デザインは吉田穣{{R|VSMG超全集78}}{{Sfn|田中友幸|1993|p=65}}、造型は[[モンスターズ (製作会社)|MONSTERS]]が担当{{R|VSMG超全集78|ALL247}}。本作では着ぐるみを使わず人形の繰演と手繰りのギニョールが用いられた{{R|VSMG超全集78|東宝特撮映画大全集239|ALL247}}。製作初期段階では着ぐるみを使うことも想定されていた{{Sfn|田中友幸|1993|p=65}}。{{独自研究範囲|そうした変更から、嘴も初代や二代目より長くなっている。|date=2021年5月}}メインモデルは、頭部から首がラジコンで可動する{{R|VSMG超全集78}}。翼の膜は、発泡ポリスチレンの前後にラテックスを張り合わせている{{R|VSMG超全集78}}。
* 脚本段階では「ホワイトラドン」という名称で{{R|東宝特撮映画大全集238}}、これに準じたデザインも描かれている{{R|VSMG超全集78|平成ゴジラ}}。準備段階では雌雄2匹で登場する案も存在し、トサカのついた雄のデザインも起こされている{{R|平成ゴジラ}}。
 
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* 劇中ではファイヤーラドンの名前は出ず、単にラドンと呼ばれている。
* 造形物は、ラドンのものを塗り替えている{{R|VSMG超全集78|ALL247}}。風化した粉は、銀粉にプラスチックの削りカスやコンクリートの硬化剤などを混ぜている{{R|VSMG超全集85}}。
* ゴジラの赤い熱線と共に、命の脈動の力強さを赤で象徴しており、鋭利で金属質なメカゴジラとの対比を表現している<ref>『ゴジラvsメカゴジラ』劇場パンフレット[[川北紘一]]メッセージより。</ref>。
* 書籍『ゴジラVSメカゴジラ超全集』では、体色が変化したのは[[カメレオン]]や[[タコ]]のような攻撃色であると推測している{{R|VSMG超全集66}}。また、ゴジラと一体化したのは、[[チョウチンアンコウ]]のオスがメスと一体化するのと同様に種の保存を目的としたものであり、同族と信じていたベビーゴジラを守るための手段であったと解釈している{{R|VSMG超全集66}}。
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* スーツアクターは[[神尾直子]]。
* デザインは[[西川伸司]]{{R|GFW超全集84|ALL302}}。『怪獣総進撃』以来の着ぐるみでの登場であり、頭の突起物が前作の3本から2本に戻り{{R|ALL302}}、尾の形状も初代に近付けられている。体色は明るい茶色{{R|GFW超全集88}}。翼をマントのように畳むという指示から、肘を曲げられる形状としているが、曲げたとき皮膜にシワが出てしまうため翼に風を当てている{{R|ALL302}}。また、翼の指の構造は実際の翼竜と同じになった。足が弱く見えないよう、腹部から足にかけて鎧状のディテールを取り入れている{{R|ALL302}}
* 造形物は、スーツと飛行用モデルが制作された{{R|GFW超全集88}}。ケレン味の表現から、翼をマントのように体を覆い隠すことができる形状となっている{{R|GFW超全集88}}。飛行シーンのほとんどは、ブルーバック合成で描写された{{R|GFW超全集91}}。
 
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<ref name="ALL2代目">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=94,112,144}}</ref>
<ref name="ALL94">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=94|loc=「『三大怪獣 地球最大の決戦』ラドン」}}</ref>
<ref name="ALL112">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=112|loc=「『怪獣大戦争』ラドン」}}</ref>
<ref name="ALL144">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=144|loc=「『怪獣総進撃』ラドン」}}</ref>
<ref name="ALL247">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=247|loc=「『ゴジラVSメカゴジラ』ラドン」}}</ref>
<ref name="ALL302">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=302-303|loc=「『ゴジラ FINAL WARS』ラドン」}}</ref>