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'''住宅'''(じゅうたく、{{Lang-en|House}})は、人の[[居住]]を用途とする[[建築物]]。「'''住居'''」とも言う。生活範囲となる[[環境]]を含める場合もある。
 
ひとつの[[敷地]]に一[[世帯]]が居住する「'''一戸建(て)'''」(戸建(て)、個人住宅とも言う。[[建築基準法]]においては専用住宅)と、複数世帯が居住する「'''[[集合住宅]]'''」([[建築基準法]]においては共同住宅)とに大別される。また、自己が所有し居住する'''持ち家'''と、他人が所有する住宅を借りて居住する'''[[貸家]]'''('''貸間''')・'''[[賃貸住宅]]'''に分けることもできる。いずれの形態でも自身の住む住宅を指して'''自宅'''と称することができる。
 
住宅の形には、社会の変化に応じて流行もあり、和風住宅、洋風、欧風住宅といった呼び名があり、また、[[高齢者]]の[[在宅ケア]]などのための同居する人が増えるようになり、二世帯、三世帯住宅や、高齢者住宅、バリアフリー住宅といった呼称も出てきた。
 
== 歴史 ==
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適切な住宅の供給は[[社会福祉]]において重要な論点の一つであり、各国政府は[[公営住宅]]の建設をはじめとするさまざまな[[住宅政策]]を実施している。日本では[[第二次世界大戦]]後、地方公共団体が低所得者層に供給する公営住宅、[[日本住宅公団]]が中所得者に集合住宅や分譲住宅を開発して提供する[[公団住宅]]、そして中所得者層に低利の融資を行い住宅建設を促進する[[住宅金融公庫]]が設立され、20世紀末に縮小・廃止されるまで住宅の安定供給に大きな役割を果たしてきた<ref>「図解住居学4 住まいと社会」p56-57 図解住居学編集委員会編 彰国社 2005年11月10日第1版発行</ref>。また福利厚生の一環として、社員に[[社宅]]や寮を提供している会社も多い。ただし、多くの国において主に住宅を建設しているのは民間である。住宅地を開発し、住宅を建設して販売する産業は[[住宅産業]]と総称される。住宅関連の産業としては、大規模な[[宅地]][[造成]]やマンション建設を行う[[デベロッパー (開発業者)|デベロッパー]]をはじめ、主に戸建て住宅の建設を行う[[ハウスメーカー]]や[[工務店]]といった住宅建設企業、完成した住居の売買や賃貸を行う[[不動産業]]、さらには住宅設計や住宅設備など、その分野は多岐にわたる。
 
住宅の所有形態は自己が所有し居住する持ち家と、他人が所有する住宅を借りて居住する[[賃貸住宅]]の2つが存在する。日本の持ち家率は2018年時点で61.2%にのぼる<ref>http://www.stat.go.jp/info/today/152.html 「都道府県別でみる住宅状況 ~住宅及び世帯に関する基本集計(確報値)より~」日本国総務省統計局 令和元年12月20日 2021年5月9日閲覧</ref>。諸外国の持ち家率は国によって異なるものの、先進国ではおおむね2000年代前半で5割から7割程度のところが多い<ref>「居住の貧困」p72 本間義人 岩波書店 2009年11月20日第1刷発行</ref>。
 
住宅は必需品である上に高額な商品であるため、住宅産業が経済に占める割合は大きく、その経済波及効果も大きなものである。しかし、特に都市部においては旺盛な需要に対し供給が十分でないことが多く、さらに投機的資金が流入しやすいこともあって、住宅用の土地および住宅価格の高騰がしばしば問題となる。たとえば日本では、1970年代から1980年代末の[[バブル経済]]期にかけて地価が暴騰し、住宅の建設にも悪影響を及ぼした<ref>「図解住居学4 住まいと社会」p18-19 図解住居学編集委員会編 彰国社 2005年11月10日第1版発行</ref>。こうした住宅バブルは世界的にしばしば発生しており、なかでも2007年にアメリカで[[サブプライム・ローン]]が[[不良債権]]化して起きた[[サブプライム住宅ローン危機]]は翌年の[[リーマン・ショック]]へとつながり、[[世界金融危機 (2007年-2010年)]]を引き起こして世界経済に大打撃を与えた<ref>https://toyokeizai.net/articles/-/2353 「《よく分かる世界金融危機》サブプライム危機はどのように世界に拡大したのか」東洋経済オンライン 2008/11/17 2021年5月9日閲覧
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== 法と規制 ==
住宅はまったく無制限に建設できるわけではなく、多くの国家において建築基準や建設できる地域が指定されており、日本においても[[建築基準法]]において基本的な建築基準が決められている。また[[都市計画法]]によって[[都市計画区域]]内の市街化区域において13の[[用途地域]]が定められていて、このうち[[第一種低層住居専用地域]]、[[第二種低層住居専用地域]]、[[第一種中高層住居専用地域]]、[[第二種中高層住居専用地域]]、[[第一種住居地域]]、[[第二種住居地域]]、[[準住居地域]]、[[田園住居地域]]の8つが主に住居用途として指定された地域であるが、それ以外の地域でも[[工業専用地域]]を除くすべての用途地域で住宅を建設することはできる<ref>https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/other/youtochiiki/ 「用途地域とは? 用途地域の一覧で土地や家を探すときやライフスタイルにあった地域の選び方を知ろう」SUUMO 2021年5月9日閲覧</ref>。ただし良好な住宅環境を守るため、住居用途地域においては住居以外の建物に一定の用途制限が課されている。日本の建物用途制限は、諸外国に比べ厳しくないとされている<ref>「居住福祉」p138-142 早川和男 岩波新書 1997年10月20日第1刷発行</ref>。
 
== 住宅の分類 ==