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アメリカでは[[1871年]]にはガス圧を利用するフランスの[[ホッチキス Mle1914重機関銃|オチキス機関銃]]が登場した。1884年(特許取得は1883年)には、アメリカ人の[[ハイラム・マキシム]]がイギリスで、[[水冷]]・反動式の[[マキシム機関銃]]を発明し、[[1891年]]には[[イギリス軍]]に採用された。マキシム機関銃は[[ヴィッカース]]社により大量生産され、多くの国で類似品が生産された。[[1905年]]には[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社が[[空冷]]・ガス圧式のブローニング機関銃を生産した。これらにより、機構が複雑で、重量がかさむガトリング砲は急速に廃れていった。これには燃焼カスが大量に発生し銃身あたりの連射数の限界が低い[[黒色火薬]]・[[褐色火薬]][[実包]]から、清掃無しでも連射数の比較的多い[[無煙火薬]]実包への切り替えも大きく寄与している。
 
この頃までは、[[ヨーロッパ|欧州]]社会を中心に機関銃が開発されていたが、騎士道精神がまだ残っていた西洋社会の中で白人同士の[[戦争]]にそれらの使用が忌避され、主に[[植民地]]の住民に対して使用された(騎士道云々ではなく、植民地の戦場では人数で圧倒的に負けていたから使わざるを得なかったともいわれる)<ref>『機関銃の社会史』p23-26 ジョン・エリス 越智道雄訳 平凡社 1993年4月10日初版第1冊発行</ref>。機関銃は特にアフリカの植民地化において威力を発揮した。アフリカの植民地戦争においてはじめてガトリング砲が投入されたのは1879年の[[ズールー戦争]]であり、その後いくつかの戦争に投入されたものの<ref>『機関銃の社会史』p132-137 ジョン・エリス 越智道雄訳 平凡社 1993年4月10日初版第1冊発行</ref>、1880年代後半に入るとマキシム機関銃が植民地で広く使用されるようになり、アフリカ側をまさしく圧倒した<ref>『機関銃の社会史』p140-156 ジョン・エリス 越智道雄訳 平凡社 1993年4月10日初版第1冊発行</ref>。白人同士で最初に大々的に使用されたのは、こういった倫理的制約の薄かった新興国である[[アメリカ合衆国]]の[[南北戦争]]からであった。機関銃の持つ軍事合理性が騎士道精神より優先された<ref>加藤朗著 『兵器の歴史』 芙蓉書房出版 2008年1月25日第一刷発行 ISBN 9784829504130 </ref><ref>『機関銃の社会史』p35-38 ジョン・エリス 越智道雄訳 平凡社 1993年4月10日初版第1冊発行</ref>。
 
=== 機関銃の大量使用 ===