「資源ナショナリズム」の版間の差分

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'''資源ナショナリズム'''(しげんナショナリズム)とは、自国に存在する[[資源]]を自国で管理・[[開発]]しようという動き。資源の[[所有権]]を強く意識する考えが、[[民族]]・[[国土]]を重視する[[ナショナリズム]]に例えられている。
 
==概要歴史==
===発端===
[[産業革命]]以後、飛躍的に資源利用が増大してから、[[植民地]]に存在する資源は[[先進国]]の[[多国籍企業]]により管理・開発されることが多かった。20世紀後半、植民地が次々と独立を遂げる中で、自国の資源を自国のものにしようという動きが高まった。そして、[[1962年]]に[[国際連合]]で'''「天然資源に対する恒久主権の権利」の宣言'''が出された。その内容は、
*天然資源が保有国に属し,資源保有国の国民的発展と[[福祉]]のために用いられるべきこと
 
*資源開発に従事する外国資本の活動について,資源保有国が種々の条件・[[規制]]を課すことができること
20世紀後半、植民地が次々と独立を遂げる中で、自国の資源を自国のものにしようという動きが高まった。
*資源開発により得られた[[利益]]は,投資側と受入国側との協定に従って配分されねばならないこと
 
である。
'''1962年の[[国際連合]]における「天然資源に対する恒久主権の権利」の宣言'''
*天然資源が保有国に属し,資源保有国の国民的発展と[[福祉]]のために用いられるべきこと。
*資源開発に従事する外国資本の活動について,資源保有国が種々の条件・[[規制]]を課すことができること。
*資源開発により得られた[[利益]]は,投資側と受入国側との協定に従って配分されねばならない。
 
===高揚===
1973年、[[石油危機]]において資源ナショナリズムは、その威力を発揮した。[[アラブ]]諸国は、[[石油]]価格を吊り上げ、対[[イスラエル]]政策への賛同と石油輸出をリンクさせたのである。こうして、資源は「先進国に売らなくてはならないもの」から「先進国との外交交渉におけるカード」へと変わった。資源輸出国は交渉力を高めるために、資源毎の連合を組んだ
 
こうして、資源は「先進国に売らなくてはならないもの」から「先進国との外交交渉におけるカード」へと変わった。資源輸出国は交渉力を高めるために、資源毎の連合を組んだ。
 
'''主要な資源輸出国連合'''
*[[OPEC]] 石油輸出国機構(1960~)]](OPEC 1960年-)
*[[OAPEC]] アラブ石油輸出国機構(1968~)]](OAPEC 1968年-)
*[[CIPEC]] 銅輸出国政府間協議会(1968~)]](CIPEC 1968年-)
*[[ANRPC]] 天然ゴム生産国連合(1970~)]](ANRPC 1970年-)
*[[IBA]] ボーキサイト生産国機構(1974~)]](IBA 1974年-)
*[[UPEB]] バナナ輸出国機構(1974~)]](IPEB 1974年-)
*[[IGMPC]] 水銀生産国グループ(1974~)]](IGMPC 1974年-)
*[[SEALPA]] 東南アジア木材産出業者協会(1974~)]](SEALPA 1974年-)
*[[AIOEC]] 鉄鉱石輸出国連合(1975~)]](AIOEC 1975年-)
 
特に、OPEC石油輸出国機構は石油価格を操作することで1970年代の[[世界経済]]に絶大な影響を及ぼした。[[オイルダラー]]の発生は[[国際金融市場]]をも通じて世界へ影響を与えた。
 
===混迷===
[[1980年]]代、アメリカにおいて次々と[[商品先物]]市場が形成された。商品先物市場で決まる先物の価格が、現物の価格の指標となった。こうして資源価格は市場で決まるようになった。また、高騰した資源価格は世界各地で試掘投資を活性化させ新興資源国が生まれた。こうして旧来の資源輸出連合諸国は価格の主導権を失い、市場価格に基づき増減産や設備投資を迫られることになった。
 
また、高騰した資源価格は世界各地で試掘投資を活性化させ新興資源国が生まれた。
 
こうして旧来の資源輸出連合諸国は価格の主導権を失い、市場価格に基づき増減産や設備投資を迫られることになった。
 
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