「琥珀」の版間の差分

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|分類 = [[有機鉱物]]
|strunz = 10.C その他の有機鉱物
|組成 = 主成分 C<sub>10</sub>H<sub>16</sub>O+(H<sub>2</sub>S)>
|晶系 = [[非晶質]]
|色 = [[蜂蜜|蜂蜜色]]、[[白色]]、[[黒色]]、[[赤]]、[[緑]]
「琥」の文字は、中国において虎が死後に石になったものだと信じられていたことに由来する<ref name="kampoiyaku">仝選甫「薬食兼用の天産物 No.34 琥珀(コハク)」『漢方医薬新聞』2010年11月25日、8面。</ref>。日本の産地である[[岩手県]][[久慈市]]の方言では、「くんのこ(薫陸香)」と呼ばれる。
 
英名 '''amber''' は{{lang-ar|'''عنبر'''}} ('anbar{{lang|ar-latn|ʿanbar}}、[[龍涎香]]のような香りがするもの)に由来する。
 
[[古代ギリシア]]ではエーレクトロン ({{lang-grc-short|ἤλεκτρον}})と呼ばれる。意味は「太陽の輝き」という意味である<ref name="King1">([[イーリアス]] 6.513, 19.398). {{Cite book | last = King|first = Rev. C.W.|title = The Natural History of Gems or Decorative Stones|publisher = Cambridge (UK)|year = 1867|page= 315|url= http://www.farlang.com/gemstones/king-gems-decorative-stones/page_315}}</ref>。
 
英語で電気を意味する {{lang|en|''electricity''}} は琥珀を擦ると[[静電気]]を生じることに由来している<ref name="kaseki">P.A.セルデン・J.R.ナッズ著、鎮西清高訳『世界の化石遺産 -化石生態系の進化-』 朝倉書店 2009年 132ページ</ref>。
 
[[古代ローマ]]では、 {{lang|la|electrum}}{{lang|la|sucinum}} ({{lang|la|succinum}})、{{lang|la|glaesum}}{{lang|la|glesum}}<ref>{{cite wikisource|wslanguage=la|title=De origine et situ Germanorum (Germania)|anchor =XLV|trans_title = [[ゲルマニア (書物)|ゲルマニア]] | show-language=yes |author=[[タキトゥス]]|quote=ac soli omnium sucinum, quod ipsi glesum vocant,}}</ref>などと呼ばれていた<ref>{{Cite EB1911|wstitle=Amber (resin)}}</ref>。
 
[[ベルンシュタイン]]({{lang-de|Bernstein}})はドイツ語で「燃える石」の意で、琥珀を指す。これは可燃性である石であることから名づけられた。
樹脂の粘性に囚われた小生物(ハエ、アリ、クモ、トカゲなど)や、毛や羽、植物の葉、古代の水や空気(気泡)が混入していることがある。特に虫を内包したものを一般に「'''虫入り琥珀'''」と呼ぶ。昆虫やクモ類などは、通常の化石と比較すると、はるかにきれいに保存されることから、化石資料としてきわめて有用である。
 
小説『[[ジュラシックパーク]]』のフィクションの設定は、琥珀内の蚊から恐竜の血と[[DNA]]を取り出して復元するというもので、作品発表当時のバイオテクノロジーで実際にシロアリでできたという事例がアイデア元となっている。ただし、数千万年前ともなると琥珀に閉じ込められた生体片のDNAを復元することは実際には不可能である<ref>{{Refnest|group="注"|生物遺体のDNA情報は521年に半分の割合で欠損するという研究がある。これに基づけば、数千万年前の恐竜時代のDNA情報はほぼゼロとなる。(Matt<ref>Matt Kaplan "[http://www.nature.com/news/dna-has-a-521-year-half-life-1.11555 DNA has a 521-year half-life : Nature News & Comment]", 2012年10月10日)</ref>。}}
 
市販の「虫入り琥珀」については、本物偽物も交えて、偽物には精巧稚拙いろいろある。年代の浅いコーパルをあえて琥珀の名称で売っているもの(これは本物)、コーパルなどを溶解させ現生の昆虫の死骸などを封入した模造品、樹脂でなくプラスチックなどで作った偽物、など。
:[[ファイル:White P.jpg|thumb|白リン(表面は日光によって赤リン化)]]
:ポーランドは琥珀の生産において圧倒的な世界一を誇り、世界の琥珀産業の80%が[[グダニスク]]市にあり、世界の純正琥珀製品のほとんどがこのグダニスク地方で製造される<ref>http://books.google.co.jp/books?id=g6NVVpqhixIC&pg=PA137&lpg=PA137&dq=amber+poland+per+cent&source=bl&ots=nzSlMk-CEB&sig=9wrGCk6cBWnH5uLDxB_274GoYvw&hl=ja&ei=7W0WTcOzDI3Qca206eEK&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=5&ved=0CEcQ6AEwBA#v=onepage&q&f=false</ref>。
:毎年、グダニスクでは国際宝飾展 {{lang|en|AMBERMART}} が催される。また、[[:pl:Muzeum Bursztynu w Gdańsku|琥珀博物館]]も建てられている。
:;※注意
::バルト海沿岸では、[[第二次世界大戦]]に使われた[[白リン弾]]から[[白リン]]が漏出し、琥珀と間違えて[[火傷]]を負う事故が起きている。白リンは海中では発火しないが、人体に接触すると発火発熱するため、注意が呼びかけられている<ref>{{cite web2|title=Phosphorklumpen: Vermeintlicher Bernstein verbrennt Strandbesucher|periodical=|publisher=[[Spiegel Online]]|url=http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/phosphor-aehnelt-bernstein-und-verbrennt-mann-am-strand-a-943631.html|url-status=|format=|access-date=2014-01-15|archive-url=|archive-date=|last=|date=2014-01-15|year=|language=|pages=|quote=}}</ref>。
欧州では18世紀頃までは海洋起源の鉱物だと考えられていた。海に沈んで上ってくる太陽のかけらや、人魚の涙が石となり、海岸に打ち上げられたのだと広く信じられていた。琥珀と[[黄金]]の二宝石は、太陽の化身と特別視された。その一方で、紀元1世紀ローマの[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]の著書『博物誌』には既に植物起源と知られていたことが記されている。
 
琥珀を擦ると布などを吸い寄せる[[摩擦帯電]]の性質を持つことは今日では有名であるが、歴史上最初に琥珀の摩擦帯電に言及をしたとされている人物は、現在は[[紀元前7世紀]]の[[哲学者]][[タレス]]とされている<ref>Electrochemical Supercapacitors for Energy Storage and Delivery: Fundamentals and Applications (Electrochemical Energy Storage and Conversion) 著者: Aiping Yu、Victor Chabot、Jiujun Zhang ISBN 1439869898 p.1</ref><ref group="注">その前は、紀元前4世紀の[[博物学者]][[テオプラストス]]と言われていた</ref>。
 
琥珀の蒸留物である琥珀油は、12世紀に知られていた。1546年に[[ゲオルク・アグリコラ]]は、[[コハク酸]]を発見した<ref>Life in Amber 著:George O. Poinar 23p</ref>。古代ローマの博物学者[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]は、既に琥珀が石化した樹脂であることを論じていたが<ref group="注">また、取引されている琥珀はヨーロッパ北部([[バルト海]]周辺)の産であることも知っていた</ref><ref name="kaseki"/><ref>{{cite wikisource|wslanguage=la|title=Naturalis Historia|chapter=Liber XXXVII|anchor = .5Bll.5D|trans_title = [[博物誌]] | show-language=yes |author=[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス]]|quote=Certum est gigni in insulis septentrionalis oceani et ab Germanis appellari glaesum, itaque et ab nostris ob id unam insularum Glaesariam appellatam, Germanico Caesare res ibi gerente classibus, Austeraviam a barbaris dictam. nascitur autem defluente medulla pinei generis arboribus, ut cummis in cerasis, resina in pinis erumpit umoris abundantia.}}
*確かな話として、それ(sucinum)は北の海の島々で採れ、[[ゲルマン人]]たちはglaesum([[ガラス]]、[[:en:wikt:Appendix:Proto-Germanic/glasą|*glasą]])と呼んでいる。それゆえ、皇帝[[ゲルマニクス]]の艦隊が侵攻した島のひとつを、前述の蛮人たちはAusteraviaと呼ぶが、我々はGlaesaria(ガラスの地)と呼んでいる。それは、例えば桜の樹液や水分を豊富に含む松の[[レジン]](松脂)のような、松の類の樹木から溢れた液体からできている。</ref>、その証明は18世紀のロシアの化学者[[ミハイル・ロモノーソフ]]によってなされた<ref>Menshutkin, Boris N. (1952). Russia's Lomonosov, Chemist Courtier, Physicist Poet. Princeton: Princeton University Press. ASIN B0007DKTQU</ref>。1829年に[[イェンス・ベルセリウス]]は、現代的な手法で化学分析を行い琥珀が可溶性および不溶性成分からなることを発見した。
 
 
== 脚注 ==
{{Reflist脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em}}
 
== 関連項目 ==
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